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12月12日-一般質問-04号

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  1. 新潟県議会 2022-12-12
    12月12日-一般質問-04号


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    最終取得日: 2023-06-14
    令和 4年 12月定例会 本会議令和4年12月12日(月曜日)  議事日程 第4号    午前10時 開議第1 第128号議案第2 第171号議案第3 請願第5号から第8号まで第4 県政に対する一般質問本日の会議に付した案件 日程第1  第128号議案 決算の認定について(令和3年度新潟県一般会計・特別会計) 日程第2  第171号議案 令和4年度新潟県一般会計補正予算 日程第3  第5号 子どもたちにゆきとどいた教育を!30人以下学級の実現、教職員定数の増加及び教育予算の増額を求めることに関する請願  第6号 物価上昇に見合う老齢基礎年金等の改善を求める意見書提出に関する請願  第7号 すべての子どもたちに、ゆきとどいた教育をすすめることを求める意見書提出等に関する請願  第8号 学費と教育条件の公私間格差の是正へ私学助成の増額を求めることに関する請願 日程第4 県政に対する一般質問(保坂裕一君、高見美加君、市村浩二君、佐藤浩雄君、渡辺和光君、堀勝重君)   ――――――――☆――――――――出席議員(51名)          河原井 拓 也 君  小 山 大 志 君  中 川 隆 一 君  高 見 美 加 君          保 坂 裕 一 君  与 口 善 之 君  桜 庭 節 子 君  斎 京 四 郎 君          中 村 康 司 君  松 原 良 道 君  笠 原 義 宗 君  高 橋 直 揮 君          青 柳 正 司 君  横 尾 幸 秀 君  皆 川 雄 二 君  冨 樫 一 成 君          楡 井 辰 雄 君  小 島   隆 君  佐 藤   純 君  桜 井 甚 一 君          岩 村 良 一 君  沢 野   修 君  尾 身 孝 昭 君  柄 沢 正 三 君          小 野 峯 生 君  帆 苅 謙 治 君  渡 辺 惇 夫 君  石 井   修 君          樋 口 秀 敏 君  小 島   晋 君  池 田 千賀子 君  上 杉 知 之 君          大 渕   健 君  長 部   登 君  小 山 芳 元 君  小 泉   勝 君          杉 井   旬 君  重 川 隆 広 君  秋 山 三枝子 君  片 野   猛 君          市 村 浩 二 君  安 沢 峰 子 君  遠 藤 玲 子 君  星 野 伊佐夫 君          青 木 太一郎 君  佐 藤 浩 雄 君  小 島 義 徳 君  佐 藤 久 雄 君          渡 辺 和 光 君  飯 野   晋 君  堀   勝 重 君議員以外の出席者  知事         花角 英世 君  副知事        佐久間 豊 君  副知事        橋本憲次郎 君  知事政策局長     森永 正幸 君  総務部長       小岩 徹郎 君  環境局長       玉木有紀子 君  防災局長       原  直人 君  福祉保健部長     松本 晴樹 君  産業労働部長     金井 健一 君  観光文化スポーツ部長 妹尾 浩志 君  農林水産部長     小幡 浩之 君  農地部長       登り 俊也 君  交通政策局長     佐瀬 浩市 君  会計管理者兼出納局長 太田 勇二 君  病院局長       山﨑  理 君  企業局長       樺澤  尚 君  教育長        佐野 哲郎 君  選挙管理委員会委員長 天井  貞 君  人事委員会事務局長  遠山  隆 君  警察本部長      山田 知裕 君  労働委員会事務局長  須貝 幸子 君  監査委員事務局長   山田富美子 君   ――――――――☆―――――――― △午前10時開議 ○議長(小島隆君) これより本日の会議を開きます。 御報告いたします。金子土木部長から本日の会議を欠席する旨の届出がありましたので、御了承願います。   ――――――――☆―――――――― △日程第1 第128号議案 ○議長(小島隆君) 日程第1、第128号議案を議題といたします。 普通会計決算審査特別委員長の報告を求めます。斎京四郎君。   〔斎京四郎君登壇〕 ◆斎京四郎君 普通会計決算審査特別委員会に付託されました第128号議案、令和3年度決算の認定について、本委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。 本案につきましては、去る9月定例会において、継続審査となり、閉会中審査を重ねてまいりましたが、12月9日にその審査を終了したものであります。 以下、審査の過程で述べられた主な意見について申し上げます。 まず、総務部関係として県内大学生の県内就職促進に当たっては、大学から学生に対する情報提供が重要なので、教員等の県内企業への理解を深めるとともに、授業の一環として実施するインターンシップなど、大学が企業と連携して行う取組への支援を一層強化すべきとの意見。 次に、農林水産部関係として非主食用米等への作付転換に当たっては、国の財源を活用した緊急支援により取組が進んだものの、今後も主食用米の需要の減少が見込まれるので、転換作物の定着及び拡大に向けて引き続き必要な支援を検討すべきとの意見。 以上が、審査の過程で述べられた主な意見の概要であります。 次に、議案採決に先立ち、各党の党議結果並びに無所属委員の検討結果の報告を求めたところ、自由民主党、未来にいがた、リベラル新潟、公明党、無所属佐藤浩雄委員、無所属渡辺和光委員並びに無所属飯野晋委員からは、原案賛成。 日本共産党からは、第128号議案のうち、一般会計決算については、新型コロナウイルス感染症対策に不十分さを残したことなどのため、国民健康保険事業特別会計決算については、高過ぎる国民健康保険料は依然として据え置かれていることなどのため、それぞれ反対。 残りの12特別会計決算については、いずれも原案賛成というものであります。 次いで採決を行い、原案のとおり認定すべきものと決した次第であります。 以上をもって、報告といたします。 ○議長(小島隆君) これより、第128号議案を採決いたします。 議案のうち、まず、令和3年度新潟県一般会計歳入歳出決算及び令和3年度新潟県国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算を一括して採決いたします。 これら2件に対する委員長の報告はいずれも認定であります。2件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕 ○議長(小島隆君) 起立多数。よって、2件は委員長報告のとおり認定いたしました。 次に、同じく第128号議案のうち、残りの令和3年度新潟県県債管理特別会計ほか11特別会計の歳入歳出決算を一括して採決いたします。 これら12件に対する委員長の報告はいずれも認定であります。12件を委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小島隆君) 御異議なしと認めます。よって、12件は委員長報告のとおり認定いたしました。   ――――――――☆―――――――― △日程第2 第171号議案 ○議長(小島隆君) 日程第2、第171号議案を議題といたします。 提出者の説明を求めます。花角知事。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) ただいま上程されました議案について、御説明申し上げます。 第171号議案は、令和4年度一般会計補正予算案でありまして、総額51億7,792万円の増額補正についてお諮りいたしました。 このたびの補正予算は、国の総合経済対策に対応し、出産・子育ての支援に係る経費や、送迎バスの安全装置など子供の安心・安全に係る経費等について計上するものです。 この結果、補正後の予算規模は、1兆4,339億905万8,000円となります。 何とぞ慎重に御審議の上、御賛同賜りますよう、お願い申し上げます。 ○議長(小島隆君) お諮りいたします。 第171号議案は、審査のため、諸君のお手元に配付の議案付託表のとおり、各部門の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小島隆君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔議案付託表は付録に掲載〕   ――――――――☆―――――――― △日程第3 請願第5号から第8号まで ○議長(小島隆君) 日程第3、請願第5号から第8号までを一括して議題といたします。 お諮りいたします。 請願第5号から第8号までは、審査のため、諸君のお手元に配付の請願・陳情文書表のとおり、各部門の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小島隆君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔請願・陳情文書表は付録に掲載〕   ――――――――☆―――――――― △日程第4 県政に対する一般質問 ○議長(小島隆君) 日程第4、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、保坂裕一君の発言を許します。保坂裕一君。   〔保坂裕一君登壇〕(拍手) ◆保坂裕一君 おはようございます。自由民主党の保坂裕一でございます。通告により一般質問を行います。 まず初めに、災害時の対応についてお伺いいたします。 近年、災害が激甚化、多発化している我が国では、防災及び災害対応に関する法制度の整備や改定が進められています。 本県においては、より迅速・的確な住民避難を促すための取組として、令和3年12月、新潟県防災基本条例を制定し、防災に関する基本理念を定め、県の責務並びに県民、事業者、自主防災組織等及び市町村の役割を明らかにするとともに、県及び市町村の応援、防災に関する行動指針の作成や過去の災害から得られた教訓の発信を規定しました。 本年10月23日日曜日、防災関係機関相互の緊密な連携体系を構築し、併せて地域住民の防災に対する意識の高揚を図り、地域住民と防災関係機関との連携や協力体制の強化を図ることを目的に、花角知事御出席の下、新潟県・田上町総合防災訓練が田上町役場、田上町交流会館、道の駅たがみ及び町内の小中学校を会場として開催されました。 初めに、総合防災訓練の重要性、必要性を含めた開催の意義について、知事の所見をお伺いいたします。 県民の防災意識、地域防災力の向上に向けた取組として、本県では様々な事業を展開していると承知していますが、新型コロナウイルス感染症禍もあり、地域の自主防災組織の防災訓練等も参加実績が半減した場合や、実施そのものが難しかった場合があったと聞き及んでいます。 防災リーダー育成事業をはじめとする、今年度の地域防災力向上に向けた各種事業の取組状況をお伺いするとともに、今後の進め方についてお伺いいたします。 昨年、災害対策基本法が改正され、災害時に大きな被害を受ける障害者や高齢者など、自力では円滑かつ迅速な避難が困難で、第三者の支援を必要とする避難行動要支援者の個別避難計画作成が、市町村の努力義務と位置づけられることになりました。 法改正には、避難行動要支援者への対応は名簿作成にとどまらず、一人一人の状況の把握と個別避難計画の作成に踏み込んだ取組が求められることにより、障害者や高齢者、地域の自治会関係者、福祉専門職の思いや願いが具体化しました。 この改正によって、誰一人取り残さない防災が大きく進むことを願うものです。 市町村が地域の特性や実情を踏まえつつ、災害が発生し、または発生するおそれがある場合の適切な対応を取るためには、県としての支援が重要と考えますが、知事の所見をお伺いするとともに、本県の避難行動要支援者に対する個別避難計画作成の取組状況についてお伺いいたします。 地震や台風、土砂災害などの大規模な自然災害により、長期間にわたり避難所生活が継続した場合、高齢者や障害者、子供たちといった地域の災害時要配慮者が、必要な支援を受けられない結果、生活機能が低下する、要介護度が重度化するなどの二次被害が生じている場合もあり、これら災害時要配慮者の避難生活中における福祉ニーズへの対応が課題となっています。 災害時における要配慮者の福祉ニーズに対応し、避難生活中の生活機能の低下等を防止することは、災害対策としても、県民の生命を守る観点からも、非常に重要と考えますが、災害時にどのように福祉ニーズに対応していくのか、知事の所見をお伺いいたします。 厚生労働省では、平成30年5月に、災害時における緊急一時的な福祉支援体制の構築を推進するため、各都道府県が取り組むべき基本的な内容をまとめた、災害時の福祉支援体制の整備に向けたガイドラインを策定し、災害福祉支援チーム(略称DWAT)の組織づくりと、災害福祉支援ネットワークの構築を促しました。 本県においては、大規模災害時に避難所等で福祉、介護の専門的な視点で支援活動を行うため、県内15の福祉関係団体により、新潟県災害福祉広域支援ネットワーク協議会が設置されており、活動を行っていると承知しています。 そこで、県や市町村が、新潟県災害福祉広域支援ネットワーク協議会とどのように連携しているのかお伺いするとともに、災害福祉支援チームにおけるこれまでの県内あるいは県外への応援派遣の実績についてお伺いいたします。 災害時の避難所運営に関しては、今ほど取り上げた避難行動要支援者への対応のほかに、情報の取得・管理・共有、食料や物資の管理、衛生環境、健康管理、女性への配慮、子供たちへの配慮、高齢者への配慮、ペットの持込み等々、多岐にわたる課題が存在します。 初めに申し上げた、先般の新潟県・田上町総合防災訓練では、これまでの画一的な情報発信、被災者支援の手法から脱却し、被災者一人一人の実情に合わせてカスタマイズされた情報発信や支援を展開するための新たな情報基盤を構築し、確実な避難と被災者支援の高度化を目指す観点から、避難所運営業務のデジタルトランスフォーメーション、DXに向けた実証実験が行われました。 自身の名前や住所などを被災者支援アプリに登録した被災者役の人たちが、避難所で二次元コードを提示し、運営職員がそれを読み込むことで受付手続が省略できます。 また、登録情報を活用し、避難するべき人たちを取り残すことなく避難誘導することが可能となります。 先日の総合防災訓練における、確実な避難と高度な被災者支援を実現するための研究開発の一環としての、避難所運営業務のDXに向けた実証実験において、明らかになった課題や今後の取組の方向性をお伺いいたします。 また、緊急情報の迅速な伝達による被害の最小化や被害状況の情報収集・共有の円滑化、罹災証明の発行など、住民サービス充実の観点において、防災分野におけるDXが進むことにより、住民が享受するメリットは大きいと考えられます。 今後、ますます重要性を増すと思われる防災におけるDXの推進に向けた取組について、課題をどのように認識しているのかお伺いするとともに、今後の取組方針についてお伺いいたします。 国土交通省は、中越地震や東日本大震災において、各地の道の駅での防災機能が活用されたことを踏まえ、2020年から2025年度の間に、道の駅の防災機能を向上させる方針を掲げ、その一環で昨年、本県妙高市の道の駅あらいを含めて、36道県の39駅が防災道の駅に選定されました。 今後国は、広域的な防災拠点とするための支援を行い、地域防災力強化のための防災訓練等を実施することとしています。 災害対応に当たる自衛官や警察の活動拠点のほか、物資の分配や地域住民らの避難受入れなどに使われることが想定されていますが、今後、災害時において、防災道の駅を活用することでどのような効果が見込まれるのか、所見をお伺いいたします。 災害は、季節や時間帯を選びません。発災時の季節や時間帯、住民一人一人のその場に置かれた状況は、まさに無限と言えるのではないでしょうか。 例えば、自分が住む地域で水害のおそれにより避難の必要がある場合に、指定されている避難場所が平家の保育施設や集会所だった場合、周辺に複数階の県立高校などがあれば、そちらへの避難のほうが安全確保には適していると言えます。 災害時に住民が的確な避難行動を行うためには、市町村による災害の種類に応じた避難場所の適切な指定が重要であると考えます。 県施設の避難所としての提供など、県と市町村の協力体制と連携が、地域の安全・安心に大きく作用すると考えますが、市町村の避難所指定をどのように支援していくのか、お伺いいたします。 次に、地域医療についてお伺いいたします。 県央地域の医療提供体制は、救急医療が逼迫するなど多くの課題を抱えている中、三条市、燕市、加茂市、田上町、弥彦村で構成する県央医療圏内の公立、公的5病院の急性期と手術機能を集約させた済生会新潟県基幹病院が令和5年度中の開院を目指して、ハード・ソフト両面で整備が進められています。 また、県央基幹病院の役割として、急性期医療、専門医療のほか、医学生、研修生、メディカルスタッフ研修を含めた人材育成、加えて金属加工業の集積する、ものづくり地域での立地を生かした医工連携も期待されているところです。 まず初めに、県央基幹病院のフルオープンでの開院と、断らない救急実現に向けた、本県で初となるER救急体制の本格的導入に向けた知事の決意をお伺いいたします。 今年4月から県央基幹病院に統合される燕労災病院に、救急科と総合診療科が新設され、プレER救急をスタートさせたと承知しています。取組を始めた4月以降、救急搬送時間、圏域内搬送率のいずれも改善が見られるなど、効果が現れていると聞いています。 しかし、その一方で、医師をはじめとする医療スタッフの負担増も懸念されています。 現在取り組まれている燕労災病院でのプレER救急体制の現状と課題をどのように捉え、またそれらを県央基幹病院でのER救急にどうつなげていくのか、お伺いいたします。 全国的に見た医師偏重と本県の医師不足との状況において、県央基幹病院開院時の医師、看護師の確保は大きな課題と言えます。 現在、燕労災病院のプレER救急体制では、救急科、総合診療科とも医師を2人体制としていますが、基幹病院においては、少なくとも6人から8人が必要となる試算が出ているとの報道がありました。 また、看護スタッフの確保においては、燕労災病院の看護部長自らがユーチューブやSNSを活用して積極的に情報発信したり、看護求人説明会に直接出向いて開催するなどの取組が報道で紹介されていました。 県央医療圏内の関係病院に所属する職員の雇用継続を図るための対応も含め、県央基幹病院開院に向けた医師、看護師それぞれにおける確保に向けた取組状況とその受け止めについてお伺いいたします。 指定管理移行後の加茂病院、吉田病院の運営開始時期は、令和5年度後半を予定している県央基幹病院の開院に伴う医療再編の時期を基本に、指定管理者と別途協議することとなっていますが、県央地域全体の医療提供体制の中での機能分担と連携という観点からすれば、指定管理移行後の加茂病院、吉田病院の運営開始時期は、県央基幹病院の開院と同時に新たな運営体制がスタートするのが望ましいと考えます。 そのために必要となる人材確保に向け、現在勤務する職員への意向調査や新規採用の進捗状況及び指定管理者との人材確保に関する協議の状況についてお伺いいたします。 県央地域の医療再編後の医療提供体制については、これまでにも一般質問で取り上げさせていただきましたが、住民理解促進の観点から、住民説明会の開催が必要であると同時に、病院利用者には高齢者が多いことから、オンラインだけではなく、対面での説明会を要望してまいりました。 9月3日土曜日、加茂市内で時間と場所を変えて2会場、合わせて80人が、また田上町では、1会場93人が参加し、それぞれ住民説明会が開催されました。 医療を取り巻く状況の変化や県央圏域で医療再編が必要となる背景に加え、それらを踏まえた基幹病院や地域密着病院の整備方針の内容や考え方について説明がなされました。 参加した住民の中には、指定管理者への移行を不安視する意見や、救急患者の受入れに対する曖昧な表現が理解できなかったとの感想をいただきました。 加茂・田上会場のほか、燕市、三条市で開催された説明会の状況を踏まえ、県として、住民の反応をどのように捉えているか、認識をお伺いいたします。 あわせて、今後も時期に応じた説明会を開催し、丁寧な説明や情報発信をしていくことが住民の誤解や不安を取り除くことにつながると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、教育問題についてお伺いいたします。 文部科学省の調査によると、全国の小・中・高等学校及び特別支援学校において、令和3年度の認知したいじめの件数は、前年度から19%増の9万8,188件増加し、61万5,351件と過去最高になりました。 いじめの認知件数は、新型コロナウイルス感染症による休校の影響などで減少した昨年調査から、全ての校種で再び増加しています。 本県においては、令和3年度に認知されたいじめは2万1,254件で、全国の調査同様に、全ての校種で増加し、過去最多となっています。 また、いじめの1,000人当たり認知件数は、新潟県は97.4件で、全国平均の47.7件の2倍を超えていることが着目されます。授業用に配布したタブレット端末でのいじめも確認されており、タブレットのアプリケーション機能を利用し、悪口を書き込み、送信した事例や、顔写真を加工し、送信した事例などが報告されています。 発表された数字とその傾向について知事の所感をお伺いするとともに、SNS上でのいじめ被害への対応も含めて、今後県として、どのようないじめ対策を進めるのか、お伺いいたします。 同じく文部科学省の調査によれば、全国の国公私立の小中学校で、令和3年度に30日以上欠席した不登校の児童生徒は24万4,940人となり、過去最多だったことが分かりました。 前年度からの増加割合も大きかったのは、新型コロナウイルス感染症禍における学校行事の縮小や中止により、無気力、不安を持つことにつながった可能性も否定できません。 不登校の子供たちには、寄り添った支援が必要と考えます。スクールカウンセラーを増員して、子供たちが安心して悩みを相談できる環境づくりなど、きめ細やかな支援体制が必要と考えますが、不登校の子供へどのような支援を行っていくのか、知事の所見をお伺いいたします。 文部科学省は、通常の学校の教育課程より総授業時間や教育内容を削減したり、少人数指導や習熟度別指導、個々の児童生徒の実態に即した柔軟な指導・支援を行う学校を、不登校特例校として指定することとなっています。 平成28年12月に成立した、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律においては、国及び地方公共団体が特例校の整備及び特例校における教育の充実のために必要な措置を講ずることが努力義務とされました。 文部科学省の有識者会議は、本年6月、不登校児童生徒への支援の在り方に関する報告書をまとめ、今後重点的に実施すべき施策の方向性について、都道府県による広域を対象とした不登校特例校や夜間中学との連携等を通じた特色ある不登校特例校の設置推進や指導体制の充実を掲げました。 本県の不登校特例校の設置に向けた取組の方向性と、市町村が設置する場合に県としてどのような支援を行っていくのか、所見をお伺いいたします。 子供へのスマートフォンの普及や新型コロナウイルス禍に伴い在宅時間が増えた影響もあり、オンラインゲームの課金トラブルが増えています。小学生が親のクレジットカードで150万円以上を支払ったという報道もありました。 本年4月から民法に定める成年年齢が18歳に引き下げられたことに伴い、高校生でも親の同意なしに自分で契約ができる反面、契約には様々なルールが存在し、知識がないまま安易に契約を交わすと、詐欺被害やトラブルに巻き込まれる可能性もあります。 県は、これらのトラブルを減らすための課題をどのように認識しているのかお伺いするとともに、学校教育において若年層がお金に関するトラブルに巻き込まれないように、消費者教育の推進を図るべきと考えますが、教育長の所見をお伺いいたします。 最後に、県政の諸課題についてお伺いいたします。 6月議会の一般質問でもお伺いしました表参道・新潟館ネスパスについてお伺いいたします。存続を含めた新たな拠点設置についての質問に、デジタル化の進展や消費行動の変化に伴い、情報発信拠点の必要性や意義について改めて検討する必要があると認識し、首都圏情報発信拠点あり方検討会議を設置し、検討会議からの意見を踏まえ、方針を決定したいとの御答弁でした。 あり方検討会議では、報道によれば、都内にPR拠点を継続して設置すべきとの結論をまとめたとのことですが、あり方検討会議の結論に対する知事の受け止めと、新しく拠点を設置するのであれば、規模や予定地について現時点でどのような想定をしているのか、所見をお伺いいたします。 ネスパスは、ややもすれば地元物産の販売所のイメージに捉えられがちですが、2階には新潟県へのU・Iターンの相談窓口となる、にいがた暮らし・しごと支援センターや、首都圏において観光情報の発信を行う新潟県観光協会東京観光センターが併設されており、物産品の販売のほかに観光PR拠点であり、移住・定住を考えている人の相談窓口であり、本県出身者同士の交流の場でもあります。 首都圏における新しい情報発信拠点は、アンテナショップだけではなく、これらの観光PRや移住相談窓口の機能についても引き継ぐことで相乗効果を生み、好感度も醸成できることが期待されます。 逆に単独での設置となれば、利用者の減少や費用効果も低下するのではないかと考えますが、新しい情報発信拠点に求められる機能について、知事の所見をお伺いいたします。 新潟県の水道を取り巻く状況は、給水人口の減少とそれに伴う給水収益の悪化や施設の老朽化、技術職員確保と技術力の維持の困難等により、年々厳しさを増しており、今後もその傾向は続いていくと認識しています。 水は命の源であり、県民の生活に直結する水道事業の持続的な経営を確保していくには、経営基盤の強化を進める必要があると考えます。 国は、経営基盤の強化を図る上で、市町村の区域を超えた広域化が、最も期待できる方策であるとして、都道府県に対して水道広域化推進プランの策定を要請し、このたび県は素案を公表しました。 今後、市町村等水道事業者間による広域化の推進に向け、県はどのように関わっていくのか、知事の所見をお伺いいたします。 加茂市にある新潟県農業総合研究所食品研究センターは、米菓や包装餅に加え、米粉の製粉技術と関連商品の開発や低塩みその製造技術も生むなど、新潟県の産業別製造品出荷額トップである食品産業を支え続けてきました。 最近では、長岡市山古志地域の漬物から乳酸菌のヤマコシ株を発見し、県内食品メーカーに新しいジャンルの食品開発に活用するよう提案し、米を原材料にしたヨーグルト風の発酵飲料を開発、現在では商品販売に至っています。 また、新潟県立大学では、来年4月に健康栄養学研究科が新設され、その研究分野は、健康栄養、食品開発、食と健康の制度・政策の3分野が軸となるとしています。 食品研究センターと県立大に新設される健康栄養学研究科の研究分野との連携を推進することにより、本県の食品産業のさらなる飛躍につなげるべきと考えますが、今後どのように連携していくのか、知事の所見をお伺いいたします。 代表質問でも我が党の皆川県議から質問がありましたが、送迎バスにおける子供の置き去り事故が全国で相次いでいます。 昨年7月には、福岡県中間市の私立保育園で園児1人が死亡。今年9月には、静岡県牧之原市の認定こども園で園児1人が死亡。そのほか、スクールバスや自治体のデマンドバス等での児童生徒の置き去り事件の報道を見聞きするたびに、胸が締めつけられる思いです。 運行管理上、降車時における園児の確認やバス施錠前の車内確認、園児の欠席連絡の有無と実際の状況の確認は、本来必ず行われるべきものだと考えます。 日々の点検確認を確実に促す仕組みや人感センサー等の利用といったデジタル技術も併せて活用し、利用する子供たちの安全確保を図るべきと考えますが、このような事故をどのように防止するべきか、知事の所見をお伺いするとともに、県としての指導や事故防止支援を含めた対応方針についてお伺いいたします。 交通事故対策についてお伺いいたします。コロナ禍で外出控えもあった中、交通事故件数は減少しているのではないかと想像できますが、それでも毎日のように交通事故は発生しています。 新潟県警察では、交通事故の発生場所をインターネットの地図サービスに落とし込んだ交通事故マップを作成し、ホームページで公開しています。死亡事故、歩行者の事故、中学生以下の子供の事故、自転車の事故の4種類別に地図が貼り付けられ、発生場所をクリックすると発生時間や事故時の天候、路面の状態も確認できます。 近年の県内の交通事故発生件数と死者数の推移を伺うとともに、新潟県交通事故マップの利用者からの反応と期待される効果についてお伺いいたします。 交通事故マップのページには、過去3年間で交通事故が多発している交差点を交通事故要注意交差点として、5つの地点が選定されており、その1つに田上町地内の後藤大橋交差点も記載されています。 選定されている5か所の交差点のうち、他の4か所は、いずれも新潟市内の交通量の多い地域であり、後藤大橋交差点の車両通過台数を考えれば、県内で最も事故率の高い交差点かもしれません。地元では、事故の頻度から、魔の交差点と呼ばれ、昨年には、NHK「おはよう日本」でもこの交差点が取り上げられました。 本年1月に、交差点の形状を鑑み、オーバーハングの止まれ標識を設置していただきましたが、その後も事故は減少するどころか、逆に増加しているという、まさに魔の交差点であります。 主な事故の特徴としては、町外からの一時不停止の車両が、県道を通過する車両に接触する事故です。幸い死亡事故には至っておりませんけれども、いつ死亡事故が発生してもおかしくない交差点です。 田上町地内、後藤大橋交差点の総合的かつ早急な安全対策が必要と考えますが、警察本部長の所見をお伺いするとともに、今後どのような対策を行うのか概要についてお伺いして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕
    ◎知事(花角英世君) 保坂議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、総合防災訓練の意義についてでありますが、今年度の総合防災訓練は、令和元年東日本台風や新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止が続いていましたところ、5年ぶりに田上町と共同で開催いたしました。 総合防災訓練は、災害時における各防災関係機関の適切な役割分担と、相互に連携協力した実効性ある対応方策を確認することに大きな意義があるものと考えています。 また、多くの県民が訓練に参加することで、県民一人一人が、自らの命は自ら守るという意識を持ち、ひいては県民の防災に関する意識の高揚と知識の向上を図る機会にもつながると認識しています。 県といたしましては、引き続き、市町村と連携の上、県内各地において総合防災訓練を着実に実施してまいります。 次に、避難行動要支援者に対する避難支援についてでありますが、議員御指摘のとおり、災害対策基本法が改正され、避難行動要支援者に対し適切な対応を取るために、個別避難計画を作成し、避難支援を行う者や避難先などを明確にすることが求められております。 このため、県といたしましても、市町村が行う個別避難計画の早期作成に向け、積極的に支援を行うことが重要と考えております。 なお、本県の避難行動要支援者に対する個別避難計画作成の取組状況については、防災局長からお答えをいたします。 次に、避難生活中の要配慮者の福祉ニーズへの対応についてでありますが、議員御指摘のとおり、災害時の避難生活において、要配慮者の生活機能を維持することは重要であると考えています。 要配慮者への支援については、市町村が県や関係機関の協力を得ながら要配慮者の安全確保を図る体制づくりを行うことが、県の地域防災計画に定められており、災害時には、避難所への保健師等による巡回訪問などを通じた健康管理に努めるとともに、必要に応じ、要介護高齢者等のための福祉避難所を開設することになっています。 また、県においても、市町村からの要請に基づき、保健・福祉関係職員を派遣するほか、福祉避難所が不足する場合には、旅館やホテルを福祉避難所として開設するなど、市町村の対応を支援することとしております。 県といたしましては、災害時において、要配慮者の安全や心身の健康状態などに特段の配慮を行いながら、避難からその後の生活までの各段階において、避難者の福祉ニーズ等に応じてきめ細やかな支援策を講ずることができるよう、市町村などと連携を図りながら、適切に取り組んでまいります。 次に、防災におけるDX推進に向けた課題認識と今後の取組方針についてでありますが、県では、確実な避難と高度な被災者支援の実現を目指し、被災者支援アプリの研究開発に取り組んでいるところですが、本事業をはじめとする防災分野のDXの推進には、国や市町村と連携した取組体制の下で、既存の防災システム間のデータ連携やマイナンバーカードのさらなる活用などによる情報システムの高度化を進めていくことが必要と認識しております。 今後、国のデジタル社会の実現に向けた重点計画と連携を図りながら、市町村とともに防災におけるDXをさらに進め、防災・減災対策を一段加速してまいりたいと考えております。 次に、地域医療についてお答えをします。 まず、県央基幹病院の開院とER救急体制の整備についてでありますが、県央地域の大きな課題である救急医療体制の整備に向け、ER救急体制を備えた県央基幹病院の整備は重要であると考えています。 このため、今年度から燕労災病院の救急科と総合診療科に常勤医師を配置し、救急体制の段階的な拡充を進めるとともに、指定管理者である新潟県済生会に加え、ER救急体制の核となる医師、看護師等の医療スタッフと、他県の先進病院の視察や意見交換などを通じ、地域の皆様に質の高い医療を提供できるよう、具体的な運営体制の検討を進めているところです。また、今年度の燕労災病院の看護師採用試験応募者が昨年度比で3倍程度となるなど、着実に成果も出てきております。 県といたしましては、引き続き、指定管理者である新潟県済生会とともに、フルオープンに必要となる医療スタッフの確保等を着実に進めるとともに、圏域内の医療関係者や地元自治体と連携、協力し、県央基幹病院を中心とした医療提供体制の構築を進めてまいります。 次に、県央地域の医療再編の情報発信についてでありますが、議員御指摘のとおり、丁寧な説明や情報発信をしていくことが、住民の皆様の誤解や不安を取り除くことにつながると考えています。 このため、県央地域の医療再編の考え方や再編後の医療提供体制に関して、住民説明会やSNSなどにより情報提供を重ねているほか、燕労災病院の救急科、総合診療科医師や看護部長などが、テレビや地元新聞の取材に積極的に対応し、県央基幹病院の開院に向けた思いや準備状況を発信するなど、様々な媒体、手法により積極的な情報発信に努めているところです。 今後とも、準備の進捗に応じ、丁寧な説明や情報発信に取り組んでまいります。 なお、県央地域の医療再編に関する住民説明会については、福祉保健部長からお答えいたします。 次に、教育問題についてお答えします。 まず、今後の本県におけるいじめ対策についてでありますが、昨年度の本県におけるいじめの認知件数は、様々な教育活動の再開に伴い、児童生徒同士が接触する機会が増加したことにより、議員御指摘のとおり、過去最多となりました。また、1,000人当たり97.4件と全国で2番目に多い状況にありますが、これは、各学校でいじめの積極的な認知に努め、トラブルを初期段階から丁寧に対応する取組の定着によるものと受け止めています。 今後は、いじめ等の対策に関する条例を踏まえ、いじめ見逃しゼロ県民運動を中心に、社会全体で子供をいじめから守る取組を一層推進するとともに、SNS上でのいじめの未然防止など、教育委員会が現在取り組んでいるいじめ対策を、さらに徹底してほしいと考えています。 次に、不登校の子供への支援についてでありますが、県内においても不登校の子供の数は近年増加傾向にあり、その要因は子供、家庭を取り巻く環境や社会の変化も含め、様々な背景によるものと考えております。 今後、教育委員会には、不登校の要因の分析を進め、不登校の子供個々の状況に応じた支援のニーズを把握するため、教育相談体制の一層の充実を図るとともに、ICTや教育支援センターなど、多様な教育機会の活用や、新たな不登校を生まないための取組を強化しながら、より効果的な対策を講じてほしいと考えています。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、首都圏情報発信拠点あり方検討会議の結論に対する受け止めと新たな拠点の想定についてでありますが、これまでの検討会議において、選ばれる新潟の実現に向けて、本県を訪れる人の動きをつくるためにも、首都圏での交流の場と情報発信の強化が必要であることが会議の総意として確認されたと聞いており、県といたしましても、首都圏における情報発信拠点設置の必要性を改めて認識しております。 新たな拠点の規模や機能、設置場所につきましては、検討会議の意見が年内にも提出されることから、その意見を参考としながら、具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、情報発信拠点に求められる機能についてでありますが、これまでの検討会議において、物販や飲食など、どのような機能を持つにしても、施設全体で一貫したコンセプトを持った情報発信を行うことが必要との御意見をいただいたと聞いております。 こうした意見を踏まえ、検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、水道広域化の推進に向けた県の関わりについてでありますが、人口減少や施設の老朽化等に伴い、水道事業を取り巻く経営環境は厳しさを増しており、持続的な経営を確保していくことが課題となっています。市町村の区域を超えた水道事業の広域化は、経営基盤の強化を図る効果が期待できるものであり、先般、県として、水道広域化推進プランの素案をお示ししたところです。 県といたしましては、今後、市町村等水道事業者の自主性・自立性を尊重することを基本としつつ、水道事業者が本プランを選択肢の一つとして、圏域ごとに広域化の検討を進められるよう、継続的に協議の場を設けるなど、広域自治体としての調整の役割を果たしてまいります。 次に、食品研究センターと新潟県立大学との連携についてでありますが、食品研究センターと新潟県立大学は、これまでも雪室での農産物貯蔵など、本県の特徴を生かした共同研究などを実施してきたところであり、新設される健康栄養学研究科とも食品開発等の分野で連携していくことは、県内食品産業の発展にとって重要であると考えています。 このため、食品の製造技術開発などを得意分野とする食品研究センターと、食品の持つ機能性の探索・評価を得意分野とする大学が連携をし、これまでのような共同研究に加え、食品企業の商品開発や付加価値向上につながる技術開発を支援するなど、本県食品産業のさらなる発展につながるよう取り組んでまいりたいと考えております。 また、研究機関と教育機関のそれぞれの専門性を生かし、食品開発分野における人材育成にも、連携して取り組んでまいりたいと考えております。 次に、送迎バスでの園児置き去り事故防止への対応についてでありますが、こうした事故は二度と起きてはならないものであり、再発防止に向け、安全管理の徹底・強化に不断に取り組んでいく必要があると考えています。 このため、県では、市町村との連携の下、送迎バスを有する全ての施設に対し、緊急点検や実地調査において安全管理に関する改善指導や注意喚起を行うなど、子供たちの安全確保の徹底に努めてまいりました。 加えて、国の緊急対策により、議員御指摘のような送迎バスの安全装置の装備が義務づけられ、導入に係る支援策が国の補正予算に盛り込まれたことから、県といたしましても、安全装置導入に必要な経費を盛り込んだ補正予算案を本定例会にお諮りしたところであり、全ての施設において確実に導入されるよう、市町村と連携し、早期の対応を促してまいりたいと考えています。 また、こうした事故の防止に当たっては、ハード面の整備に加え、安全管理の意識をさらに高めていくことが必要不可欠であることから、職員間における情報共有や、子供の人数確認時のダブルチェック体制の徹底を図るなど、子供たちの安全を最優先にした取組の一層の推進に努めてまいります。   〔総務部長小岩徹郎君登壇〕 ◎総務部長(小岩徹郎君) お答え申し上げます。 子供の契約等に関するトラブルについてでありますが、議員御指摘のとおり、令和4年版の消費者白書によると、オンラインゲームに関する消費生活相談件数は増加傾向が続いており、特に20歳未満の相談件数が増加しております。 また、直近では、18歳、19歳の本県の相談件数が前年よりも増加しており、成年年齢引下げに伴い、未成年者取消権が使えなくなった若年者の被害の増加が懸念されているところです。 県といたしましては、若年者において、契約等に関する知識が不足していることや、消費生活相談窓口が十分認知されていないことが課題と認識しており、実際のトラブル事例を用いた消費者教育の推進や、ウェブ広告なども活用した相談窓口の周知について適切に対応してまいります。   〔防災局長原直人君登壇〕 ◎防災局長(原直人君) 5点についてお答えします。 今年度の地域防災力向上に向けた各種事業の取組状況と今後の進め方についてでありますが、今年度は、防災シニアリーダー養成講座を上中下越で3回開催したほか、避難支援セミナーなど各種セミナーを市町村との共催により4回開催したところです。 また、若い世代向けに防災意識向上を図るため、専門学校等に出向いて講義を行う防災啓発セミナーを9回開催しました。 今後の進め方につきましては、適切に感染防止対策を取ることにより、対面開催を基本としながら、未実施の市町村でのセミナー開催を働きかけるなど、より効果的な事業実施に努めてまいります。 次に、避難行動要支援者に対する個別避難計画作成の取組状況についてでありますが、市町村の取組状況としては、令和4年1月1日の時点において、避難行動要支援者全員分の計画を策定済みが2市、一部策定済みが15市町、未策定が13市町村となっております。 県では、個別避難計画策定の効果的・効率的な手法を構築する国のモデル事業に、昨年度に引き続き今年度も採択されたことから、学識経験者の助言の下、市町村と介護福祉事業者、地域の自主防災組織等が連携して計画を作成するノウハウを蓄積するとともに、その成果を県内市町村と共有することにより、早期作成につなげてまいりたいと考えております。 次に、避難所運営業務のDXに向けた実証実験における課題や今後の取組の方向性についてでありますが、今回の実証実験では、参加者に開発中の被災者支援アプリを利用してもらうことで、避難所での紙による受付手続を省略し、待ち時間なく、スムーズな入場を可能としました。 課題としましては、スマートフォンを持たない方へも対応する必要があると考えており、今後、アプリの完成に向けた取組と併せて、スマートフォンの代替手段についても、市町村と検討してまいります。 次に、災害時における防災道の駅の活用による効果についてでありますが、防災道の駅は、災害時の広域的な復旧・復興活動の拠点として選定されるものであり、道の駅あらいは、令和3年6月に国土交通省が初めて選定した全国39駅のうちの一つとなっております。 道の駅あらいは、重要物流道路である国道18号に接するとともに、上信越自動車道新井パーキングエリアとも隣接していることから、県域を越えた災害復旧活動や、自衛隊、警察等の救援活動の拠点としての活用が期待でき、本県被災時において広域的な各種支援が迅速に受けられるものと考えております。 次に、市町村の避難所指定への支援についてでありますが、議員御指摘のとおり、避難所指定の促進に当たっては、県と市町村の連携が重要であると認識しており、地域防災計画では、県の役割として市町村の避難者確保への協力に努めることとされております。 県内では、指定避難所として現在約1,800施設が市町村の指定を受けており、このうち県立学校等の県施設は、約90となっているところです。 県といたしましては、今後も県施設を指定避難所として市町村に提供することに努めるなど、引き続き市町村の取組を支援してまいります。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 4点お答え申し上げます。 新潟県災害福祉広域支援ネットワーク協議会との連携等についてでありますが、県は、災害時に備えた協力協定を協議会と締結し、平時より協議会総会への参加や、加盟団体に対する研修への講師派遣などにより連携を図っております。 また、災害が発生した際には、県を経由した市町村からの要請に基づき、協議会の福祉専門職による災害福祉支援チームが、市町村の設置する避難所における要配慮者の日常生活上の支援や環境整備などを行い、要配慮者の健康状態の悪化防止や安定的な日常生活への移行を支援することとしております。 平成26年の協議会の設立以降これまで、市町村からの派遣要請はありませんが、県では、市町村の防災担当職員向けの研修会等において支援チームについて周知するなど、理解促進に努めているところであり、災害時に市町村からの支援要請を受けた場合には、協議会と連携し、適切に対応してまいります。 次に、燕労災病院でのプレER救急体制の現状と課題等についてでありますが、今年4月から救急科と総合診療科に常勤医を配置し、日中を中心に救急受入れ体制の段階的な拡充を進めているところであり、今年度は、令和3年度に比べ、日中、時間外を合わせた救急の受入れ件数が約2倍となっております。 一方で、救急受入れ件数の増加に伴う検査件数や手術件数の増加、容体が落ち着いた患者の転院先の確保などの課題も生じているところです。 このような課題への対応として、引き続き看護師等の医療スタッフの確保に努めるとともに、スムーズな転院に向けて、圏域内の救急告示病院で構成される7病院長会議での後方連携に関する課題の協議や、各病院の地域連携室の勉強会等を開催し、開院前から周辺病院との連携体制の構築に向けて取り組んでいるところです。 引き続き、県央基幹病院の開院に向け、着実にER救急体制の整備を進めてまいります。 次に、県央基幹病院医療スタッフの確保についてでありますが、医師につきましては、既にオンライン海外留学制度を活用する臨床研修医2名が、今年度から臨床研修に入っているほか、来年4月から、救急科の常勤医師1名のほか、専攻医数名を配置見込みとなっております。 看護職員につきましては、転籍対象職員354名のうち、約8割に当たる278名が県央基幹病院での勤務を希望していることに加え、今年度は年度中に既卒看護職員21名を採用し、来年4月に採用予定の50名と合わせて、計約70名を確保したところです。 これにより、必要となる看護職員数約400名に対し、既に約350名を確保している状況であり、追加的に確保が必要となる職員数は50名程度となっております。来年度に、今年度の採用実績である約70名と同程度を確保することにより、必要数を確保できる見込みとなっております。 今後も、運営主体となる新潟県済生会が策定する医療スタッフの確保計画に基づき、県と新潟県済生会が連携し、新病院立ち上げの現場経験やオンライン海外留学等のキャリアパスにつながる環境、働きやすい環境を整備し、開院に向けた医療スタッフの確保に取り組んでまいります。 次に、県央地域の医療再編に関する住民説明会についてでありますが、参加者との質疑では、県立病院は指定管理者制度の導入によって県立病院ではなくなるのではないか、地域密着型病院では再編により救急搬送や新患の患者を全く診療しなくなるのではないかといった、誤解に基づく質問や不安の声もあったことから、今回の説明会の開催は、県央地域の医療再編の考え方や再編後の医療提供体制について、住民の皆様に正しく理解していただく機会となったと認識しております。   〔病院局長山﨑理君登壇〕 ◎病院局長(山﨑理君) 加茂病院、吉田病院の人材確保に関する指定管理者との協議状況等についてでありますが、両病院に勤務する職員を主な対象として、運営移行後の希望勤務地等に関する第1回目の職員意向調査を11月に行い、今後も段階的に実施する予定としております。 また、両病院の指定管理者である医療法人崇徳会、医療法人愛広会においては、運営移行後の院長予定者を決定するとともに、看護師等の職員採用説明会の開催や職員募集に関するホームページ等による周知など、法人独自に職員確保に向けた取組を行っております。 現在、指定管理者と職員確保に向けた協議を行っており、地域の医療水準を維持し、運営法人の職員確保と県立病院職員の雇用継続を図るため、意向調査の結果や法人の職員確保状況を踏まえ、引き続き両法人と協議を進めてまいります。   〔教育長佐野哲郎君登壇〕 ◎教育長(佐野哲郎君) 2点についてお答えいたします。 まず、不登校特例校の設置に向けた取組等についてでありますが、不登校特例校では、総授業時間数の削減、学年を超えた習熟度別事業等、特別の教育課程の編成により、基礎学力の定着や社会性の育成が図られていると承知をしております。 現在、高校段階については、定時制及び通信制課程が、不登校経験者の学び直しの機会の提供など、多様な学びのニーズの受皿としての役割を担っているため、不登校特例校の設置までは検討しておりませんが、今後も様々な困難を抱える生徒一人一人の状況に応じた支援を続けてまいります。 また、義務教育段階については、市町村教育委員会に対して、全国で既に設置されている不登校特例校における成果や課題を提供するとともに、設置する場合には、不登校児童生徒に対する指導経験豊かな教職員の配置に努めてまいります。 次に、学校での消費者教育の推進についてでありますが、小・中・高等学校では、社会科、公民科、家庭科等の教科を通じて、消費生活に関する基礎的な学習をしております。加えて、高等学校では、県が作成した消費者教育用教材を活用し、インターネット上の消費者トラブルや成年年齢引下げによる契約上のリスク等について注意喚起しております。 今後も、トラブルの具体的な事例や、その対処法に対する児童生徒の理解が深まるよう、教育用クラウドサービス等を活用して、教材や啓発資料等を教員や児童生徒に提供するとともに、新潟県金融広報委員会等による出前講座の活用を促すなど、関係機関と連携しながら、消費者教育を推進してまいります。   〔警察本部長山田知裕君登壇〕 ◎警察本部長(山田知裕君) 2点についてお答えをいたします。 近年の県内の交通事故発生件数と死者数の推移でありますが、発生件数は、平成18年以降、16年連続で減少し、令和4年においても10月末現在、2,195件で前年に比べ47件減少しております。 死者数は、令和元年以降、3年連続で減少しておりましたが、令和4年10月末現在、48人で前年に比べ9人増加しております。 県警ホームページで閲覧できる新潟県交通事故マップに対する利用者からの反応と期待される効果についてでありますが、本年9月から死亡事故に加え、歩行者事故等の発生地点や事故概要を分かりやすく表示したマップに変更したことにより、2か月半で約5万回の閲覧回数を記録しており、多くの方から関心を持っていただいていると認識をしております。 効果といたしましては、マップの利用者が、身近な場所でも交通事故が発生していることを知ることにより、改めて交通ルールを守ることの大切さについて考えるなど、交通安全意識の高まりが期待されるところであります。 次に、田上町の後藤大橋交差点の安全対策についてでありますけれども、県警察では、後藤大橋交差点など交通事故要注意交差点として選定した5か所につきまして、交通事故の分析結果に基づき、警察官による指導取締りのほか、県警ホームページやラジオ放送を活用した広報、道路管理者等関係機関と連携した交通安全施設整備などの諸対策を推進しているところであります。 後藤大橋交差点につきましては、交通事故発生状況を踏まえまして、早急な交通事故防止対策が必要というふうに考えております。この交差点につきましては、今年度の県の安全・安心緊急施設整備事業におきまして、関係機関による合同点検を実施いたしまして、止まれの路面標示の明確化や、事故防止の注意を促す路面標示の追加などを各機関で取り組んでいるところであります。 また、この交差点では、カーナビゲーションに誘導されたドライバーによる交通事故が多いという分析結果から、県警察では、同交差点へ誘導しないよう交通情報提供事業者への協力依頼も行ったところであります。 県警察といたしましては、対策の効果を検証しながら、引き続き関係機関と連携して交通事故防止対策を推進してまいります。 ○議長(小島隆君) 保坂裕一君の質問は終わりました。 次に、高見美加君の発言を許します。高見美加君。   〔高見美加君登壇〕(拍手) ◆高見美加君 自由民主党の高見美加です。通告に従いまして質問させていただきます。 質問の1点目は、雪対策についてです。 今年も雪の季節がやってまいりました。雪のないところに住みたい、この言葉を豪雪地で生まれ育った者なら誰しもつぶやき、何十回、何百回と聞いてまいりました。 もちろん雪国には、その恵みという側面もあり、親雪や利雪に前向きに取り組んでいかなくてはならないと考えますが、毎朝続く道路の雪処理や屋根の雪下ろしが困難になっている世帯の増加や空き家の増加、道路除雪を担う業者の担い手不足など、豪雪地ほど進む人口減少、高齢化により雪対策が限界に近づいている地域の現状や、新型コロナウイルス感染症の影響や今般のウクライナ情勢による影響で、業績低迷から脱却ができていない県内企業の支援のために、雪というハンデキャップをいかに軽減していくのか、これが30の市町村全てが豪雪地帯、その中で18の市町村が特別豪雪地帯である本県の大きな課題であると認識しており、以下質問をさせていただきます。 花角知事が会長を務める全国積雪寒冷地帯振興協議会による国への要望に、心から感謝を申し上げます。これら要望活動を踏まえ、昨年12月に新たに豪雪地帯安全確保緊急対策交付金が創設されました。 本交付金制度は、豪雪地帯において除排雪時の死傷事故が多発していることから、将来を見据えた戦略的な方針の策定と、持続可能な除雪体制の整備等に取り組む自治体を支援するものでありますが、本県における活動状況と取組内容について伺います。 豪雪地帯安全確保緊急対策交付金の創設は、自治体の自助努力だけでは除排雪体制の確保・維持が困難になっている現状を踏まえ、新たに国が支援するものであり、大いに評価できるものであります。 しかしながら、要援護世帯への屋根雪下ろし支援や安全講習会の開催といった試行的な取組への支援は、3年に限定されていると聞いております。 高齢化や人口減少が加速度的に進行し、特に担い手が不足する雪の多い中山間地域における持続可能な体制整備には不十分な措置であり、制度拡充が必要と考えますが、知事の所見を伺います。 本年3月に豪雪地帯対策特別措置法、いわゆる豪雪法の一部が全会一致で改正されました。目的規定に現状認識が追加され、基本理念も新設され、財政上の措置の見直し、豪雪地帯の特性を踏まえた防災施策の促進への配慮も盛り込まれました。 国・地方公共団体の講ずべき措置に関する規定には、交付金の交付その他の措置、克雪技術の開発・普及、幹線道路の交通確保のための規定も追加されました。 12月9日には、法律の施行、近年の豪雪地帯を取り巻く課題への対応等を踏まえた豪雪地帯対策基本計画の変更が閣議決定されました。 今般の改正で、豪雪対策の施策が大きく前進することを期待いたしますが、全国の雪害による死者数は、2012年からの10年間で797人、1992年からの10年間266人と比べ3倍に増加し、雪下ろしなど除雪作業時の死傷事故が多く、防止が課題になっています。 本県でも、令和3年度の死傷者数201人のうち、屋根の雪下ろし等除雪作業によるものは136人となっております。 これら状況から、今般の改正では命綱固定アンカーの設置の促進が配慮規定として盛り込まれました。 屋根の雪下ろし時における転落事故を防止するための重要な取組と認識していますが、一方で、そもそも単身世帯や高齢世帯の増加、屋根雪の除排雪の担い手の減少の中、設置費用の負担が大きい、作業時に使いづらいとの声をお聞きしています。 命綱固定アンカーの普及拡大に向けた課題と今後の取組方針について、知事の所見を伺います。 今年度、長岡市では、消雪パイプの補助率を20%かさ上げし、60%としました。新設より更新の割合が高く、老朽化が深刻になっており、高齢化や空き家の増加で、消パイ組合自体の存続を危惧する声が高まっている現状が背景にあり、これにより機器の入替えが進み、節水や節電が図られることで地下水保全にもつながることが期待されるとのことです。 どの自治体も財政が厳しい中、消雪施設を整備し、維持できる体制を必死に支援しようとする姿が見えてきます。 冒頭申し上げましたが、コロナウイルス感染症、また原材料や燃料価格高騰の中で、企業は生き残りをかけての闘いが続いております。 この項の質問で申し上げたいのは、本県地域経済の発展を担ってきた、古くからある地元企業が多く集積している工業団地の克雪環境です。 既存の工業団地の道路に消雪パイプを設置する場合、地元負担が必要となるため、企業からは行政による負担軽減を求める強い声があります。新設の団地との格差が出ております。 毎年、各自治体や団体が自民党に次年度の予算要望をされますが、これは長岡市だけではなく、豪雪地帯の十日町市でも、毎年、企業の敷地、建物の消雪、除雪等への支援を求める要望が出ております。 豪雪地帯に立する企業のハンデキャップをなくし、本県企業の競争力強化のために、この負担軽減を検討すべきと考えますが、所見を伺います。 本県土木部投資事業費は、当初予算ベースで、平成8年度3,219億円をピークに、令和4年では1,136億円、実に35%になっており、建設業界を取り巻く環境は、この数字だけを見ても厳しいことが見てとれます。 地域の安全・安心を守ってきた業者の減少、または除雪業務からの撤退が進めば、豪雪地は住めない土地になってしまいます。持続可能な除雪体制のためには、高額な除雪機械取得や維持管理の負担軽減を図っていく必要があります。 県管理道路の除雪は、1,119台の除雪機械により実施されておりますが、このうち約4割の426台は、除雪作業を請け負う業者所有の機械となっております。 近年、気候変動の影響により、年間の降雪量の変化が著しいことや、除雪機械の更新等、将来の経営面への不安などから、除雪機械を県所有にしてほしいとの声を聞いております。持続可能な除雪体制構築のためにも、除雪機械の県所有を拡大すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 先日、地元で克雪の協議会が行われました。毎年、地域の除雪から撤退する業者が出てきております。道路除雪は、冬季における県民の安全で快適な生活の維持と地域経済を支えるためには必要不可欠な事業であることは論をまちませんが、高齢化等により除雪オペレーターの担い手確保は喫緊の課題となっております。 このため県では、令和3年より、関係団体などと新潟県除雪オペレータ担い手確保協議会を設置し、担い手確保に向けた取組を検討し、実施していますが、これまでの取組状況を伺うとともに、今後の取組について伺います。 質問の2点目は、農業についてです。 農地・水・環境保全向上対策が平成19年度から始まり、平成26年度に多面的機能支払へと制度が移行し、本年度で15年が経過いたしました。 農林水産省は、農業・農村の多面的機能の適切な発揮と担い手の育成等、構造改革の後押しを目的に創設された、この多面的機能支払交付金による取組の中間評価結果を本年10月に公表しました。 本交付金の取組により、538ヘクタールの遊休農地が解消され、経営耕作面積も本交付金のカバー率が高い市町村では、減少率が小さい傾向となるなど、効果が発揮されたと評価しております。 本県でも、平成19年度の約4万9,000ヘクタールから、令和2年度は約12万5,000ヘクタールまで増加し、県内農用地の約7割を占めるまでに広がっています。 一方、農村地域における人口減少及び高齢化の進行は顕著であり、活動継続の困難化などが今後の課題であると認識しております。 特に、水源から農地への水利システム全体としての保全がなされなければならない中で、比較的規模の大きい施設は土地改良区により管理されていますが、農業集落等の地域の共同活動により保全されている地域に密着した末端の農地周りの水路、ため池、農道等の施設は、度重なる災害や経年による施設の老朽化が顕著であります。 本県において、多面的機能支払交付金による取組をどのように評価し、課題を認識しているのか、所見を伺います。 国の中間評価でも指摘されていますが、現場からも5年後、10年後の担い手不足、リーダー不在、事務作業の困難等の課題も指摘されています。今後も持続可能な食料の供給県としての役割を果たすため、本県として現在の課題について、今後の取組をどのように行っていくのか、知事の所見を伺います。 加工食品を購入する際に、原料原産地表示を商品選択に利用している消費者が多いことから、平成29年9月に食品表示基準が改正・施行され、国内で作られた全ての加工食品に対して、原料原産地表示を行うことが義務づけられました。 本制度の経過措置期間は令和4年3月まででしたので、本年4月から加工食品の原料原産地表示の義務化が施行されました。国内の農業振興や食料安全保障の観点から、輸入原料から国産へ転換が進むことが期待され、本県の農業振興にもつながるものと期待されます。 一方で、度重なる食料品の値上がりにさらなる価格上昇が懸念され、消費者に対しては、コスト負担への理解が重要となると認識しております。県民意識の現状と今後の取組方針について、知事の所見を伺います。 条件の厳しい中山間地域の農業施策に対し、農林水産省の中山間地域向けメニューには、中山間地域所得確保対策や農村RMO形成推進事業など、市や県の負担のない定額補助の施策もありますが、本県では、あまり活用されていないと認識しています。 これら事業を積極的に県が地域へ情報提供し、事業採択に向けて市町村と連携し、活用を促すべきだと考えますが、県の見解を伺います。 収束の兆しが見えない国際情勢や、歴史的な円安による燃油価格高騰や肥料価格高騰に対して、価格転嫁が困難な農業者からは悲鳴の声が聞こえてきます。本県が今後どのように支援を行っていくのか、知事の所見について伺います。 道路法や河川法などが適用されない公共の用に供される里道、水路、いわゆる赤線、青線などの法定外公共物は、平成12年4月、国の地方分権推進計画によって関係法律が改正され、平成17年3月31日までに市町村に譲与され、当該の財産管理は市町村の自治事務とされました。 国は、市町村へ無償譲渡が法制化される前は、法定外公共物の財産管理を都道府県に委ね、機能管理を市町村が担うという考え方を示してきました。 しかし、里道や水路は地域住民が日常生活で利用しており、実際は補修などの維持管理を慣習的に担ってきており、地方分権一括法の改正後も、農村における農道や水利の日常の維持管理は、地元農家が行っているケースが多いと承知しております。 そして、軽微でない改修事業を行う際、誰が責任を負い、事業負担していくのか、曖昧であるのではないかと感じております。 このような中、特に土地改良区のない中山間地域では、高齢化と人口減が進んでいることから、維持管理を担うことが困難となってきています。 今後、このような状況に一層拍車がかかることが懸念され、県土の7割が中山間地域である本県では、農村の荒廃が県土全体の荒廃につながるものと危惧しております。現状認識と今後どのように取り組むべきと考えているのか、知事の所見を伺います。 農業水利施設等の整備事業をするに当たっての費用負担は、事業によって異なりますが、受益者である地元農家等が、市町村の定めた一定の負担を行うこととなっており、市単独の農業施設の補助率は各市町村によって異なります。 特筆すべきは、魚沼市の受益者3%の補助率で改修等へのハードルは低くなっていますが、他の県内市町村の補助率は、おおむね50%前後のようです。 また、県営事業の場合においても、7.5%の負担が必要となるなど、改修の事業費が大きくなればなるほど改修の多額の負担には耐えられず、今後離農せざるを得ないということになっていきます。 近年の気象状況の変化、多発するゲリラ豪雨等による被災の増加を目の当たりにしている住民は、懸案の施設をなるべく早く何とかしたい、特に山間地に位置する水路等は、放置しておけば地域に大きな被害を及ぼすことも懸念しておられます。この声にどう応えていくのか、大きな課題であると認識しております。 これまでに整備した施設の更新や気候変動に対応した防災・減災等を進めていく必要があり、特に中山間地域の農家が減少している中、これまでのような負担を行うことが困難であると考えます。このような状況を踏まえ、今後の整備事業の費用負担の在り方について、知事の所見を伺います。 質問の3点目、マイナンバーカードについて伺います。 マイナンバーカードについては、本議会でも過去数々の議論がされてきました。そのメリットがなかなか理解されておらず、ICチップには、税や年金のプライバシー性の高い情報はなく、高いセキュリティーが担保されていますが、安全性への誤解もあり、交付率を飛躍的に伸ばすまでには至ってはおりません。 免許証、保険証、オンライン行政手続、ワクチン接種証明、ライブ会場入場などの本人確認等、その利便性が広報されており、今後、民間サービスの利用拡大も期待されていますが、市町村によってサービスが異なっている現状があります。 本県では、マイナンバーカード普及に向けての市町村の取組をさらに後押しするため、本年7月、新潟県マイナンバーカード取得拡大アクションプランを策定し、交付率向上を図っています。 しかしながら、11月末時点における県内の交付状況は、都道府県別の交付率では、本県は48%と全国平均を下回り、44位となっており、新潟市は45.1%と政令指定都市の中で最下位となっています。 本県における交付率が低調となっている要因について、まず伺います。 政府は、マイナンバーカードと健康保険証の一体化を加速し、2024年秋に健康保険証の廃止を目指す方針を明らかにしています。 厚生労働省は、令和4年度の第2次補正予算に、マイナンバーカードと健康保険証等の一体化に向けた取組等に344億円を盛り込みました。デジタル化社会の実現に向けた取組と理解していますが、専用の読み取り機の導入やネットワーク環境の整備など、医療機関の対応は課題と考えます。 マイナンバーカードの健康保険証利用が、医療機関にどのようなメリットがあると認識しているのか伺うとともに、医療機関の体制整備に向け、県としてどのように対応しているのか伺います。 マイナンバー保険証を利用するためには、マイナンバーカードの取得後、別途マイナポータルなどからの登録申請が必要となります。このマイナポータルの取扱いが不評です。マイナポイント取得にもハードルが高く、恐らく高齢者などスマホを持たない方々や操作に不慣れな方々には困難とも言えます。 このため、マイナンバーカード保険証の普及拡大に向けては、丁寧な支援が必要と考えますが、今後の取組方針を伺います。 マイナンバーカードの普及により、今後様々な行政手続などにおいてデジタル化が進展していくことになりますが、高齢者などデジタル機器の利用に不慣れな方々の情報格差が生じることが懸念されます。デジタルディバイド対策の取組方針を伺います。 国は、令和4年度末までにマイナンバーカードがほぼ全国民に行き渡ることを目指すとしており、自治体のデジタル化を支援するため、政府が創設したデジタル田園都市国家構想交付金の受給要件の一部の部分枠では、住民のマイナンバーカード申請率が53.9%以上の自治体であれば申し込めると、先日報道されました。交付金は、第2次補正予算に800億円が計上されたとのことです。 現在の本県の交付状況を踏まえると、さらに強力に取組を推進していく必要があると考えますが、今後の取組方針を伺います。 質問の4点目、県政の諸課題について伺います。 本県では、県が管理する道路の損傷や不具合などの情報を、道路利用者から、より早く詳細にできるよう、LINEを活用した新潟県の道路損傷通報システムを構築し、本年2月から運用を開始しています。 これまで道路利用者からは、電話による通報や行政への直接の働きかけにより受け付けてきましたが、システムにより気軽に通報することができ、正確な場所の特定ができるなど早期対応にもつながるものと期待され、大いに評価するものです。 しかし、地域要望を受け付ける区長さんなどに、このシステムが届いておらず、県民への周知不足と感じています。これまでの利用状況を伺うとともに、システム導入による効果について伺います。 本県では、令和2年度に県立近代美術館をはじめとした県の文教施設を対象に、利用者増加に向けたサービス向上など、県民満足度を高めるための効果的な運営手法を検討するため、県有施設管理等検討委員会を開催し、意見を聴取したと承知しています。 議事録を見ますと、行政側の発言では、厳しい県の財政の状況を受けて、行財政改革行動計画の期間の中、企画展や常設展の展覧会費の予算獲得が難しくなってきた中で、どうしたら県民に美術鑑賞の機会を充実させていけるのか、また今後のハードの維持、改修についての予算的なめどが立っていないという点を課題として発言されています。 委員からは、お金の面だけではない、博物館法に裏づけされる公的な役割や近代美術館と万代島美術館の役割の整理、新潟県教育振興基本計画では、県立美術館の役割が、県民が多様な芸術に親しみ、心豊かな生活を実現するために優れた芸術鑑賞の機会の充実を目指す、機会の提供一本になっており、施策の方向性は、鑑賞機会の提供、教育普及事業の充実、文化芸術活動への3本立てであり、もっと多様な機能を持っているはずなのに、その一部の機能だけしか書かれていないと指摘されています。 過去も議論をさせていただきましたが、そもそも、どういう目的でこれら2施設を運営していくのか、指定管理制度導入で今回の検討のきっかけともなった財政面の課題解決ができるのか、県全体の施策の中で文教施設をどう位置づけるのかが課題であると考えます。 委員からも、問題は美術館自身のPDCAサイクルではなく、県のPDCAサイクルですね。県の財政が問題ですから。県のPDCAサイクル、何の計画を軸に回っているのか、そこにその美術館の基本的な機能、博物館法で定められた機能が明定されているのかとも指摘されており、今後の検討の進捗が待たれます。 そこで、県立美術館におけるその後の検討状況を伺います。 また、私の住む長岡市の近代美術館は、立地条件もよく、周辺に文化施設、長岡造形大学などが集積しており、その可能性は無限大だと思っております。 美術館がこれまで行ってきた企画展や保存管理といった、従来の活動にとどまらない取組を行っていくべきであると考えますが、知事の所見を伺います。 科学技術大国であった日本の地位が脅かされて久しくなります。世界的にSTEM人材の不足が指摘されており、日本は特に不足していると言われております。今後これら人材の不足を補うための動きがさらに活発になっていくと考えられます。 21世紀型の新しい教育、STEM教育が世界各国で導入され始めており、子供のうちからロボットやIT技術に触れて、科学、技術、工学、数学を横断的に自分で学ぶ力を養う、新しい時代の教育法であり、アメリカや新興国では何年も前から導入され、国主導の教育カリキュラムとして実践されているとのことです。 未来の人材のシーズでもある子供たちの、これらスキル獲得のための支援を、本県でも強力に推し進めるべきであると考えます。 県内各地で行われている小学生、中学生、高専生のロボットコンテストは、まさに県内のSTEM人材の育成に大きく寄与していると認識していますが、中学生を対象としたロボットコンテストが中止になる可能性があると伺いました。 このような活動への支援など、本県でも積極的に理系人材の生徒への支援を拡充すべきと考えますが、所見を伺います。 要介護1と2の高齢者に対する訪問介護、通所介護を市町村が運営する総合事業へ移管するという介護保険の見直しを、政府は現在、次の2024年度の制度改正で実行すべきか否かを検討しており、結論は年内に出すと報道されております。 総合事業は、財政面だけで語られるべきではなく、地域の多様な資源・人材を有効に生かす取組ができるなど、現場の創意工夫、コントロールで、より効果的な体制をつくれる可能性があり、介護度の低い高齢者は相対的に抱えている支援ニーズの個人差も大きく、硬直的な仕組みより、各地域の判断で多様なサービスを柔軟に提供できる仕組みのほうがフィットするとの指摘もあり、今後は、より一層、市町村の取組を支援する役割を県が担っていくことが求められると考えます。 変化する介護保険制度を県はどのように支えていくのか、県の果たす役割をどのように考えるのか、知事の所見を伺います。 人の重要性が増しております。労働力の不足が日本経済に大きな影を落とすとされる中、人への投資で成長機会を生み出し、1人当たりの生産性を高めることが不可欠であることから、骨太の方針2022において、人への投資と分配が、新しい資本主義に向けた重点投資分野の一つとして示されました。 少子化に歯止めがかからない現状と人生100年時代に突入し、今後はリタイアの年齢の延長や、リタイア後もその長年の経験とスキルを生かし、社会参加してもらう仕組みづくりが求められると考えます。 起業・創業を若年者のものだけにするのではなく、その長年培った高いスキルを起業・創業と結びつける支援や企業とつなぐシニアリクルートなど、高齢者が経済活動に積極的に参加していくシステム構築などの取組を進めるべきだと考えますが、知事の所見をお伺いし、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 高見議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、豪雪地帯安全確保緊急対策交付金の制度拡充についてでありますが、この交付金は、豪雪地域における除排雪時の死傷事故防止の取組や、持続可能な除排雪体制の整備を支援するものであり、制度の創設は非常に意義のあるものと考えています。 一方で、議員御指摘のとおり、支援期間が3年に限定されており、市町村からは、人口減少や高齢化が進行し、担い手不足が深刻化している豪雪地域において、地域の実情を踏まえた持続可能な除排雪体制を整備し、定着させていくためには、さらに相応の期間が必要との声を多く聞いております。 このため、本年11月に、全国積雪寒冷地帯振興協議会の会長として、国に対し支援期間の延長等の要望を行ったところです。 引き続き、市町村の意見を伺いながら、地域の持続可能な除排雪体制の整備に向け、国に対し必要な制度拡充を求めてまいります。 次に、命綱固定アンカー普及に向けた課題と今後の方針についてでありますが、家屋へのアンカーの設置は、屋根雪下ろしに伴う転落事故を未然に防止する方法の一つとして有効でありますが、一方で、普及に向けては、議員御指摘のとおり、設置費用の負担が大きいなどの課題があると認識しています。 県では、昨年度、アンカー設置を支援する市町村への補助制度を創設したところであり、引き続き、設置費用の負担軽減を図るとともに、市町村と連携しながら、安全対策の必要性などについての周知を行い、アンカーの普及拡大に取り組んでまいります。 次に、県所有除雪機械の拡大についてでありますが、議員御指摘のとおり、昨今の物価高騰などに伴い、除雪業者が機械を更新することが困難との意見があることは承知しています。 このような意見を踏まえ、県では、国の交付金を活用して老朽化した既存機械を順次更新しつつ、業者所有の機械で除雪を行う委託から、県所有の機械で除雪を行う貸与への切替えも同時に進めているところです。 今後も、除雪業者の意見を伺いながら貸与化を進め、持続可能な除雪体制の構築を図ってまいります。 次に、農業についてお答えをいたします。 まず、持続可能な食料の供給県としての役割等についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県の農業・農村においても、担い手やリーダーの不足などの課題を抱えていると認識しております。 このため、多面的機能支払交付金の活用に当たっては、人材不足を補う組織の広域化などを進め、食料供給の基盤である水路や農道などの地域資源の適切な保全管理を引き続き進めてまいります。 その上で、担い手への農地の集積・集約や規模拡大、法人化等の構造対策と、新潟米や園芸の基本戦略などに基づく生産対策とを車の両輪として推進しながら、持続可能な生産体制の構築を進め、食料供給県としての役割を果たしてまいりたいと考えております。 次に、農産物消費の国産への転換についてでありますが、県が実施した県民アンケートでは、食品を購入する際に新潟県産または国産を優先すると回答した割合は、8割を超えているものの減少傾向にあり、議員御指摘のとおり、加工食品の原料原産地表示の義務化を、国産農産物の消費拡大につなげていくことは重要であると考えています。 このため県では、国や農業団体などと連携をし、価格が高くても国産を選択することが、食料自給率の向上や農業・農村の維持・発展につながることなどについて、消費者の理解促進に取り組んでまいりたいと考えております。 あわせて、加工原料となる県産農産物の供給拡大を推進するとともに、国に対して、食品事業者における米粉の活用促進などを働きかけてまいりたいと考えております。 次に、燃油・肥料の価格高騰についてでありますが、燃油や肥料の価格高騰は農業経営に大きな影響を及ぼしており、これまで、国の支援策の活用推進に加え、県においても独自の事業を創設し、今冬の燃油や来年の春用肥料までの対策を講じるとともに、全ての地域振興局に経営相談窓口を設置し、コスト低減につながる技術や機械の導入支援などに取り組んでいるところです。 しかしながら、資材の価格高騰はいつまで続くのか先行きが見通せないことから、農業者は経営の継続に不安を抱えているものと考えています。 このため、県といたしましては、継続性のある支援策を講じるよう国に要望するとともに、今後も、状況を見極めながら必要な対策の検討を進め、農業者の生産意欲が低下しないよう、万全な対応を行ってまいります。 次に、中山間地域における今後の取組等についてでありますが、平場地域と比べ、高齢化と人口減少が進んでいる中山間地域においては、農地の保全だけでなく農業・農村そのものの維持が困難になるおそれがあると考えています。 このため、地域資源である農道や水路については、多面的機能支払交付金の活用により、多様な主体の参画を得ながら地域全体で適切な維持管理を進めてまいります。 あわせて、中山間地域等直接支払制度などを通じて集落ぐるみでの営農体制づくりや、多様な人材が多様な働き方で地域を維持する取組を進めることで、中山間地域の振興につなげてまいりたいと思います。 次に、中山間地域における整備事業の費用負担の在り方についてでありますが、本県の農業水利施設等の整備事業における県、市町村、地元農業者の負担割合については、国が地域や事業ごとの特性を踏まえて定めた割合を基本としております。 県といたしましては、議員御指摘のとおり、中山間地域において、農業者数が減少し負担を行うことが困難となる場合も懸念されることから、事業実施に当たっては、地域の実情を踏まえ、農業者の負担がより少ない事業を選択することなどにより、施設の更新や防災・減災対策を適切に進めてまいります。 次に、マイナンバーカードについてお答えします。 マイナンバーカードの取得拡大に向けた今後の取組方針についてでありますが、県は本年7月に策定した新潟県マイナンバーカード取得拡大アクションプランに基づき、市町村の取得拡大の取組に積極的に関与し、申請数が飛躍的に伸びた自治体もあるなど、9月以降の申請率は全国上位で推移しております。 一方で、一部の自治体においては、申請数の増加に対応するための交付体制の拡充が進んでおらず、申請数の伸びが交付率の上昇につながっておりません。また、本県の状況を踏まえますと、申請数についても、より一層の伸びが必要と考えています。 県といたしましては、個々の市町村の状況に応じ、カード交付の円滑化や申請拡大に向けた対応策を提案していくとともに、新たに直接的な支援として、市町村の要請により県が民間事業者に委託して出張申請窓口に人員を派遣するなど、取得拡大を後押ししてまいります。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、県立美術館の運営に関わる検討状況等についてでありますが、委員会からいただいた助言を参考にしつつ、大学教授などの学識経験者、企画展関連事業者、美術館友の会の会員などの様々な利用者への意見聴取を行ったほか、他県の美術館における外部との連携状況や組織体制について調査を行っているところです。 それらを踏まえながら、近代美術館と万代島美術館それぞれの特性を踏まえた役割分担の整理を含め、両館が全体として、美術品の収集、展示や調査研究等の役割や機能を効果的・効率的に発揮し、かつ、県民の鑑賞機会の充実が図られるよう、丁寧に検討を進めているところです。 美術館では、出前講座や大学と連携したワークショップなどを行っているところですが、市町村や学校など地域の多様な主体と連携しながら、より県民に親しまれる開かれた美術館となるよう、取り組んでまいりたいと考えております。 次に、要介護1及び2の高齢者に対する介護保険制度の見直しについてでありますが、議員御指摘のとおり、現在の総合事業は、地域の実情に応じて、住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することで、要支援1及び2までの高齢者に対する効果的かつ効率的な支援等を可能とするものであり、市町村の創意工夫等により、要支援者等の介護予防や生活支援の充実の促進を目指すものとされています。 この中で、県の役割は、市町村が実施する総合事業の制度設計や人材の育成・資質向上を総合的に支援することであり、今年度は、リハビリテーション専門職等による生活機能向上のための介護予防サービスに係るノウハウの普及や、県のアドバイザーを活用した伴走支援を実施しているところです。 要介護1及び2の高齢者が総合事業に移管した場合においては、対象者の範囲拡大により、市町村が提供するサービスや取組内容に大きな変化が生じることも考えられることから、県といたしましては、国の動向を注視しながら、必要な支援を行ってまいります。 次に、高齢者の経済活動への参加の促進についてでありますが、議員御指摘のとおり、人材不足への対応は喫緊の課題であり、今後、働く意欲のある高齢者が、これまで培った能力や経験を生かし、活躍し続けることができる仕組みづくりが重要になると考えています。 県といたしましては、シルバー人材センター連合会と連携をして、高齢者がライフスタイルや体力などに応じた働き方を選択できるよう、個別相談や普及啓発を実施するなど、多様な就業機会の創出に向けて取り組んでいるところであり、引き続き、意欲のある高齢者がその能力を十分発揮できるよう、環境の整備に努めてまいります。   〔知事政策局長森永正幸君登壇〕 ◎知事政策局長(森永正幸君) 5点お答えいたします。 豪雪地帯安全確保緊急対策交付金の活用状況等についてでありますが、今年度、村上市、長岡市、十日町市、小千谷市など8市町において、当該交付金が活用されております。 具体的には、除排雪時の死傷事故防止や、持続可能な除排雪体制の整備に向け、将来を見据えた方針の策定を進めるとともに、高齢者世帯等への除雪経費支援や、地域の除雪機購入への補助、アンカーが設置された住宅の所有者に対する除雪費支援、安全講習会の開催などの取組が行われているところです。 次に、除雪オペレーターの担い手確保に向けた取組についてでありますが、議員御指摘の新潟県除雪オペレータ担い手確保協議会では、新たな担い手の減少や、厳しい作業環境を背景とする現役オペレーターの離職などが課題として共有されました。 課題への対応といたしまして、新たな担い手確保については、除雪学習会の開催や動画作成によるPR等により、将来の担い手となり得る若年層やその保護者に対する除雪への理解促進を図るほか、除雪作業に必要な資格取得の助成制度に関する説明会を開催いたしました。 また、現役の離職防止につきましては、ニイガタ除雪の達人選手権や除雪出動式の開催、除雪作業に対する感謝状の贈呈により、現役オペレーターのモチベーション向上につながる取組を進めております。 このような取組に加え、オペレーターが減少する状況においても除雪体制を確保できるよう、経験が浅いオペレーターの機械操作を支援するシステムや、機械の1人乗務化を試行導入するなど、除雪作業の効率化・省人化につながるよう取り組んでいるところです。 今後の取組といたしまして、他業種と連携した新たな人材の確保や積雪センサーによる除雪パトロールの省力化に関する試行など、様々な観点から検討を行ってまいります。 引き続き、協議会を通じて関係機関と連携しながら、担い手確保に向けた取組を進めてまいります。 次に、マイナンバーカードの健康保険証利用の普及拡大に向けた取組についてでありますが、健康保険証利用の申込みは、マイナポータルのほか、スマートフォンをお持ちでない方や操作に自信がない方でも簡単にできるよう、全国のセブン銀行ATMで申込みできる環境が用意されています。 また、県内の市町村では、窓口において健康保険証利用の申込みやマイナポイントの申請支援を行っているところです。 県といたしましては、高齢者などデジタル機器に不慣れな方も、円滑に健康保険証の利用申込みをしていただけるよう、引き続き、市町村など関係団体と連携し、申込み方法や支援内容について周知広報を行ってまいります。 次に、デジタルディバイド対策の取組方針についてでありますが、昨年策定したデジタル改革の実行方針において、本県のデジタルディバイド対策についても明記し、県民のデジタル機器を使いこなす知識や技術などに配慮し、簡単で分かりやすいといった県民が利用しやすいデジタル化を推進することとしております。 あわせて、デジタル化を進めていく過程においては、デジタルだけではなく、様々な媒体での情報発信やサービス提供にも配慮してまいりたいと考えております。 また、引き続き、公民館や携帯ショップで高齢者等がオンラインサービスの利用方法等を学べる国の事業の活用を推進するとともに、市町村や民間におけるデジタルディバイド対策についての情報を共有し、連携して支援してまいります。 次に、新潟県道路損傷通報システムの利用状況と導入効果についてでありますが、本年2月21日の運用開始以降、11月末時点で1,753名から登録をいただき、路面の損傷や道路照明の不点灯など、月に6件程度、合計60件の通報をいただいております。 通報された内容は、本庁と地域機関で速やかに情報共有し、現地確認の上補修を行っており、道路利用者の安全性向上につながっております。 システム利用者からは、24時間通報できるので便利、これまで通報したことがなかったが、このシステムであれば通報しやすい等の御意見が寄せられております。 議員御指摘のとおり、これまで周知が不足していた側面もあることから、今後は、コンビニエンスストアでのPRポスター掲示やリーフレットの配布等により、さらなる周知を図り、道路利用者の安全性向上に引き続き取り組んでまいります。   〔総務部長小岩徹郎君登壇〕 ◎総務部長(小岩徹郎君) お答え申し上げます。 マイナンバーカードの交付率が低調となっている要因についてでありますが、平成28年1月の交付開始以来、交付を担う市町村によって差はあるものの、本県自治体では全般的に取組の遅れが目立ち、県全体の交付率はおおむね全国最下位で推移しておりました。 このため、昨年以降、県は市町村に様々な形で働きかけを行い、さらに今年度からは、県としてより積極的に関与するため、本年7月に作成した新潟県マイナンバーカード取得拡大アクションプランの下、夏以降、市町村と協力した施設割引や、カード利用のメリットや安全性等の分かりやすい広報、出張申請受付の受入れ先確保等に取り組んでまいりました。 こうした中、9月以降の県全体の申請率は全国10位台で推移しておりますが、一部自治体で申請数の増加に交付事務が追いついておりません。また、本県の状況を踏まえると、申請数についてもより一層の伸びが必要となるところ、議員の御指摘のとおり、県人口の3分の1を占める新潟市の交付率が低い状況にとどまっていることなどもあり、県全体の交付率の十分な上昇にはつながっていないものと認識しております。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) お答え申し上げます。 マイナンバーカードの健康保険証利用の医療機関におけるメリット等についてでありますが、本人同意の下、医師等が特定健診や薬剤等の情報を閲覧することで、よりよい医療を提供できるようになるほか、最新の資格情報を医療機関の既存システムに自動的に取り込むことで、入力事務の軽減や請求誤りの防止など、事務の省力化につながるものと認識しております。 医療機関の体制整備について、これまで県では国と連携し、県医師会等を通じてオンライン資格確認の導入を働きかけてきたところですが、国は令和5年4月からオンライン資格確認の導入を原則義務化するとともに、導入に係る補助金を大幅に拡充したところです。 現在、県内でオンライン資格確認を導入済みの医療機関は4割程度ですが、こうした国の対応もあり、導入の申込みを済ませた医療機関を含めると既に9割に達しており、今後、ほとんどの医療機関で、カードを健康保険証として利用できるようになると見込まれます。 このため、県といたしましては、カードが健康保険証として利用できることを、県民の皆様に周知していくことが重要と考えており、利用するメリットや利用できる医療機関などの分かりやすい広報に、引き続き努めてまいりたいと考えております。   〔産業労働部長金井健一君登壇〕 ◎産業労働部長(金井健一君) お答えいたします。 工業団地内道路の消雪パイプ設置に対する支援についてでありますが、道路除雪は、消雪パイプの設置も含めて、道路管理者により、適切になされることが原則となっておりますが、県では、地域産業の振興を図るため、市町村が行う工業団地の基盤整備に対する補助制度を設けており、消雪パイプの設置も対象としております。 県といたしましては、こうした支援制度について、工業団地が所在する市町村への一層の周知に努めてまいります。   〔農林水産部長小幡浩之君登壇〕 ◎農林水産部長(小幡浩之君) お答えいたします。 中山間地域の農業に対する国の支援策の活用についてでありますが、国では、中山間地域の農業の振興と併せ、地域が持続的に発展していけるよう、農業を中心とした新たな所得の確保や、地域コミュニティーの維持に資する取組を支援しており、本県においても、国の支援策を効果的に活用しながら、取組を進めていくことが重要であると考えております。 県といたしましては、市町村等と連携し、ビレッジプラン2030や中山間地域等直接支払制度の取組を通じて、地域のビジョンづくりなどを支援しているところであり、その実現に向けた取組の内容や発展段階に応じて、国の支援策等を情報提供し、それらを活用した地域の主体的な活動を後押しすることで、中山間地域の振興を推進してまいります。   〔農地部長登り俊也君登壇〕 ◎農地部長(登り俊也君) お答えいたします。 多面的機能支払交付金による取組の評価と課題についてでありますが、本交付金は、地域が共同で行う水路の泥上げや草刈りなどの活動を支援することにより、多面的機能の維持・発揮に大きな役割を果たしております。例えば、令和3年度に県が行った本交付金の中間評価では、活動に取り組む組織のほとんどが、水路・農道等の地域資源の適切な保全に効果があったと評価しております。 一方で、課題といたしまして、一部の組織において、地域をまとめる代表者や役員後継者の不足などにより、取組の継続が懸念されていると認識しております。   〔教育長佐野哲郎君登壇〕 ◎教育長(佐野哲郎君) お答えいたします。 理数系が得意な生徒への支援についてでありますが、県教育委員会では、これまでも生徒の理系分野に対する関心を高める取組として、科学の甲子園ジュニア新潟県大会や、ものづくり企業による出前授業を実施してまいりました。特に、科学の甲子園のジュニア大会は、回を重ねるごとに参加生徒が増加をしております。 今後も、これらの取組を一層充実させていくとともに、ロボットコンテスト等の主催団体から取組に対する支援要請がある場合には、支援の必要性について検討してまいります。   〔高見美加君登壇〕 ◆高見美加君 1点だけ再質問をさせていただきます。 工業団地の消雪パイプに係る件であります。県が、市町村が支援していることに、さらにその要綱で制度設計をされていることは承知しております。しかし、現状と制度が合っていないのではないか。現状の現場の声を聞いて、その制度そのものもやっぱり変えていかなければならないのではないかという趣旨で質問させていただいたのですが、金井部長は、その制度を周知するという答弁でしたので、今後はその制度の中身も含めて、市町村と丁寧に意見交換をして、地元の要望に応える制度設計にしていっていただきたいと考えるのですが、答弁をお願いしたいと思います。   〔産業労働部長金井健一君登壇〕 ◎産業労働部長(金井健一君) 高見議員の再質問にお答えいたします。 議員から御指摘がありました長岡市が整備した工業団地、これは長岡新産業センターというふうに以前から伺っておりますけれども、その団地の中の消雪パイプの設置につきまして、財政支援の要望があるというふうに伺ってございます。 現在、長岡市のほうで対応を検討しておりまして、その検討いかんによっては、また改めての協議になるかとは思いますけれども、いずれにせよ長岡市の検討を待っているという状況でございます。 ○議長(小島隆君) 高見美加君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午後0時7分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時10分 開議 ○副議長(楡井辰雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、市村浩二君の発言を許します。市村浩二君。   〔市村浩二君登壇〕(拍手) ◆市村浩二君 公明党の市村浩二です。 まず、本年、新型コロナウイルス感染症との闘いに日夜奮闘していただいた医療従事者及び関係者の皆様に心から感謝と御礼を申し上げますとともに、新型コロナでお亡くなりになられた方々の御冥福と、入院中や宿泊中、自宅療養中の皆様の一日も早い御回復を心からお祈り申し上げます。 また、8月の県北豪雨で被災された皆様の一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。 それでは、通告に従い、質問を行います。 最初に、知事の政治姿勢について伺います。 まず、物価高騰対策のこれまでの評価と12月補正予算案について伺います。 6月定例会の私の一般質問において、今後の物価高騰への対応方針について、知事は、今後とも最新の経済指標等により物価等の動向を注視するとともに、県民の皆様の声にしっかりと耳を傾け、国の対応も踏まえながら必要な対策を講じてまいりたいと答弁されました。 9月補正予算を含めたこれまでの対策の効果をどのように評価しているか伺うとともに、現在の物価動向や国の総合経済対策も踏まえ、今回の12月補正予算案では、どこに重点を置いて編成されたのか、知事の所見を伺います。 次に、令和5年度当初予算編成における子育て予算について伺います。 現在、令和5年度当初予算編成作業が進められていますが、予算編成の視点では、重点政策として新たに子育て環境の整備が追加されました。子育て環境の整備を令和5年度の重点政策に取り上げた知事の思いと決意、具体の成果の発現をどのように進められようとしているか伺います。 同じく令和5年度当初予算編成における事業見直し方針について伺います。 令和4年度当初予算編成方針と比較しますと、予算編成のフレームにおいて、新たに、既存事業のスクラップ・アンド・ビルドを通じて新規事業に必要な財源を確保するが追加されていますが、どのような基準で見直していく方針なのか伺います。 本項目の最後に、知事の東南アジア歴訪について伺います。 知事は、来年1月9日から15日まで、3年ぶりとなる海外訪問出張により東南アジア諸国を歴訪し、新型コロナウイルス感染症発生後初めてとなる、本県へのインバウンド拡大等を目的とした海外トップセールスを行うと聞いています。 今回、訪問先をタイ、ベトナム、シンガポールの東南アジア諸国に選んだ狙いと各国訪問の目的について伺うとともに、知事の意気込みを伺います。 次に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。 まず、本県における医療逼迫防止対策強化宣言や医療非常事態宣言発出の基準について伺います。 新型コロナウイルスの流行が第8波に入ったと見られ、本県も新規感染者数が増加傾向にあり、都道府県別の直近1週間、12月1日から7日の人口10万人当たり感染者数は826.61人で全国8位、病床使用率は、12月9日現在、59.5%であります。 国は、感染状況に応じた新たな対策として、オミクロン株対応の新レベル分類を示し、県内の医療機関の負担が増大した場合、県民に、より慎重な行動の要請・呼びかけを行うことを選択肢とした対策強化宣言の枠組みにより感染防止措置を講じ、それでも感染拡大が続く場合等には医療非常事態宣言を発出し、人との接触機会の低減について、より強力な要請・呼びかけを行うとしています。 本県における対策強化宣言や医療非常事態宣言発出の基準について、知事の所見を伺います。 次に、新型コロナ第8波と季節性インフルエンザ同時流行対策について伺います。 新型コロナの第8波と季節性インフルエンザの同時流行も懸念される中、移動やイベントが増える年末年始を迎えることになります。医療逼迫を招かないためには、改めて県から県民の皆様へ感染症対策の徹底について周知していく必要があると考えます。 県内での同時流行を避けるために、県としてどのような対策を呼びかけていくのか、知事の所見を伺います。 次に、防災・減災対策について伺います。 まず、防災に関する県民行動指針への取組状況について伺います。 防災に関する県民行動指針は、令和3年12月に制定の新潟県防災基本条例第10条に基づき、令和4年3月に手引として作成・公表されました。 同条第2項には、知事は、毎年1回、前項の防災に関する行動指針に係る取組の状況を新潟県防災会議に報告するとともに、これを公表するものとするとあります。 作成・公表から約8か月が経過したところでありますが、現在の取組状況について伺います。 同じく防災に関する県民行動指針の利活用の促進について伺います。 防災に関する県民行動指針については、県民、事業者、自主防災組織等の方々への周知が進んでいないと感じます。 各種防災に関する会議や研修、町内会等の防災訓練等で利活用してもらうよう、あらゆる機会での周知を図るとともに、新潟県防災ナビにリンクさせるなど、利活用促進のための取組を進めるべきと考えますが、所見を伺います。 次に、防災・減災、国土強靱化の観点から本県における内水氾濫対策について伺います。 近年、内水氾濫で市街地が水につかる被害が多発しています。国土交通省によれば、2009年から2018年までの10年間で、内水氾濫が原因で浸水した建物は約21万棟に上り、河川の堤防が決壊するなどして水があふれる、いわゆる外水氾濫より約9万棟も多く、被害は深刻です。 本年8月の村上・関川地域の豪雨においても、排水能力を超えた水が下水道などからあふれる内水氾濫により、村上市市街地をはじめ、県内各地で道路冠水や建物への浸水被害が発生しました。 県内には、平野・低地が多く、また気候変動の影響などで局地的な大雨が増える中、内水氾濫対策は喫緊の課題と考えます。 下水道の管理主体である市町村の内水氾濫対策の強化も求められており、県としても市町村を支援していく必要があると考えますが、所見を伺います。 本項目の最後に、ムービングハウス等の活用について伺います。 本年8月の県北豪雨では、仮設住宅として移動可能なムービングハウスが33世帯分採用され、工事着手から完成まで約3週間という短期間で避難者が入居することができました。私も入居前に視察し、機能性や居住性、雪国仕様への対応や耐久性なども優れていると感じました。 また、ハウスは全国の被災地で使用したものを持ち込んで再利用したもので、本県内で備えることができれば、より迅速な対応が可能となります。 他の自治体では、こうしたムービングハウスやトレーラーハウスを災害での活用のみにとどまらず、平時には会議室や作業スペース等に活用している事例などもあることから、本県においても今後の災害が起こった場合を見据え、平時における利活用も含めて、ムービングハウスなどを備えてはどうかと考えますが、所見を伺います。 次に、県民の安全・安心について伺います。 まず、県内における高齢者交通事故の状況について伺います。 近年、全国的に高齢運転者による悲惨な交通事故が相次いで発生しており、特に75歳以上の後期高齢者による加害事故が多いものと承知しています。 また、高齢運転者対策の充実・強化に向け、運転免許証更新時に運転技能検査が導入されるなど、法整備もなされていますが、本県における75歳以上の高齢運転者が加害者となった交通事故の発生状況とその対策について伺います。 次に、高齢運転者の運転免許返納状況と取組について伺います。 本年11月に福島市の市道で、97歳の男性が運転する軽乗用車が、歩いている40代の女性をはねて死亡させる交通事故が発生しました。加害者の年齢を考慮すれば、本来免許の自主返納を求めたいケースであると考えますが、加害者は独り暮らしであり、親族らの強い説得等がなければ、本人に自主返納を決断させることが難しい面もあったと考えられます。 高齢化の進展に伴い、今後こうした事例の増加が懸念されますが、本県の75歳以上の運転免許証保有者の運転免許証自主返納状況、及び県警察の高齢運転者の運転免許証自主返納に向けた取組について伺います。 次に、地域交通資源の有効活用に関する調査事業について伺います。 運転免許返納者や運転をすることができない高齢者が安心して地域で生活できるよう、県は今年度、従来の路線バスやタクシーに加え、スクールバスやホテルの送迎バスなど、地域の様々な交通資源を活用し、住民の移動手段として機能させるため、モデル地域で調査を実施していると承知していますが、現在の調査状況について伺うとともに、今回の調査に基づいた今後の移動手段支援の取組について伺います。 本項目の最後に、AI救急アプリについて伺います。 本年6月から全県で運用が開始されたAI救急相談アプリは、気軽に救急相談ができ、県民の不安解消だけでなく、医療機関の負担軽減にも寄与していると承知しています。 私の本年6月の一般質問に対して、多くの方に使われているLINEから24時間いつでもすぐに利用できることから、20歳代から40歳代までの子育て世代の女性を中心に、幅広い年齢層で順調に増加しているとのことでありましたが、本アプリについて、現在の登録状況と現時点での評価及び改善点について伺うとともに、今後のさらなる普及促進のための取組について伺います。 次に、子育て支援について伺います。 まず、出産・子育て応援交付金について伺います。 少子化、人口減少の克服には、希望する人が安心して子供を産み育てることができるよう、子育て支援の切れ目のない政策が重要と考えます。 今回の国の総合経済対策で、妊娠期から出産・子育てまで一貫した伴走型支援と経済的支援を一体として行う、出産・子育て応援交付金が創設されました。 これまで支援が手薄であった妊娠届出時より、妊婦や、特にゼロ歳から2歳の低年齢期の子育て家庭に寄り添い、必要な支援につなげる伴走型相談支援の充実を図るとともに、妊娠届出や出産届出を行った妊婦等に対し、出産育児関連用品の購入費助成や子育て支援サービスの利用負担軽減を図る、計10万円相当の経済的支援を一体として実施する事業であります。 本事業は、子育て支援に力を入れる本県にとって追い風となりますが、実施主体が市町村であることから、事業の円滑な実施に当たり、県としてどのように市町村を支援していくのか伺います。 次に、赤ちゃんほっとステーションの登録制度について伺います。 本年10月より男性版産休も始まり、男性の育児参加が進む中で、県内の子育て中のパパやママからの声として、外出の際、公共施設や商業施設で、これまで女性用トイレを中心に設置されてきた、おむつ替えができるベビーベッドやおむつ交換台などについて、男女を問わず対応できる場所の設置や環境整備をしてほしいとの要望を伺っています。 他自治体の例として、山形県は子育て支援の一環として、公共施設や商業施設などを中心に、赤ちゃんほっとステーションの登録制度を実施しています。登録した施設では、男女ともに急なおむつ替えや授乳ができる設備があり、登録施設を増やすことで子育て世代の保護者が、子供を連れてでも安心して外出できるようにするもので、県による施設整備への補助金支援もあります。 本県においても、子育て支援の一環として同様の登録制度の創設に向けた検討を進めてはどうかと考えますが、知事の所見を伺います。 AI発達障害アプリの開発について伺います。 最近、発達障害への理解が進む中で、子育て中の保護者等から、我が子の発達障害を心配する声を多く聞いています。 現在、発達障害に関する相談については、市町村や県における発達障害の相談窓口のほか、国が運営する発達障害ナビポータルなどで情報発信されているところであります。 しかし、保護者の中には、こうした機関への相談にためらいがある。また、窓口の混雑により相談までに3週間も待たなければならなかったといった声も伺いました。 人に知られず、気軽に相談できる窓口が求められていると考えます。AI救急相談アプリのように、気軽に発達障害について相談できるAIアプリがあれば、保護者のこうした不安を解消するとともに、相談窓口機関の負担軽減につながると考えますが、AI発達障害相談アプリの開発について、知事の所見を伺います。 次に、交流・定住人口拡大について伺います。 まず、スポーツ合宿促進事業について伺います。 県内ではこれまで、妙高市における陸上・箱根駅伝参加校の合宿誘致や、十日町市の女子レスリング合宿誘致など、各市町村の地域特性等を生かした誘致を実施してきました。 県では、今年度、スポーツ合宿促進事業を新たに創設しましたが、本事業による合宿誘致や交流促進の成果について伺います。 次に、今後のスポーツ合宿の誘致促進について伺います。 スポーツ合宿について、今後県内へのさらなる誘致促進のためには、誘致受入れ市町村や県市町村の観光協会等とも連携しながら、ハード面のみならず、おもてなし対応などのソフト面も含めた合宿ニーズを把握した上で、合宿受入れ市町村の地域住民と合宿を実施する競技団体等の交流の促進に積極的に取り組むことにより、本県の交流人口の拡大につなげるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、麺のまち新潟の魅力発信について伺います。 新潟県は、南北に長い地形のため、地域によってタイプの異なるラーメンが数多くあり、県観光協会のホームページによれば、新潟あっさり醤油、新潟濃厚味噌、燕三条背脂、長岡生姜醤油、三条カレーラーメンといった新潟五大ラーメンをめぐるモデルコースが紹介されています。 総務省の全国の県庁所在地と政令指定都市を対象に行った昨年1年間の家計調査の結果で、ラーメンにかけた外食費用が、新潟市が9年連続の日本一を目指した山形市を抑えて、初めて日本一となりました。 また、そばについても、本県には、へぎそばといった郷土料理として位置づけられているそばや、長い歴史がある老舗のそば店があるなど、本県が誇る食文化の一つであると考えます。これらを本県の観光資源として活用し、ラーメン、そば、うどん、パスタなど、麺類という側面から、麺のまち新潟の魅力を官民連携して発信し、観光PRにつなげていってはどうかと考えますが、知事の所見を伺います。 本項目の最後に、県内企業による奨学金返還支援制度の普及・充実のための取組について伺います。 現在、自治体の奨学金返還支援制度のほかに、企業による返還支援制度があります。奨学金返還制度の利用者からは、この制度がUターンやIターンの決め手となったとの声も聞かれるなど、本県の定住人口拡大にもつながるものと考えます。 企業による奨学金返還支援は、昨年4月から、社員に代わって企業が、奨学金を貸与する日本学生支援機構に直接返還できる代理返還制度が始まったことで、導入企業が拡大しています。 同制度では、返還支援分について、社員の給与に含まれないため、所得税や住民税、社会保険料が原則増加しない。また、企業側も損金算入できるため、法人税の軽減につながり、一定の要件を満たせば税額控除を受けることができます。 先日、日本学生支援機構に確認したところ、本年11月末現在、全国では約520社が実施しているとのことでありましたが、本県では7社にとどまっています。 奨学金返還支援制度を設けている県内企業の認知度向上や優秀な人材確保を後押しし、本県への就労促進につなげるため、企業が負担する支援額の一部補助や実施企業が有する支援制度の情報発信など、返還支援制度をさらに県内企業に普及・充実させるための新たな取組を行ってはどうかと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、エネルギー問題について伺います。 まず、今冬の節電対策について伺います。 国は、本年12月1日から来年3月までの間、全国の家庭や企業に対して、7年ぶりとなる節電要請を行っています。今回の節電要請には、数値目標は設けず、全国を対象に無理のない範囲で節電・省エネの協力を求めていますが、本県として実効性を高めるためには、県民や事業者への節電協力要請などを行う必要があると考えますが、本県の取組について改めて知事の所見を伺います。 次に、大規模停電に対する備え、災害対策について伺います。 電力会社は、エリアごとの電力需要に対して供給余力がどの程度あるかを示した供給予備率を算出し、電力を安定供給するには最低でも3%の予備率が必要とされています。 東北・東京電力管内の来年1月時点の予備率は4.1%で、依然厳しい綱渡りの状況であり、災害などに伴う大規模な電源脱落、想定外の気温低下による電力需要増加による供給力不足といったリスクへの対応は欠かせないと考えます。 中でも、県民生活に大きな影響が出る大規模停電への備えは重要であると考えますが、本県における大規模停電に対する災害対策について、知事の所見を伺います。 次に、メタンハイドレートの進捗と課題について伺います。 上越市や糸魚川市の沖合など、日本周辺の海底に存在し、次世代エネルギー資源として期待されるメタンハイドレートについては、2027年度までに民間企業が主導する、商業化に向けたプロジェクトが開始されることを目指し、国立研究開発法人の産業技術総合研究所等が調査・研究を実施していると承知していますが、これまでの進捗状況と今後の課題について伺います。 本項目の最後に、メタンハイドレートの商業化に向けては、産官学が連携して進めていく必要があります。その中で、本県としての役割についてどう認識しているか伺うとともに、今後の本県の具体的な取組について伺います。 最後の項目として、建設業等の諸課題について何点か伺います。 まず、建設産業のICT活用について伺います。 現在、建設現場ではウェブ会議システム等の情報通信技術を用いて、離れた場所から映像と音声のリアルタイムで材料確認や段階確認などを、発注者の監督員が実施する遠隔臨場が行われています。 新型コロナウイルスへの感染リスク対策とともに、発注者の現場移動時間削減や受注者の立会い調整のタイムロス削減など、建設工事のICT活用は建設現場の働き方改革の推進に寄与する取組であり、受発注者ともにメリットがあることから、本県においても積極的に推進をすべきと考えます。 県土木部においても、取組の一つとして、令和3年度に発注者側の遠隔臨場対応環境整備のため、土木部関係全地域機関などの工事担当課に遠隔臨場機器を配備したと聞いていますが、令和4年度の取組状況及びその効果、課題について伺うとともに、建設工事における来年度以降のさらなるICT活用推進に向け、どのように取り組んでいく方針であるか伺います。 次に、新潟県SDGs推進建設企業登録制度について伺います。 県土木部は、昨年9月に県内建設企業の人材確保・イメージ向上等を後押しするため、SDGsの達成に向けた取組を行う建設企業を登録し、その取組をPRする、新潟県SDGs推進建設企業登録制度を創設しました。 制度創設から約1年が経過しましたが、現在の登録状況と本制度の効果について伺うとともに、今後さらなる登録を推進するために、入札時の評価点の加点など、登録企業に対するインセンティブ付与を検討すべきと考えますが、所見を伺います。 最後の質問となりますが、全産業を対象としたSDGs推進登録制度の創設について伺います。 SDGsの取組は、産業イメージの変革や県民理解を促進する中で、人材確保、担い手確保につながることが期待されることから、これまで県土木部が先進的に取り組んできた、新潟県SDGs推進建設企業登録制度を参考にしつつ、建設産業以外にも対象を拡大し、県として他産業をも対象とする制度の創設を検討すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 結びに、明2023年のえとは、癸卯であります。癸と卯の組合せから、これまでの努力が実を結び、勢いよく成長し飛躍する、新潟県がそのような年となるよう、また県民の皆様にとって希望あふれる年となるよう、花角知事のさらなるリーダーシップに期待し、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 市村議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、これまでの物価高騰対策と12月補正予算案についてでありますが、県ではこれまで物価高騰対策として、6月以降、補正予算により企業の資金繰り対策や省エネ設備の導入支援、肥料価格の高騰対策などの事業者向け支援や、市町村と連携し地域の実情を踏まえた生活者支援などを実施してまいりました。 これらの事業において、例えば市町村と連携した生活者支援は、全市町村に活用していただくなど、県民の皆様のニーズに応えることができているものと考えておりますが、引き続き、事業の効果を確認してまいります。 また、今定例会でお諮りしています12月補正予算では、現下の経済状況などを踏まえ、これまでの原油価格・物価高騰対策を補完する対策として、国の臨時交付金を活用して、生活に窮する方々への灯油購入費支援や病院などに対する省エネ設備の導入支援のほか、資材価格高騰下における本県への企業誘致に係る経費等を計上しております。 次に、子育て環境の整備についてでありますが、県では、総合計画において、政策展開の柱の一つに、子供を産み育てやすい環境の整備を掲げ、全庁的な取組推進に努めてきたところであります。加えて、来年4月のこども家庭庁創設やこども基本法の施行等により、子供の健やかな成長を社会全体で後押しする機運が高まる中、本県においても、子ども・子育て支援のさらなる充実強化に取り組む必要があることから、来年度の予算編成における重点政策として子育て環境の整備を新たに加え、一層の取組推進を図ることとしたものであります。 県といたしましては、企業や関係団体、市町村などとの連携を強化しながら、安心して子育てできる環境の整備をはじめ、地域の実情に応じた子育て施策への支援や、社会全体で子育てを支える体制づくりなど、職場、保育、家庭、地域、それぞれの場面における対策を一体で重点的に進めることにより、子供を産み育てる環境の一層の充実に努めてまいります。 次に、予算編成における事業の見直し方針についてでありますが、行財政改革に取り組む中でも、必要な政策を実施し、住んでよし、訪れてよしの新潟県を実現するためには、事業のスクラップアンドビルドを進め、優先順位づけや適切な予算配分などを行っていく必要があると考えています。 そのため、従来より実施してきた事業についても、社会経済情勢の変化を踏まえ、県民ニーズと照らし合わせて事業効果を検証するとともに、市町村・民間などとの適切な役割分担や、より効果的な執行方法を検討するなどの観点による見直しを再度徹底してまいります。 こうした取組も含め、厳しい財政状況の中であっても、中長期的な本県の成長・発展に向け必要な財源を確保していくことで、脱炭素社会への転換、分散型社会の実現、デジタル改革の実行をさらに前進させるとともに、防災・減災対策、地域医療の確保、人口減少対策などについて引き続き全力で取り組んでまいります。また、少子化が急速に進展する中、子育て環境についてもしっかりと目配りをしてまいります。 次に、東南アジア出張の目的と意気込みについてでありますが、新型コロナウイルスの影響により、海外との人的交流が滞っておりましたが、10月に政府は水際措置を大幅に緩和し、ようやく海外との往来を再開する環境が整ってきたものと考えています。 国内市場の縮小や企業の人手不足が課題とされる中、東南アジアは、経済成長も著しく、今後の伸びも期待される地域であることから、円安を背景とした県産品の輸出拡大やインバウンド観光客の誘致、人材交流の拡大などの効果が期待されます。 現地においては、現地企業、政府機関等の訪問、インバウンド誘致のプロモーションを行うとともに、ASEAN県人会の設立総会に参加する予定であり、今回の訪問を契機に、当該地域との人的、経済的交流をさらに拡大できるように取り組んでまいりたいと思います。 次に、新型コロナウイルス感染症対策についてお答えをします。 まず、オミクロン株対応の新レベル分類における本県の宣言発出の基準についてでありますが、国がオミクロン株に対応し、保健医療への負荷が高まった場合を想定したレベル分類の見直しを行ったことに伴い、本県のレベル分類についても、先日開催いたしました新型コロナ対策本部会議において、国の見直し内容や専門家等の意見を踏まえ、見直しを行いました。 議員御指摘の宣言については、レベル3に該当した場合に発出することを想定しており、その基準として、感染状況や病床使用率のほか、発熱外来の逼迫状況や救急搬送困難事案の発生状況などを設定したところであります。また、実際にレベルを引き上げる際には、宣言による対策を実施した場合の影響も比較衡量した上で、総合的に判断することとしております。 このレベル分類で設定した各段階に応じ、今後の感染状況を注視しながら、感染防止対策を適時・適切に講じることにより、社会経済活動の維持・回復との両立を図ってまいります。 次に、同時流行を避けるための呼びかけについてでありますが、県はこれまで、場面に応じたマスクの着用や体調不良時の外出の自粛、小まめな換気などの基本的な感染防止対策や、積極的なワクチン接種などを広く呼びかけ、県民の皆様に協力いただいたことにより、感染者数や死亡者数を低く抑えることができました。 今冬は、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行が懸念されておりますが、引き続き、マスク着用などの基本的な対策の徹底、両方のワクチンの早めの接種、さらに、年末年始等の人流の増加に対応するため設置しました感染不安がある方への無料検査場の活用も含め、広く県民に呼びかけを行い、感染の拡大防止に努めてまいりたいと考えております。 次に、子育て支援についてお答えをいたします。 まず、出産・子育て応援交付金についてでありますが、この交付金は、市町村の創意工夫により、妊娠期から出産・子育てまでの一貫した伴走型の相談支援と妊婦等に対する経済的支援を一体的に実施するものであり、これにより、相談の機会が増え、市町村が妊婦等の不安や悩みを把握するきっかけになり得るとともに、子育て支援サービスの利用者負担が軽減されることで、必要な支援が受けやすくなるものと考えております。 今後、国において制度の詳細が示されることから、県といたしましては、これらを踏まえ、市町村における取組の好事例の共有や、経済的支援を広域連携により行うためのシステムの構築など、市町村からの意見や課題を把握しながら、事業が円滑に実施されるよう支援してまいりたいと考えております。 次に、子育て世帯が安心して外出できる環境整備についてでありますが、議員御指摘の外出時におむつ替えや授乳などができる施設の登録制度については、現在、県内の一部の市町村において類似の取組が行われており、こうした取組が県内全域に広がることにより、社会全体で子育てを支援する機運の向上につながるものと考えております。 県といたしましては、子育て世帯が安心して外出できる環境づくりに向けた取組について、市町村をはじめ企業や関係団体と連携を強化し、周知と理解を促進するとともに、県による施設の登録制度については、他の自治体の取組状況などを研究してまいりたいと思います。 次に、AI発達障害相談アプリの開発についてでありますが、発達障害は、その特性が多様であり、障害の程度や年齢、生活環境などによっても悩みは様々であることから、一般的に紹介されている症状や対応方法などの情報には当てはまらず、不安を感じたり、相談をちゅうちょしたりすることもあるものと承知しております。 発達障害の相談にAI技術を活用するに当たっては、まずは的確な診断を行うことが必要になりますけれども、問診や検査に相当の時間を要する発達障害の診断については、海外の最新の研究においても、医師の診断の補助ツールとしての研究が行われている段階であり、相談を完全にAIに任せることは、技術的に難易度の高いものであると認識しています。 一方で、国内の一部の大学においては、スマートフォンアプリで発達障害の基本的知識や、症状に応じた具体的な対応などを情報提供する、相談アプリの開発が進められており、保護者の不安軽減や相談窓口機関の負担軽減に一定の効果が期待されるものと認識しています。 県といたしましては、これら先進的な取組などの動向を注視し、情報収集に努めてまいりたいと思います。 次に、交流・定住人口拡大についてお答えをいたします。 まず、スポーツ合宿の誘致促進についてでありますが、今年度、県の支援制度を活用してスポーツ合宿を実施した団体に対して、利用した施設の評価等に関するアンケートを実施することとしており、その結果を市町村などと共有して、合宿の受入れ環境の充実につなげていきたいと考えています。 また、議員御指摘のとおり、合宿を実施する団体と受入れ先の地域との結びつきが強まることで、継続的な実施が期待できることから、県の支援制度においても、スポーツ交流や地域行事への参加などの観光交流活動を条件としているところであり、今後とも、市町村など関係者と連携をし、地域における交流活動を伴うスポーツ合宿の誘致促進に努めてまいりたいと考えております。 次に、ラーメンやそばなどの麺類を活用した観光PRについてでありますが、本県には、議員御指摘のへぎそばをはじめ、多くの県民に親しまれる特色ある麺類が数多くあることから、これまでも県観光協会と連携し、貴重な観光資源として地域の歴史や文化などの背景とともに、ホームページなどで情報発信してきたところです。 また、県が行った調査や民間事業者のランキングでは、本県の食に対する期待は高い水準にあり、観光資源としての伸び代は大きいと感じています。 県といたしましては、引き続き、麺類を活用した観光PRをはじめ、本県が誇る食文化の一層の発信に努めてまいりたいと思います。 次に、奨学金の代理返還制度に関する県の取組についてでありますが、議員御指摘の代理返還制度を含め、県内企業が社員の処遇改善に取り組むことは、若者の県内企業への就職の促進に効果が期待できるものと考えています。 県では、県内企業を学生に知っていただくため、これまでも、首都圏相談窓口を通じた情報提供のほか、交流会の開催など学生と県内企業の接点をつくる取組を進めてきたところであり、今後は、こうした機会に、奨学金の返還支援など企業独自の取組も併せて発信することで、県内企業の人材確保を後押ししてまいります。 なお、代理返還を行う企業への財政的な支援につきましては、現在行っている奨学金返還助成などとの関係や、財政負担の観点からも検討が必要であることから、他県などの取組状況も確認しながら、研究してまいりたいと考えております。 次に、エネルギー問題についてお答えします。 まず、県民や事業者への節電協力要請についてでありますが、国が発表した冬季の電力需給見通しによれば、電力の安定供給に最低限必要な予備率は確保できているものの、大規模な電源脱落や、想定外の気温の低下による電力需要の増加などに伴う、供給力不足のリスクへの対策が不可欠であるとされています。 現在、国による全国の家庭や企業への省エネ・節電の呼びかけや、各電力会社においても節電キャンペーンなどが行われているところであり、県といたしましても、市町村と連携し、ホームページなどを通じて、無理のない範囲での省エネ・節電を呼びかけております。 今後、電力需給が逼迫し、県民の皆様に一段の節電をお願いする必要が生じた際には、さらなる情報発信を行ってまいります。 次に、本県における大規模停電に対する災害対策についてでありますが、県では地域防災計画において停電対策について定めておりまして、電力供給事業者や電力を必要とする医療機関や行政機関などと情報共有し、停電に備えた対策を講じているところであります。 具体的には、令和元年房総半島台風に伴い発生した千葉県の大規模停電を踏まえ、病院や社会福祉施設等、人命に関わる重要施設における非常用電源の設置状況リストを電力供給事業者と共有し、大規模停電の発生時には、国、電力供給事業者などと調整の上、電源車等の配備先を決定することとしております。 県といたしましては、引き続き関係機関と連携をしながら、大規模停電に対する災害対策に努めてまいります。 次に、建設業等の諸課題についてお答えします。 SDGs登録・認証制度の創設についてでありますが、SDGs登録・認証制度は、SDGsに積極的に取り組む企業等の見える化を行うことで、SDGsへの取組の貢献度等が対外的に明示されることとなり、企業の認知度向上や人材確保の機会の拡大につながることが期待されます。 一方、制度の創設には、県内の機運が高まることが欠かせないほか、先行する自治体からは、取組の実効性を担保するためには厳格な制度が望ましいが、取組の拡大や審査に伴う事務負担のバランスを取ることが難しい、などの課題を伺っております。 県といたしましては、本県も参加している産学官金連携によるプラットフォームにおいて関係者と意見交換しながら、SDGs登録・認証制度の創設について引き続き検討を行ってまいりたいと考えております。   〔知事政策局長森永正幸君登壇〕 ◎知事政策局長(森永正幸君) 3点お答えいたします。 市町村の内水氾濫対策への支援についてでありますが、議員御指摘のとおり、気候変動の影響などにより局地的な大雨が頻発化しており、8月3日からの記録的な大雨においても大規模な浸水被害が発生したところです。このため県からは、災害復旧への市町村支援はもとより、今後の内水氾濫対策として下水道事業の浸水対策検討会を村上市と開催し、雨水幹線の増強や内水浸水想定区域図の作成など、対策強化に向けた連携を図っております。 県といたしましては、下水道の管理主体である市町村の内水氾濫対策を支援すべく、情報提供や意見交換などを行うとともに、村上市との取組を好事例として横展開するなど、市町村の内水氾濫対策が一層推進されるよう助言・指導に努めてまいります。 次に、遠隔臨場の取組状況及びさらなるICT活用の推進についてでありますが、令和4年度の遠隔臨場の取組としては、遠隔地や立会い頻度の多い工事について、重点的に実施してまいりました。 効果としては、現場への移動時間が削減されることによる業務の効率化や、立会い頻度の増加による品質確保が挙げられます。 課題としては、山間部など電波状況の悪い箇所では、遠隔臨場に支障を来すことが挙げられますが、今後、アンケートによりさらなる課題を抽出し、改善に向けて取り組んでまいります。 また、建設工事におけるICTの活用推進については、建設企業のICT人材育成と、経営者層の意識醸成を図る研修などを引き続き行うとともに、ICT活用工事の適用拡大などを実施してまいります。 次に、新潟県SDGs推進建設企業登録制度についてでありますが、現時点での登録企業は、本年2月の第1回登録144社、9月の第2回登録181社の計325社となっております。 効果としましては、本制度の創設を契機に、多くの関係団体においてSDGs啓発セミナーが開催されているほか、ホームページなどで自社の取組を積極的にPRする登録企業も増えてまいりました。また、建設資材製造業界の要望を受け対象業種を拡大するなど、関連産業も含めた建設産業全体でSDGsに取り組む機運が高まってきております。 インセンティブとしましては、本年4月から、地域保全型工事の指名が可能となる地域貢献地元企業の認定要件の一つに、本制度の登録企業であることを加えたところですが、議員御指摘の入札時の評価点の加点につきましては、本制度が客観的な評価基準に基づき認証するスキームではなく、企業により取組の内容・レベルも様々で、公平性の確保などの課題もあることから、国や他県の状況も参考にしながら、引き続き研究してまいります。 県といたしましては、まずは、SDGs達成に向け積極的に取り組む県内建設企業の情報について、SNSを活用するなど効果的に発信することにより産業イメージの変革を図り、喫緊の課題である担い手の確保につなげてまいりたいと考えております。   〔防災局長原直人君登壇〕 ◎防災局長(原直人君) 3点についてお答えします。 防災に関する県民行動指針に係る取組状況についてでありますが、県では、県民、事業者及び自主防災組織等への本指針の普及・定着を図るため、消防学校や防災シニアリーダー養成講座での講義において、防災教育の教材として活用するとともに、県ホームページに掲載しているほか、県民・事業者向け各種セミナーや市町村の公開講座で紹介するなどして、広く周知に努めているところです。 次に、防災に関する県民行動指針の利活用促進のための取組についてでありますが、県といたしましては、県の実施する各種セミナー等における周知に加え、市町村が行う各種防災に関する会議や研修、町内会等の防災訓練等で利活用してもらえるよう、市町村と連携しながら、周知に努めているところです。 なお、新潟県防災ナビへのリンクについては、議員御指摘のとおり、本指針の利用促進の観点から重要と考えており、今月から実施しております。 今後も様々な媒体を活用するなどしながら、本指針の利活用促進を図ってまいります。 次に、災害発生を見据えたムービングハウスなどの備えについてでありますが、ムービングハウスなどの移動式住宅が様々な用途で活用され、県内での普及が進むことにより、災害時において仮設住宅として活用される可能性が高まっていくものと認識しております。 また一方で、災害時において、既に利用されている移動式住宅を仮設住宅として転用する場合、利用者の退去やトイレ、水回りなど使用設備の切離し工事などに、一定の時間を要するといった課題もあると考えております。 なお、このたびの豪雨災害により村上市で活用された移動式住宅は、速やかな転用が可能であった他県の展示場在庫を、業界団体との連携により確保したものです。 県といたしましては、まずは、移動式住宅普及に向けた業界団体の動向や、他県の取組状況等を注視してまいりたいと考えております。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) お答え申し上げます。 AI救急相談アプリの評価等と今後の普及に向けた取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、AI救急相談アプリは、急な体調不良などの際に気軽に救急相談ができ、受診の必要性や対処方法などを5段階で判定して情報提供を行うもので、県民の不安解消だけでなく、医療機関の負担軽減も目的としています。 特に新型コロナウイルス感染症が拡大し、救急外来や急患診療センターなどに発熱患者等が多数受診して逼迫する中、重症化リスクの低い方がAI救急相談アプリを使って緊急度判定を行うことで、受診の必要性に関する判断ができ、結果として医療機関の負担軽減につながったものと考えております。 また、アプリの登録数は1万2,600件を超え、現在も着実に増加しており、多くの県民から受け入れていただいているものと認識しております。 一方、AI救急相談の利用後、医療スタッフによる追加相談や受診に向けた医療機関への情報提供などが必要なケースもあり、既存の電話相談との連携や、医療機関への情報の引継ぎなどについて、今後検討が必要と認識しております。 今後も、さらなる利用拡大に向け、SNSを活用した広報、市町村や医師会などと連携した周知など、様々な機会を捉えて普及に努めてまいります。   〔産業労働部長金井健一君登壇〕 ◎産業労働部長(金井健一君) 2点お答えいたします。 メタンハイドレートの調査・研究の進捗状況と課題についてでありますが、現在、国において、上越沖を含む3海域で、賦存量の把握や海底の状況把握を行う海洋調査を実施中であり、併せて、採掘・分離・揚収の要素技術開発や、これらを組み合わせた生産システムの研究開発を2023年度末を目標に進めていると承知しております。 また、今後の課題につきましては、国の技術評価報告書において、2050年のカーボンニュートラルの達成を念頭に、将来のエネルギー環境の変化も踏まえた事業の検討が必要であることや、商業化に向けて民間の資源開発企業などに、どのように橋渡しをしていくか明確にする必要があることなどが指摘されております。 次に、メタンハイドレートの商業化に向けた県の役割と今後の取組についてでありますが、現在、国において回収技術の調査・研究が進められているところであり、県といたしましても、その着実な進展を後押しできるよう、メタンハイドレートに対する県民の理解促進と、技術開発への県内企業の参入意欲醸成に取り組む必要があると考えております。 このため、県では、メタンハイドレートに関する講演会の開催や産学官で組織する研究会の活動などを通じ、取組への機運醸成と国の技術開発動向に関する情報共有に努めているところであります。 商業化が実現された際には、地域の活性化や、産業と雇用の創出が期待されることから、こうした取組を続けることにより、今後の資源開発における県内の技術・人材の活用につなげてまいりたいと考えております。   〔観光文化スポーツ部長妹尾浩志君登壇〕 ◎観光文化スポーツ部長(妹尾浩志君) お答えいたします。 スポーツ合宿促進事業の成果についてでありますが、令和4年11月末の時点で、本事業を活用した合宿の実施件数は58件となっており、約1,700人が合宿に参加し、延べ約9,200人泊の宿泊につながっているほか、本県チームとの交流試合などの交流活動が実施されております。 本事業を活用した競技団体や合宿先の地域の関係者からは、新型コロナの影響で費用がかさむ中、補助制度のおかげで合宿を実施することができた、新型コロナの影響で合宿需要が落ち込んでいたので支援がありがたかったとの声が届いており、新型コロナの影響が続く中でのスポーツ合宿の受入れ拡大に一定の成果があったものと受け止めております。   〔交通政策局長佐瀬浩市君登壇〕 ◎交通政策局長(佐瀬浩市君) お答えします。 地域の交通資源を活用した調査についてでありますが、本年度のモデル地域は、佐渡市と三条市ですが、それぞれ、検討協議会を通じて、地域とともに課題を抽出し、検討を進めていくこととしております。 今後につきましては、調査結果も踏まえながら、新たなモデル地域の掘り起こしとともに、実証実験や具体的な事業化の立ち上げ支援など、地域の移動手段確保に向けて、より政策の社会実装が進むよう努めてまいりたいと考えております。   〔警察本部長山田知裕君登壇〕 ◎警察本部長(山田知裕君) 2点についてお答えをいたします。 高齢運転者による交通事故の発生状況と対策でありますが、令和4年10月末現在、75歳以上の高齢運転者が第1当事者となった交通事故の発生件数は、274件で前年に比べ30件増加し、死者数は7人で前年に比べ1人減少し、負傷者数は316人で前年に比べ53人増加しております。 また、対策につきましては、高齢者も多く利用する商業施設や道の駅等におきまして、基本的な安全運転を促す広報啓発を行っておりますほか、身体機能の変化の自覚を促す危険予測トレーニングを活用した、参加・体験型交通安全教室を開催するなどして、高齢運転者が加害者となる交通事故の抑止に取り組んでいるところでございます。 次に、いわゆる自主返納の状況と県警察の取組についてでありますが、令和3年末現在、本県の75歳以上の方の免許保有者数は14万3,185人であったところでありますが、令和4年中にいわゆる自主返納された方は、10月末現在で4,572人となっております。 また、高齢運転者の運転免許自主返納に向けた取組につきましては、県警察では、運転免許センター内に直通の安全運転相談ダイヤル♯8080、シャープハレバレと言っておりますけれども、こちらを設置いたしまして、運転に不安を感じた高齢運転者やその家族からの相談に個別に対応しているほか、75歳以上の高齢運転者が、免許更新時等に行う認知機能検査におきまして、認知症のおそれがあると判断された方に対しまして、その後の手続を案内するとともに、免許返納後に受けられる市町村の助成事業などの案内を行いまして、自主返納を促すなどの取組をしているところでございます。 ○副議長(楡井辰雄君) 市村浩二君の質問は終わりました。 次に、佐藤浩雄君の発言を許します。佐藤浩雄君。   〔佐藤浩雄君登壇〕(拍手) ◆佐藤浩雄君 それでは、通告に従いまして質問させていただきます。 最初に、経済の好循環の形成についてお伺いします。 総務省が先月18日に発表した消費者物価指数は、総合で前年同月比3.7%上がりました。伸び率は、変動の激しい生鮮食料品を除いて3.6%、さらに高騰の激しいエネルギーを除いても2.5%に達しました。この物価上昇は40年8か月ぶりとなりました。 物価高騰の勢いに賃上げが追いつかなければ、景気の下ぶれ圧力が強まり、マーケットに不安が満ちています。インフレは、加速しながら範囲を拡大しており、10月では値上がり品目が80%を超えております。 そうした物価高に、日銀、黒田総裁も、かなりの上昇率、物価目標達成に近づいている、環境は整いつつあると発言し、出口戦略に近づきつつあることを示す発言が多くなっています。 物価上昇率見通しも、10月には2.9%まで引き上げております。しかし、物価高の勢いに賃上げが追いつかなければ、景気の下ぶれ圧力が強まることは間違いありません。今こそ物価の上昇に対応できる賃金の上昇を実現して、経済の好循環をつくらなければなりません。 しかし、欧米をはじめ、韓国やアジア諸国も賃金が上昇しているのに、日本だけが賃金が上がっておらず、物価の上昇により実質賃金が下がっております。 知事、今、物価上昇により実質賃金が下がっているのですから、日本の賃金を上げなければなりません。その原因がどこにあるのか、知事のお考えをお伺いいたします。 知事、法人企業統計の従業員給与・賞与を2008年度から2019年度まで見ますと、小企業は29万社増加していますが、給与は15兆円から18兆円にしか増えておりません。中小企業は20万社減っていますが、67兆円から61兆円に減っています。大企業は500社減っていますが、47兆円から51兆円へ、僅かですが、増えています。 また、内部留保と言われている期末の利益剰余金を見ますと、小企業では9兆円増えて50兆円となっています。大企業では10兆5,800億円から22兆1,900億円に増えており、累計では135兆6,200億円になっています。 この状態を見ますと、労働者の賃金を抑制することで企業が内部留保を増やしていることが読み取れます。 実際、ワーキングプアと呼ばれる非正規雇用者に多く含まれる派遣労働者を見ますと、2007年の1時間当たりの最低賃金約800円で7万2,000人から、10年後の2017年では最低賃金は約1,000円となりましたが、27万5,000人に増えており、正規雇用労働者との格差は広がり、非正規雇用労働者の低賃金の恩恵により内部留保を確保しているのではないでしょうか。 事実、OECD統計では、1994年と2018年の24年間で、主要13か国中、日本だけが賃金がマイナス4.5%となっており、日本だけが世界で実質賃金が下がっているのです。日本の実質賃金の低下の原因は、非正規雇用労働者を増やし、内部留保を増やし、516兆円くらいにもしているところにあるのではないでしょうか。 このような状況について知事はどのようにお考えか、お考えをお伺いします。 上場企業の業績は堅調で、2022年の4月から9月期では最高益を更新しています。11月14日までに発表した東証プライム企業の4月から9月期の純利益合計は、2年連続で同期間として過去最高の純利益を更新しています。 例えば、我が県に身近な信越化学工業は、世界シェア首位の塩化ビニール樹脂で純利益が78%も増え、コマツは建機の売上げなどで75%の最終増益だと報道されています。 このように好調な企業の上期の決算を反映し、全体の31%の企業が純利益予想を上方修正しているようです。その結果、2023年の通期決算の純利益合計は、史上最高となる見込みです。 そこで、経営者に求めたいのは、賃上げと経済の好循環を絶やさないことです。企業が将来のリスクに備え、利益を無駄にため込むようだと、いつまでも経済の停滞から抜け出せません。 経営者は、日本経済が縮小均衡のわなから抜け出すために重要な責務を負っていますから、今こそ賃金を上げ、無駄な内部留保をやめ、経済の好循環をつくるべきと考えますが、県としてどのような取組をしているのか、知事にお伺いいたします。 次に、永続発展地帯新潟の形成についてお伺いします。 ウクライナ侵略戦争による輸入食料価格の上昇と、食料自給率の低下による食糧危機に対する戸別所得補償の復活と食料自給率の向上についてお伺いします。 ロシアによるウクライナ侵略戦争は、絶対に許されないことであり、世界中から非難の声が上がっています。しかも、核爆弾の使用をほのめかし脅迫したり、放射能爆弾を使用するとおどしてみたり、欧州一大きいザポリージャ原発を占領したり、ザポリージャ原発を砲撃したり、許せない行為を次々と行っています。 その結果、戦争による危機は世界中に広がり始めています。その結果、麦などの輸出国であるウクライナから麦が輸出することができず、世界中、特にアフリカ諸国に食糧危機が発生しております。 こうしたロシアによるウクライナ侵略戦争は、世界中に食糧危機ばかりでなく、灯油や液化天然ガスなどのエネルギーの輸出もストップしており、世界中に電気やガスなどのエネルギー危機も発生させた上、食料ばかりでなく、肥料や農薬の価格の暴騰も引き起こしています。 その結果、日本農業も飼料や肥料、農薬の価格上昇を発生させており、農業の赤字をさらに増やしており、放置できない状態です。 まして我が県は、日本一の農業県として発展することを目標にしており、水田ばかりでなく園芸も発展させ、農業の発展により我が県を発展させなければなりません。 したがって、現在発生しているロシアによるウクライナ侵略戦争に伴う食糧危機をしっかりと受け止め、食糧危機を回避するため、食料自給率37%の現実を改革し、45%の目標を今すぐ実現するとともに、世界食糧危機が現実となった今、世界食糧危機に耐え、日本人の命を守っていく日本農業の実現のために、我が県農業が、その下支えとなっていかなければなりません。 知事は、このたびのロシアによるウクライナ侵略戦争による世界的な食糧危機に対応する新潟県の農業生産体制を確立していかなければならないと考えます。 知事は、このたびの厳しい世界の食料や農業の実態を踏まえ、我が県農業をどのように発展させるおつもりなのか、知事の御所見をお伺いいたします。 危険な原発の廃炉と再生可能エネルギーの振興についてお伺いします。 前段で見てきたように、今世界は食糧危機の中にあり、またエネルギー危機の中にあります。こうした厳しい世界情勢を踏まえ、どのようにエネルギーと食料を確保し、永続的に発展できる新潟県をつくっていくのかが問われています。 このたびのロシアによるウクライナ侵略戦争により、原爆は絶対に許されないこと、原発への攻撃も絶対許されないことが明確になったと思います。 エネルギーについては、我が県はまず、危険な原発を廃炉にし、再生可能エネルギーの確保による永続的発展地帯の新潟県をつくることを目標とすべきです。 幸い新潟県は、再生可能エネルギーの宝庫であり、食料も日本一の農業県として発展できる能力を持っており、新潟県民の協力により永続発展地帯になれる条件が整っていると考えます。 そのために、地域の発電協同組合や発電企業をつくり、再生可能エネルギーのみで電力を全て賄える県にすべきと考えますが、知事の御所見をお伺いします。 また、永続発展地帯の新潟県をつくるために、食料生産については農業の戸別所得補償制度を復活し、安心して農業に営める体制をつくらなければならないと考えますが、知事の御所見をお伺いします。 また、再生可能エネルギーと食料の確保により、新潟県は理想的に発展できる地域となり、日本ばかりでなく、世界中からスノーリゾート新潟を目指してインバウンドを迎え入れる県にもなれることは間違いないと考えます。 そのために、上越新幹線の空港乗り入れや臨海鉄道の復活、白新線の複線化など、インフラの整備を行うと同時に、CO2の発生を抑制すべきと考えます。知事のお考えをお伺いいたします。 次に、上中山の大型豚舎の悪臭問題についてお伺いします。 悪臭防止法違反を発生させない、第5次勧告の発令に対する新発田市への県の指導についてお伺いします。 新発田市上中山の大型豚舎悪臭問題は、発生して19年目を迎えています。ここから発生する臭気度27、28、29などという臭気は、臭気を吸った地域住民は吐き気を催し、何とかしてくれと悲鳴が上がっておりました。 大型豚舎の問題は、臭気ばかりでなく、豚舎の菌床を替えるときに発生する大腸菌が川に流れていき、公害防止協定に違反し、農業にも悪影響を与えることから、片山前市長は公害防止協定に基づき営業停止命令を出したときもありました。 また、大型豚舎建設以前に、人家ほどの大量の豚ぷんを積み、悪臭を垂れ流し、地域住民から抗議を受けたら、ふんをまき散らすばかりでなく、豚のふんと一緒に植林した松の木まで耕運機で一緒に土の中に植え込み、明らかに森林法違反の行為まで行っています。 こうした事件を次から次へと起こしながら、大型豚舎からは悪臭防止法に違反する臭気をまき散らし、その臭気は、地域住民ばかりでなく、近くの観光地や隣接市まで飛散させ、悲鳴を上げさせています。 こうした悪臭事件を起こしながら、豚舎の経営を続けてまいりました。悪臭防止法の所管である新発田市には、養豚や悪臭の専門家がいなかったことから、県職員と一緒に指導チームをつくり、悪臭防止法違反を止めさせるために、第4次勧告まで発令させております。 しかし、最近では第4次勧告の取組状況下においても、悪臭防止法違反の臭気が発生していることが現地調査で判明しておりました。 こうした中で、昨年、県職員が豚舎に入り、約1週間にわたり現地指導を行ったり、臭気測定器をつけて指導を行っていただきました。 その結果、悪臭は改善され、臭気度が13、14度レベルまで改善され、地域住民は大変喜んでおりました。 しかし、悪臭防止法違反がなくなったわけではございません。新発田市役所には、獣医や家畜の悪臭の専門家がいないことから、県からの指導を受けて勧告を出しており、第4次勧告も県が紹介した環境アドバイザーの指導・助言によるものであり、県の指導と同じものであります。 新発田市の担当職員は、既に第4次勧告の取組状況下においても、悪臭防止法違反の臭気が出されていることを認めていましたが、先日の10月31日に行われた第13回の臭気改善検討委員会では、県職員も出席され、県が指導した内容について説明を受けました。 その指導に従った立入調査の内容も資料としていただきました。そこには、8月24日の敷料調査の結果、平均4.76キロでした。9月13日では、敷料平均4.37キロでした。9月22日には、敷料平均4.56キロでした。10月7日の敷料平均は4.26キロでした。最も近い10月28日の敷料は平均4.48キロでした。 このように敷重量はどこでも4.5キロぐらいで、第4次勧告の6.5キロから2キロも少なかったのです。しかし、臭気表を見ると、8月9日に臭気度13、14が出ており、最近では12月6日に臭気度13、14が出ております。完全に悪臭防止法違反の臭気が出ているのです。 確かに県の指導により臭気は改善されました。したがって地域住民もみんな喜んでいます。改善はされましたが、臭気指数13、14の悪臭防止法違反の臭気は出されており、第4次勧告がクリアされていても悪臭防止法違反の臭気が出ていることが証明されています。 知事、これではどうしようもないのです。県の指導による臭気改善をした結果、改善はされました。しかし、悪臭防止法違反の臭気は出ていることが証明されたのですから、第4次勧告では臭気はなくならないことが証明されています。 第4次勧告は、アドバイザーの指導を受けて設定されたものであり、それは県の指導によるものなのですから、県は第4次勧告を改める指導を行うべきです。臭気度29などという強烈な悪臭を、臭気度13まで低下させた指導技術を県は持っているのですから、今度は絶対悪臭防止法違反の臭気は出さない勧告を出すように指導すべきです。 この事実は、敷料が第4次勧告の6.5キロを超えた豚舎の割合表でも、令和2年度では25%もあった菌床が、令和3年度では1%になり、令和4年度ではゼロになっております。 しかし、悪臭防止法違反の臭気は出ており、4.5キロの菌床で臭気度12以上の悪臭が放出されていることが証明されていますので、4.5キロを下回る菌床量となる管理を勧告すべきです。 したがって、知事、臭気度12以下の悪臭防止法違反にならないような第5次勧告を発令するよう、県から新発田市に指導すべきと考えますが、知事の御意見をお伺いします。 これまで、県の指導により新発田市は勧告を発令し、事業者は発令された勧告に基づいて、菌床やもみ殻の使用の改善などに取り組んで臭気度を下げてきたところですが、悪臭防止法の規制基準以下の臭気度に抑えていくためには、今まで以上の減頭対策などを業者に指導していかなければならないと思いますが、知事の御所見をお伺いします。 次に、上中山大型豚舎の悪臭問題の時間別、課題別、部局別の総括についてお伺いします。 上中山の大型豚舎悪臭事案は、発生して19年目を迎えています。19年間も悪臭防止法違反を続けてきたことは、単なる悪臭防止法違反でなく、人権問題です。悪臭事件と人権問題が、なぜ19年間も放置されてきたのでしょうか。その原因はどこにあるのか総括しなければなりません。 臭気度29などという強烈な臭気を出し、環境破壊ばかりでなく、県民の人権まで否定されていたわけですので、その原因を明確化すべきです。 指導チームの中に環境局が入っていないことも、環境破壊や人権無視を続けられた原因の一つではないのでしょうか。事案発生当初から本庁環境部局も指導チームに入るなど対応していたら、全く違う判断がされていたのではないかと考えます。 今後の畜産業の健全な発展のために、今回の上中山大型豚舎悪臭問題は大変教訓になる事案と考えます。強烈な豚舎の悪臭を19年間流し続けた悪臭事案を時間別、課題別、部局別に総括し、その原因を明確にすることで今後の養豚業の教訓とすべきと考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。 最後に、安倍晋三元首相の国葬に参加した知事のお考えをお伺いします。 参議院選挙中の7月8日、安倍元首相は凶弾に倒れました。この蛮行は、絶対に許せるものではありません。 私たちは、翌日、安倍元首相の銃撃事件のように暴力や武器で目的を達成しようとする行為は、明らかに民主主義や平和主義に反する暴挙であり、許されない暴挙であるとの抗議声明を出しました。同時に、安倍元首相の死が政治的に利用されることがないように願っていることも明らかにしました。 しかし、岸田首相は7月17日の記者会見で国葬を行うと表明し、国民の鎮魂の思いを悪用する、私たちが危惧する方向へ進み始めたのです。 岸田内閣は、安倍元首相の国葬を9月27日に執り行いましたが、国葬に疑問を持ち反対する人の声が大きくなってきました。 その理由とされているのが、第1に、国葬に法的根拠がないことであります。戦前あった国葬令は、戦後の1947年に失効しております。戦前・戦中に使われてきた国葬令は、戦意高揚に使われてきたので、民主主義や平和主義を基本とする日本国憲法にそぐわないことから、廃止されていたからです。 そもそも国葬の法的根拠がありません。それを閣議決定で強行するということは、憲法違反であり、独裁国家と一緒であると発言しておられる学者の皆さんもおられました。 第2に、岸田内閣が一方的に閣議決定により国葬を決定していることです。言わば、行政権だけで国家的行事を決定してしまったことです。 以前においても国葬問題が検討されたことがありますが、三権の了承が必要とされてきました。岸田内閣は、この事実を無視して、閣議決定で国葬をできるとしてしまったことは誤りです。言うまでもなく国葬は内閣の行事ではないからです。 第3に、安倍元首相の評価がまだ定まっていないからです。 9月17日から18日にかけて行われた共同通信社の世論調査でも、安倍元首相の国葬を反対、どちらかといえば反対が合わせて60.8%も占めています。世論調査とはいえ、国民の半数以上が反対の意を示す安倍元首相の国葬が、国家の儀式である国葬とは言えないと思います。 しかも、安倍元首相は最も法律を無視した指導者でありました。立憲主義を破壊し、安保法制を強行採決したり、国家官僚の人事権を握り、忖度をはびこらせ、森友・加計学園問題や桜を見る会で事実を隠蔽し、公文書偽造まで至らしめ、担当職員を死に至らしめており、許せることではありません。 今問題となっている統一教会の問題にも、最も関係の深かった政治家の一人として安倍元首相の名前が上がっており、たとえ首相の在任期間が最も長かったといえども、こうした元首相を国葬をもって奉ることは、国民に弔意を強要するものであると言えます。 知事、このように安倍元首相の国葬には大きな問題があるにもかかわらず、知事はなぜ安倍元首相の国葬に参加したのか、その理由をお伺いいたします。 また、このように決定プロセスや理由が曖昧で、国民の半数以上が反対したまま国葬が執り行われたわけですが、事後も含めて岸田総理が国民に対して、理解を得られるまで説明を十分にされたという認識でおられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 佐藤議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、実質賃金低下の原因についてでありますけれども、我が国の1人当たりの実質賃金は、OECDに加盟する34か国の中、24位と低い水準にあり、議員御指摘のとおり、諸外国に比べて伸び悩んでおります。 その主な原因は、バブル経済崩壊後に非正規雇用の割合が高くなったことや、労働生産性の伸び率が低迷していることなどにあると認識しています。 県といたしましては、引き続き、やむを得ず非正規雇用となっている方々の正規雇用への転換を支援するとともに、デジタル技術の活用を後押しし、業務の効率化などを通じた生産性向上を支援するなど、県内企業の賃金引上げに向けた環境を整えてまいりたいと考えています。 次に、実質賃金の低下と非正規雇用労働者の増加の関連についてでありますが、議員御指摘のとおり、バブル経済崩壊後に非正規雇用の割合が高くなったことが、日本の実質賃金低下の一因であると認識しています。このため、今ほど申し上げたとおり、やむを得ず非正規雇用となっている方の正規雇用への転換を進める必要があると考えています。 一方で、子育て中の方や高齢者が、正規ではなく短時間の就労を希望するケースなど、働き方の多様化が進んできた面もあることから、正規雇用労働者との不合理な待遇差を解消することも重要であり、引き続き、国と連携しながら処遇改善に向けた取組を進めてまいりたいと思います。 次に、賃金引上げによる経済の好循環の形成についてでありますが、地域経済の好循環に向けては、企業収益の拡大と、その適切な労働分配を通じた賃金の上昇、消費拡大へとつなげることが重要であり、特に、物価高騰の長期化が懸念される中にあっては、物価上昇を十分にカバーするだけの継続的な賃金引上げが必要であると考えています。 そのため、先月以来、私から県内経済団体に対して、賃金の引上げを要請しているところでありますが、こうした取組と併せて、引き続き、意欲ある企業の挑戦を後押しするなど、県内企業の収益拡大を図ることにより、賃金の上昇に向けた環境を整えてまいりたいと思います。 次に、永続発展地帯新潟の形成についてお答えいたします。 まず、本県農業の発展についてでありますが、今般のロシアによるウクライナ侵攻の影響等を踏まえれば、多くの食料を輸入に依存する我が国においては、食料安全保障の観点から、国内の生産性を高めることが一層重要になると認識しています。 このため、県といたしましては、担い手への農地の集積・集約や規模拡大、法人化などの構造対策と、新潟米や園芸の基本戦略等に基づく生産対策とを車の両輪として推進しながら、持続可能な生産体制の構築を進め、日本の食料供給基地として、食料安全保障の確保に寄与してまいりたいと考えております。 次に、発電協同組合などによる再生可能エネルギーの供給についてでありますが、議員御提案の発電協同組合や発電企業は、地域における再生可能エネルギー導入の手法の一つであると考えています。 県といたしましては、そうした手法も含め、地域や事業者が再生可能エネルギーの導入に取り組む場合には、採算性を確保し、着実に事業を進めることができるよう、事業計画の策定や事業可能性の調査などの取組を支援してまいります。 なお、再生可能エネルギーの多くは自然条件により出力が変動し、需要に応じた供給力を確保することが困難であることから、県内の電力需要への対応は、当面は火力発電による電力に頼らざるを得ないと考えています。 次に、戸別所得補償制度の復活についてでありますが、本県は、新潟米基本戦略に基づき、主食用米と非主食用米等を合わせた農業所得の最大化を推進することで、我が国の食料供給基地としての役割を果たしていくことが重要と考えています。 かつての農業者戸別所得補償制度では、主食用米の生産を支援する一方で、非主食用米の生産を誘導するインセンティブが弱かったことから、主食用米の過剰生産が解消されず、米価の安定にはつながらなかったものと聞いています。 このため、農業者の経営安定を図るには、主食用米の需給の安定に向け、非主食用米への誘導をさらに進めることや、園芸導入などにより経営の幅を広げていくことが必要と考えています。 次に、県内のインフラ整備についてでありますが、議員御指摘のインフラ整備の重要性は認識しておりますが、上越新幹線の空港乗り入れについては、従来の方針どおり、早期の検討開始に向け、空港利用者の増加に努めるとともに、白新線の複線化については、今後も、JR東日本へ働きかけてまいります。 なお、臨海鉄道の復活につきましては、本年度、潜在需要調査を行っておりますが、その結果を踏まえつつ、今後の取組について、検討してまいりたいと考えています。 次に、新発田市上中山大型豚舎悪臭問題についてお答えいたします。 まず、第5次勧告の発令についてでありますが、勧告の発令につきましては、悪臭防止法の指導権限を有する新発田市において、主体的に判断されるべきものと考えています。 市は、8月の住民説明会において、勧告に基づく指導によって、一定の改善が図られていることから、第4次勧告を継続する方針を示したと聞いています。 県といたしましては、市の取組を引き続きサポートしていくとともに、着実に臭気改善が図られるよう、指導してまいります。 次に、豚の減頭対策についてでありますが、事業者は、第4次勧告以降、臭気の発生抑制に向けて、豚の導入頭数を抑え、適正な飼育密度を保つよう努めていると聞いております。 現在、事業者において、様々な臭気低減対策に取り組んでおり、一定の改善が図られたところです。 県といたしましては、引き続き、事業者自らが臭気対策に継続的に取り組んでいくよう、積極的に指導・助言を行ってまいります。 次に、悪臭事案の総括についてでありますが、本事案の総括につきましては、悪臭防止法の指導権限を有する新発田市が主体的に行うものと考えております。 県といたしましては、これまでも新発田市の要請に基づき、農林水産部と環境局が指導チームの一員として参画し、本事案に対する市の取組をサポートしてきたところです。 今後も引き続き、養豚事業者自らが臭気対策に取り組み、しっかり基準が守られるよう、市に対して的確な技術的支援・助言を行ってまいります。 次に、安倍元総理の国葬儀についてお答えいたします。 まず、国葬儀への参加理由についてでありますが、内閣総理大臣から正式に国葬儀の案内があったため、参列することとしたものであります。安倍元総理におかれては、長年にわたり国政の第一線で活躍し、数々の要職を歴任し、その間、地方創生の推進をはじめとして、新潟県関係では拉致問題、佐渡の金山世界遺産登録をはじめ多くの課題に全力を尽くしていただいたと認識しており、県知事として国葬儀に参列し弔意を表することとしたものであります。 次に、安倍元総理の国葬儀に関する岸田総理の説明についてでありますが、国葬儀の実施については、これまでも政府として国会や記者会見等の場を通じて、政府の考え方を説明してきたものと承知しております。 また、現在、国会では衆議院の協議会でも国葬の在り方について議論が進められているほか、政府においても、国葬儀について有識者へのヒアリングを行うなど、検証のための意見収集と論点整理を進めているものと承知しております。 政府には、今後の検証結果も踏まえ、国民の理解が得られるよう、引き続き丁寧に説明を尽くしていただきたいと考えております。   〔佐藤浩雄君登壇〕 ◆佐藤浩雄君 御答弁ありがとうございました。 今日も実は、上中山の毎日悪臭に苦しめられている人たちが来ておりますので、最初に上中山悪臭問題について再質問させていただきます。 上中山の悪臭が発生して、既に何回も言っていますが、19年たちました。地域住民の人権が無視されているのです。 その間、経営者のほうは大変な利益を上げているわけです。豚舎は、全部入ると1万頭入るのです。その大型豚舎を回していけば、普通の利益率でも大変な利益ですが、そこに豚サイクルが合わさったら大変な利益を上げて、とっくに投資した分の利益は上げている。もう天文学的な数値になるのではないのでしょうか。私たちは、残念ながらその計算数値を見せてもらってはいませんけれども。 一方で、地域住民の方は臭気度27、28、29という悪臭に悩まされ続けているわけで、人権無視されているのです。 したがって、大型豚舎の悪臭事件発生時から一緒に、私も臭気をかがされた一人なものですから、関わってきました。 私みたいに全く臭気度に対する無知な人間としては、迫るのは、減頭する、1万頭も入れてやるのでは駄目だから、それが臭気度違反にならないところまで一旦下げてから、またやるように提案したのですけれども、全然聞いてもらえませんでした。 しかし、去年、県の技術者の皆さんが入って1週間にわたって指導された結果、県の資料見ますと、はっきりと対策として減頭が出ていますね。指導した結果、今は5,000頭から6,000頭、半分ぐらいまで落としているわけです。 こういうふうに見ても、現在の第4次勧告、6.5キロです、敷料。しかし、さっきも言ったように、敷料をみんな検査して、県の人たちがみんな指示して、県の資料によれば4.5キロぐらいしかなかった。2キロも落ちているわけ。豚の頭数も半分になっている。 ここまでいっているのですから、相当よくなっていることは間違いないのです。したがって、13、14の臭気度になっているのです。 しかし、臭気度違反は間違いないわけです。ということは、第4次勧告ではちゃんとした悪臭防止法の環境はつくれないということを証明しているわけです、県の資料で。今までの第4次勧告も県の指導によって行われているわけです。環境アドバイザーのあの人も、紹介したのは全部県の指導じゃないですか。 したがって、現状の第4次勧告では絶対に悪臭防止法違反を取り除けないのですから、これはもう県の資料によって証明されているのですから、県のほうから、はっきりと絶対に悪臭防止法違反をしないように第5次勧告を出すべきだ、こういうことを指導してくれませんか。 確かに御答弁で、主管は新発田市だからという、それはそのとおりです。出すのは新発田市。しかし、技術者がいないのですから、そのためにずっとやってきたわけですから、ここでもう一度、完全にこれをもって改善できるように、第5次勧告を出すべきだと思いますので、ぜひそうした取組をお願いしたいと思います。 それから、もう一つは、指導チームの中に環境局が入っていたのですか。私たちがいろんな説明会に行ったときも…… ○副議長(楡井辰雄君) 佐藤浩雄君に申し上げます。 再質問は、さきの質問に対する答弁をただすものでありますので、再質問の趣旨を踏まえて、質問の内容を簡潔明瞭に述べてください。 ◆佐藤浩雄君(続) 環境局の人たちが地域住民の説明会には出たことはありません。したがって、質問をしたことは私もありません。環境局の人たちが入っていないと思うのですけれども、そこが基本的に認識が違っているかもしれません。 しかし、時間別、部局別に、19年間ですから、なぜそういうことが改善されなかったのかということを明確にするべきだと思いますので、ぜひそうしたことをやっていただきたいと思いますので。 主管は確かに新発田市です。しかし、改善勧告の全てに県が携わってきていながら、それができなかったというのが19年の歴史ですから、それを総括して…… ○副議長(楡井辰雄君) 佐藤浩雄君に申し上げます。 時間が超過しておりますので、結論を急いでください。 ◆佐藤浩雄君(続) はい。 それから、再生可能エネルギーと食料確保による永続発展地帯の形成ですが、御答弁よく分かりますが、危険な原発を廃炉にし、水力、風力、太陽光、地熱、バイオマスによって再生可能エネルギー、永続的発展地帯の新潟県をつくるということは大事なことだし、そこにさらにスノーリゾートで我が県の魅力を発展させる。 もう一つは、日本一の食料基地新潟なのですから、おいしいものがたくさんあるわけですので、それをばねにして、両方併せてやっていく必要があると思うのです。 ○副議長(楡井辰雄君) 佐藤浩雄君に申し上げます。 今ほど注意をいたしましたが、時間が超過しておりますので、結論を明確に、急いでください。 ◆佐藤浩雄君(続) CO2の発生を抑制するために、それと併せて日本一のすばらしい環境、そしてエネルギー、食料があって、そこへスノーリゾートも加わるという意味で、CO2を抑制するために、白新線の複線化、空港乗り入れ、臨海鉄道の復活、こういうものを併せて行うことによって理想の新潟県ができますので、知事の御答弁によると、臨海鉄道の復活はもちろん計画の中に入っていますが、その判断をするときが来ているわけです。 すぐ判断できるようにやっていただきたいし、連続立交が出来上がっているわけですので、空港乗り入れも決定をすればすぐできる、そういう条件が整っていますので…… ○副議長(楡井辰雄君) 佐藤浩雄君、時間が超過しておりますので、質問を終了してください。 ◆佐藤浩雄君(続) ぜひそういう条件が今整っていますから、やっていただきたいことをお願い申し上げて、再質問といたします。ありがとうございました。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 佐藤議員の再質問にお答えいたします。 第5次勧告の発令につきましては、これまで累次にわたってこの本会議や連合委員会等でもお答えしてまいりましたけれども、恐縮ですが申し上げるのは、勧告の発令そのものについては、悪臭防止法の指導権限を有する新発田市において主体的に判断されるべきものというふうに考えております。 事業者は現在、様々な臭気低減対策に取り組んでおります。議員も認めておられるように、一定の改善が図られてきているのも事実であります。県といたしましては、市の取組を引き続きサポートしていくとともに、着実に臭気改善が図られるよう指導してまいりたいと思います。 2つ目は、指導チームの中に環境局がいたのかと、環境の関係の職員がいたのかということについては、農林水産部と環境関係の職員が指導チームの一員としてこれまでも参画をして、本事案に対する市の取組をサポートしてきたところであります。 最後に、3つおっしゃられたインフラ整備でございますけれども、この整備の重要性、これは私も認識をしておりますけれども、それぞれやはり条件があります。 上越新幹線の空港乗り入れについては、従来の方針どおり、早期の検討開始に向けて、まずは空港利用者の増加に努めるということ。 白新線の複線化について、これはこれまでもJR東日本に働きかけてきておりますので、引き続き働きかけてまいりたいと思います。 最後に、臨海鉄道の復活ということにつきましては、今年度、潜在需要調査をしておりますので、その調査結果を踏まえつつ、検討してもらいたいと思います。 ○副議長(楡井辰雄君) 質問の前に佐藤浩雄君に申し上げますけれども、簡潔に。   〔佐藤浩雄君登壇〕 ◆佐藤浩雄君 御答弁ありがとうございました。 上中山の豚舎の悪臭問題、主管はまさに新発田市、そのとおりでございます。しかし、勧告を出すときの、例えば今回の第4次勧告も、県が紹介した環境アドバイザーが出した数値を、それをそのまま引き受けて第4次勧告にしているのです。 したがって、県の指導によってしか勧告は出ていないのです。この第4次勧告が今、県の資料によれば、4.5キロの菌床、それで頭数も半分です、5,000から6,000。ここまで落としてもまだ臭気度13、14出ているのです。 ○副議長(楡井辰雄君) 佐藤浩雄君に申し上げます。 再質問は、さきの質問に対する答弁をただすものでありますので、質問の内容を簡潔明瞭に述べてください。 ◆佐藤浩雄君(続) はい。分かっています。 したがって、知事は今、指導していきたいというふうに言ってくれましたので、指導を早くやって、とにかく28、29の臭気度を13、14まで下げる技術を県の指導部は持っているわけです。それで、そういうことによって大きく改善されて、地域の人たち、上中山の人たち、みんな喜んでいるわけです。 そこまで来たのですから、もう一歩、あと2ポイントか3ポイント下げてくれれば問題なくなるわけですので、ぜひその改善の中身を、技術を、新発田市に指導していただくと。知事は、指導すると言っているわけですから、指導していただいて、やっていただきたいということなのです。それをぜひお願い申し上げます。 もう一つは、永続発展地帯のエネルギーとあれをつくるということと同時に、したがってそれに合わせて、この食糧危機の今、我が県が食料を充実をさせて…… ○副議長(楡井辰雄君) 佐藤浩雄君、時間が超過しております。結論を急いで。 ◆佐藤浩雄君(続) エネルギーをしっかりと蓄えていくというか、つくっていくということと同時に、それが世界に向けてアピールできるように、空港乗り入れ、あるいは臨海鉄道の復活、白新線の複線化、数値を、例えば空港乗り入れは135万人に達するのを待つのではなくて、その施設を造ることによって135万人を実現すると、そういう位置づけの変更をやって、前向きにそれは捉えるべきだと思っているのです。 そういうふうにすれば、臨海鉄道の復活も、もう即、知事の判断によってできると私は思いますので、ぜひそういう前向きな決断をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 佐藤議員にお答えをしたいと思いますが、内容的には累次にわたってこの本会議でも連合委員会でも御質問いただいていることでありまして、お答えとしては同じになりますが、1つ勘違いされておられる点だけ。 先ほど私、指導してまいりますと申し上げたのは、事業者が自ら今いろんな臭気低減対策に取り組んでいるので、その事業者に対して積極的に指導・助言を行っていくと申し上げたので、市については、市の取組を引き続きサポートしていくというふうに申し上げております。 何度も申し上げますが、悪臭防止法の指導権限、主管しているのは新発田市であり、新発田市がこれまでも、県の技術的助言はありますけれども、新発田市が主体的に判断してきているということは間違いございませんので、そこは幾ら県が技術的助言をしたとしても、判断するのは新発田市でございます。 そして最後に、インフラの整備の話は、これはもう御質問ではなくて議員の要望ということでお話を承りたいと思います。 ○副議長(楡井辰雄君) 佐藤浩雄君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後3時7分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後3時25分 開議 ○議長(小島隆君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、渡辺和光君の発言を許します。渡辺和光君。   〔渡辺和光君登壇〕(拍手) ◆渡辺和光君 無所属の渡辺和光です。通告に従い、順次質問いたします。 まず、北朝鮮に関わる課題対応についてです。 横田めぐみさんが中学校から帰宅の途中、北朝鮮に拉致されてから本年11月15日で45年が過ぎました。そして、政府認定の拉致被害者17人のうち、蓮池薫さん夫妻ら5人が北朝鮮から帰国して10月15日で20年が過ぎました。この間、拉致問題の解決は進展せず、一人の帰国も実現していません。 2011年に北朝鮮最高指導者が交代。新体制となり、拉致問題対応への変化も期待されましたが、拉致について北朝鮮は解決済みと強弁し続け、最近では北朝鮮サイドから拉致の言葉は全く聞かれません。 それどころか、国際社会から孤立を深め、対話の糸口すらつかめず、ミサイル発射や核実験での挑発を繰り返し、解決は一層遠のいている状況にあると言えます。 政府は、拉致問題を最重要課題に掲げますが、近年は一向に進展が見られず、拉致被害者家族が高齢化する中、一刻の猶予も許されない状況です。拉致問題の解決に向けた環境づくりを早急に行う必要があると考えます。 そして、こうした状況を改善させ、膠着状態を打開するためには国際社会の協力が不可欠です。北朝鮮が拉致したのは、日本人に限らず、韓国をはじめ、被害者は疑いのある事案も含めると、アジア、欧州など10か国以上に及びます。 日朝首脳会談の早期実現を見据え、関係国とも緊密な連携を図り、国連を中心に国際社会の圧力を強めていかなければなりません。関係国政府からの協力を得ながら、交渉に向けた機運をつくり出し、国の主体的な取組により、日朝首脳交渉を早期に実現し、拉致問題の全面解決に当たるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、拉致問題への関心についてですが、進展しない拉致問題と横暴な態度を取り続けている北朝鮮に、国民の意識が、諦め、無関心になってはいないのか気がかりです。 全員帰国の障害はもちろん、拉致した当事国にあります。しかし、それを動かすには、日本国内の世論の高まりが不可欠です。関係者だけが声を上げるだけでは十分とは言えません。拉致被害を自分のことと捉え、被害者帰国から20年を迎えた今だからこそ、声を上げる必要があると考えます。 そして、この点については自治体の取組も重要となってきます。本県において拉致問題の解決に向けた取組は、先月行われた県民集会や、パネル展の開催などの啓発活動や、政府への要望活動などを行っていると認識していますが、拉致被害者の帰国から20年を迎え、拉致問題解決の機運が高まっている今こそ、本県としてさらに取組を強化し、県民意識の向上や政府への働きかけを一層進めていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。 昨年8月、県内全30市町村長の参加による、北朝鮮による拉致問題に関する新潟県市町村長の会が設立されました。県がリーダーシップを取り、しっかり連携を図っていく必要があると考えますが、北朝鮮による拉致問題に関する新潟県市町村長の会と県とのこれまでの連携と今後の取組について伺います。 北朝鮮人権法は、平成18年6月に、拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律として制定され、第3条で、地方公共団体の責務として、地方公共団体は、国と連携を図りつつ、拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題に関する国民世論の啓発を図るよう努めるものとすると規定しています。 拉致問題は、我が国の喫緊の国民的課題であり、国民がこの問題について関心と認識を深めていくことが大切です。 そのため、県民と接する機会の多い本県職員が率先してブルーリボンを着用することは、拉致問題解決に向けた県の姿勢を広く県民に知っていただくとともに、世論喚起を図る意味においても非常に重要であると考えます。 このため、全職員に対するブルーリボンの着用について協力を呼びかけてはどうかと考えますが、知事の所見を伺います。 また、市町村及び県民に対する協力の呼びかけも必要と考えますが、所見を伺います。 次に、弾道ミサイルへの対応についてです。 11月3日、北朝鮮が発射した弾道ミサイルに対し、政府は全国瞬時警報システム、Jアラートを発令し、宮城、山形、新潟の3県を対象に、頑丈な建物の中や地下に避難するよう呼びかけました。住民の不安を招き、JR在来線、上越新幹線などが一時運転を見合わせる事態ともなりました。 しかし、避難を呼びかけたとき、既にミサイルの通過予想時刻を過ぎており、実際には飛翔体は日本海上空で消失し、太平洋側に通過したと見られるとの続報も後に訂正されました。 Jアラートの信頼性を確保することは、適切な住民の避難行動につながるため、誤発信についての原因を徹底究明し、早期の改善が図られる必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 北朝鮮によるミサイル発射やロシアのウクライナ侵攻など、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増している中で、本県の国民保護の取組について伺います。 県民の安全で幸福な生活と自由で平和な社会が維持され、国において諸外国との友好に努め、一層の外交努力が払われることが重要と考えます。しかしながら、万一、武力攻撃事態等に至った場合には、国民保護計画に基づき、国の基本方針に沿って警報や避難措置の指示等の情報伝達、県の区域を越えた住民避難を要する場合の他県との調整などを実施し、住民の生命、身体及び財産の保護に取り組んでいく必要があります。 特に、今年に入って北朝鮮による弾道ミサイルが高い頻度で発射されています。弾道ミサイルについては、短時間での着弾が予想され、住民への迅速な周知はもとより、安全な避難場所への避難指示及び身近な避難施設の確保が重要です。 そこで、県内での緊急一時避難施設及び避難施設で有効とされる大規模地下施設の指定状況について伺います。 また、国において、令和3年度から5年間を集中的な取組期間として、緊急一時避難施設の指定を推進していく方針が示されており、本県においても市町村と連携しながら、人口に対するカバー率の低い市町村の指定を推進していく必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 また、弾道ミサイルを想定した訓練については、警察、消防、海上保安庁、自衛隊、公共交通機関等の各関係機関が参加する住民避難に軸足を置いた実動訓練を実施し、各関係機関との連携を強化していく必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 次に、エネルギー政策と脱炭素の取組について伺います。 まず、新たなエネルギー政策への対応についてです。 ロシアのウクライナ侵攻から10か月がたち、この間、液化天然ガスや原油等の資源を海外に依存する日本では、エネルギー安全保障の脆弱さが浮き彫りになりました。 資源価格の高騰で、国内の電気、ガス料金は大幅に値上がりし、家計を直撃しています。火力発電所の燃料となる資源の調達環境も不透明さを増し、今冬は電力需給逼迫が深刻化するおそれがあります。 1973年の石油危機以来のエネルギー危機が危惧される極めて緊迫した状況にあり、今後の電力の安定供給に向けた長期戦略の策定は、今後の日本の成長を左右する極めて重要な作業となります。 岸田首相は、GX実行会議において、次世代革新炉の開発・建設、原子力発電所の運転期間延長、新規制基準の設置許可審査に合格している原子力発電所7基を、来年夏以降に追加で再稼働させることについて、検討する方針を示しました。 現下の電力需給逼迫や電気料金高騰など、社会的要因も背景にありますが、政府がこの方針を出したことは評価すべきことと考えます。 エネルギー安全保障は、国家の安全保障そのものであり、原子力政策も含め、国がリーダーシップを取り、科学的な根拠に基づき活発な議論を行い、夢や希望を持てる日本の将来像を国民に示すべきと考えます。 将来にわたり、日本を持続的に成長、発展させていくためには、安定した電気と低廉な価格の電気が必要となります。エネルギー安全保障では、再生可能エネルギーはもちろん、原油、液化天然ガス、石炭、原子力、水素、蓄電池など、可能な限り多くの選択肢を持ち、脱炭素を進めながら、その中で最適なバランスを選択し、経済の根幹であるエネルギーの安定供給を維持しなければなりません。 電力の安定供給の確保と国民生活の安定、さらに脱炭素社会を実現する現実的なエネルギーという視点に立てば、当面原子力を選択肢から外せないものとも考えます。 エネルギー安全保障上の価値を冷静かつ丁寧に国民に伝え続け、国民の理解を得る努力をしていく必要があると考えますが、国の新たなエネルギー政策の方針について、知事の所見を伺います。 次に、2050年カーボンゼロに向けた取組についてです。 本県においては、2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指し、本年3月、新潟県2050年カーボンゼロの実現に向けた戦略を策定しました。 2050年の脱炭素社会の実現に向けては、自然災害の頻発化に加え、県内企業の振興や企業立地、さらには農作物の生産など、県民生活への影響をできるだけ抑えるため、早急に取り組んでいく必要があるとしています。 そこで、野心的目標実現に向けた重点施策として、業務部門では、県有施設の太陽光発電設備等の導入に取り組むこととしており、県が率先して導入することは非常に重要であると考えますが、これまでの県の庁舎等における太陽光発電設備の導入実績について伺います。 また、県の庁舎等における太陽光発電設備の導入拡大に向けた今後の取組を伺います。 本県は、森林資源が豊富であるものの、十分に活用されているとは言い難い状況にあります。このため、人工林の高齢化が進み、CO2吸収能力が低下しており、吸収源としての機能を向上させていく必要がありますが、森林吸収源対策にどのように取り組んでいくのかお伺いします。 産業部門は、特定事業所からのCO2排出量が多くを占めていますが、サプライチェーン全体での脱炭素化が進んでいることから、特定事業所以外の中小企業に対する脱炭素化への支援も重要と考えます。県では、中小企業の脱炭素化に向けてどのように取り組んでいくのか伺います。 運輸部門では、温室効果ガス排出量の約20%を占め、この大部分を自動車からの排出が占めています。県では、排出削減に向け、次世代自動車の普及に取り組むこととし、令和3年度に行動計画を改定していますが、次世代自動車普及に向けた課題についてどのように分析しているのか伺います。 また、普及促進に向けた取組の方向性についてお伺いします。 次に、水素エネルギーについては、カーボンゼロを実現する鍵として大いに期待をされておりますが、水素ステーションの整備や水素関連産業の育成、FCV等の利活用促進策について、これまでの実績と評価を伺います。 これまでのエネルギー政策は、再エネ、SMR、水素等エネルギー供給側の議論が中心でありましたが、日本で遅れているのは、エネルギーの需要側、使い方の転換であると言われており、脱炭素の取組でも着実な省エネ対策が重要と考えます。 家庭部門においては、住宅の二重窓・樹脂サッシ化、電気温水器のエコキュート化等、産業部門では、低中温域熱供給ヒートポンプ化、製造ラインの電源管理最適化などの需要側の対策によって、一定程度の温室効果ガス排出削減につながるという試算もあると聞いています。 国や民間によるエネルギー供給側の技術革新も重要ですが、県としては、既存技術で低コストで確実なメリットがある、需要側の取組を着実に進めるべきと考えますが、家庭部門や産業部門の省エネの推進について、知事の所見を伺います。 次に、新潟空港・新潟港による拠点性向上についてです。 新潟空港を拠点に各地の拠点空港を結ぶ地域LCCのトキエアが来春以降の就航を目指し、準備が進められており、新潟空港の活性化や新潟県全体の経済活性化につながっていくと期待が寄せられています。 知事は、11月16日の定例記者会見で、開業40周年を迎えた上越新幹線の空港乗り入れについて、空港利用者が一定の数に達した時点で検討を始めるという、過去の検討時の整理に従いたいと述べられました。 上越新幹線の空港乗り入れについては、新潟空港活性化についての目玉とも言える、トキエア就航の効果による成果の成否が鍵を握ってくるとも考えますが、知事の所見を伺います。 上越新幹線空港乗り入れについては、新潟港の将来構想にも関連してくると思いますので、確認をいたします。新潟港将来構想は、平成26年8月に策定され、新潟港の15年後、30年後のビジョンが示されています。平成26年ですから、この間約8年が経過しており、15年後の姿までは半分が過ぎていることになります。 西港区の15年後の空間利用計画について、その進捗状況についてお伺いします。 また、新潟港将来構想の30年後のビジョンでは、新潟空港沖に佐渡汽船フェリーを移転集約し、新幹線を乗り入れる総合交通ターミナル案と、臨港埠頭地区の物流機能を東海岸沖合に移転し、その跡地に佐渡汽船、新日本海フェリーを移転集約させるフェリー機能港口部展開案との2つの案を作成していますが、現時点での可能性及び方向性について所見を伺います。 次に、賃金の引上げについてです。 総務省によると、10月の全国消費者物価指数は、前年同月比プラス3.6%、前月は同プラス3.0%の上昇で大きな伸び率となっていますが、政府が目指す景気拡大や賃上げなどに牽引された物価上昇にはなっておらず、家計の負担感は強まっています。 民間調査会社によりますと、飲料品や食品の10月の値上げ品目数は、今年最多の約6,700品目に上り、原材料高や円安進行を受け、平均値上げ率は14%にもなっています。 県内のスーパーや小売店では、値上げ予定品目を店内で告知するとともに、経費削減などで販売価格を抑える対策を取る店舗もあり、飲食店でも価格転嫁する動きがありますが、既にこれまでに値上げをしており、再度の価格改定を見送る店舗も少なくなく、苦しい経営を迫られています。 そこで、長引く物価上昇を乗り切る一番の策としての賃金の引上げが求められています。大企業の多くは、好調な業績を維持、拡大しています。特に輸出型企業は、円安により収益を増加させている企業が多く、企業の責任として賃上げを積極的に実施すべきと考えます。 賃上げにより消費を増やし、他の企業の利益を押し上げることで、さらに賃上げの輪が広がる好循環をつくり出す必要があると考えます。賃金の引上げの必要性と効果について、知事の所見を伺います。 また、こうした賃金引上げの流れに、本県の企業のうち9割以上を占める中小企業、小規模事業者がしっかりとついていけるように、様々な面で後押しをしていく必要がありますが、県内の中小企業、小規模事業者の中には、物価高、資源高などのコスト増を価格転嫁できていない企業も多くあり、特に下請企業がコスト増を販売価格に組み込めるような支援策が必要と考えます。知事の所見を伺います。 また、最低賃金の引上げについても、厚生労働省において業務改善助成金という支援メニューが提供されており、生産性を向上させ、事業場内での最低賃金の引上げを図る中小企業、小規模事業者を支援しています。 県内の中小企業、小規模事業者が厳しい状況の中でも、しっかりと最低賃金の引上げに対応できるよう、国の支援策である業務改善助成金の活用促進に向け、県としても対応すべきと考えますが、所見を伺います。 次に、投票率向上対策についてです。 本年5月に行われた新潟県知事選挙、7月の参議院選挙、新潟市では10月に市長選挙がありました。 知事選挙の投票率は49.64%、2018年を8.61ポイント下回りました。 参議院選挙は、激戦区として全国的に注目されたことに加え、投開票日が間近に迫る中で安倍元首相の銃撃事件が発生し、有権者の選挙の関心が一定程度高まったと見られましたが、前回の投票率と大きな変化はありませんでした。 新潟市長選挙に至っては投票率32.1%と、政令市移行後で過去2番目に低い結果となりました。 民主主義の根幹の一つである選挙に、有権者の過半数が参加していない状況については、問題意識を持たなくてはならないと思います。最近行われた選挙における投票率について、知事の所見を伺います。 次に、来春の統一地方選挙に向けて伺います。 利用が増えている期日前投票所について、長岡市、新発田市、上越市では、人が多く集まる商業施設に設置しているほか、柏崎市では自動車に投票機材を積んで、時間を決めて移動する、移動期日前投票所を設置しています。 こうした有権者の投票の利便性向上に資する先進的な取組を、他の市町村でも導入すべきと考えますが、所見を伺います。 総務省の調査では、2021年の衆議院議員総選挙で全国1,741自治体の半数を超える1,064自治体が、投票済証明書を発行したとしています。 各種店舗や商店街などで投票済証明書を持参したお客さんに対し、割引サービスを行っている事例があり、投票率向上や地域活性化につながることが期待できると考えますが、そうした投票済証明書の利用に対する所見を伺います。 低投票率は、特に10代、20代、30代の若い世代が、他の世代に比べてその傾向が顕著となっています。若者には、SNSやインターネットによる情報発信など、啓発効果が高いものと考えますが、こうした若者に対する選挙時啓発の取組状況について伺います。 県政の諸課題について伺います。 まず、人口減の安定化に必要な定住促進についてです。 11月20日の新聞報道によれば、全国の人口減少問題の研究を行う、持続可能な地域社会総合研究所が、最新の国勢調査を基に新潟県人口の将来予測を分析した結果、現状のまま対策を打たなければ、2050年には、2020年比で36%減の141万人になるとの分析結果を明らかにしました。 また、女性の県外流出が少子化に拍車をかけるとし、女性の県内定住を重点的に進める必要性を指摘しています。 持続可能な地域社会総合研究所の分析結果についての所見を伺います。 また、昨年度の移住相談件数が前の年度を大幅に下回り、隣接する長野県、福島県との差も大きくなっていますが、要因と対応を伺います。 次に、新型コロナウイルス感染症への対応についてです。 新型コロナウイルス感染症は、2年連続で年末から年明けにかけて拡大しています。今冬は、そこに季節性インフルエンザ感染が重なる同時流行のおそれもあり、特段の警戒が必要です。 気がかりなのは、対策の柱である新型コロナワクチンの4回目接種の接種率が、60歳未満で低調との報道がありました。感染拡大を食い止めるには、子供や幼児用を含めたワクチンの種類や効能を県民に丁寧に説明し、接種率を引き上げることが重要だと考えます。 接種状況の現状と情報発信の強化の必要性について所見を伺います。 次に、自殺対策についてです。 厚生労働省がまとめた自殺対策白書によりますと、2021年の自殺者はコロナ禍前の2019年を上回るなど、感染拡大が続く中で高止まりしており、政府は5年ぶりに見直した自殺総合対策大綱で、非常事態はいまだ続いているとの危機感を示しています。 本県での自殺者数は、近年減少傾向にありましたが、感染症の影響などにより、2021年では前年よりも増加し、人口10万人当たりの自殺死亡者が19.8と、全国平均16.5を上回っています。とりわけ女性と10代、20代の若者が増加をしています。 命に関わる悩みは、幾つもの原因が重なっていることが多く、悩みに応じ様々な支援策を提示できる相談窓口のほか、若い世代には支援する側から働きかけをすることが必要であり、官民が協力してSNSなどを活用して相談に応じ、居場所づくりにも努めるべきと考えます。 自殺総合対策大綱の見直しを踏まえ、本県の取組の力点をどのように考えているのか伺います。 最後に、今年の明るい話題の一つであります、アルビレックス新潟J1昇格について伺います。 アルビレックス新潟は、2022シーズンの今季、J2リーグ優勝を成し遂げ、来季は2017年以来、6シーズンぶりに日本サッカー最高峰のJ1でプレーすることになります。多くの県民にとって待ちに待った悲願の達成です。選手やスタッフの努力をたたえ、喜びたいと思います。 今季は、6月までデンカビッグスワンで10連勝し、ホームでの強さが際立ちました。これは、多くの県民サポーターの応援により、選手たちにさらなる力を与え、チームの快進撃を後押ししたものと思います。 来季は、国内トップクラスの選手を擁するチームとの対戦となります。 専門家の試算によりますと、J1昇格による新潟市の経済効果は、J2時代よりもプラス20億円との報道もありました。全市町村がホームタウン化されており、新潟市以外でも県内全市町村に経済効果が生まれることも見込めます。何より一つでも順位を上げて、地域に活力を与えてほしいと願うものであります。 そこで、県民チームとして、しっかり本県としてもサポートをしていくべきと考えますが、知事の所見を伺い、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 渡辺議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、拉致問題の解決に向けた国の取組についてでありますけれども、議員御指摘のとおり、拉致問題の解決に向けた進展が見られない中、拉致被害者の御家族は御高齢となり、もはや一刻の猶予もありません。 日本国民を救出することができるのは、日本国政府しかありません。 政府においては、日朝首脳会談の実現も見据え、引き続き、国際社会との緊密な連携の下、北朝鮮への直接の働きかけを含め、あらゆる可能性を探りながら事態を打開し、全ての拉致被害者の一日も早い帰国に結びつけていただきたいと思います。 次に、拉致問題の解決に向けた本県の取組についてでありますが、県ではこれまでも、県民集会をはじめ、パネル展、大学生やPTA向けのセミナーなど、あらゆる世代に向けた啓発活動を行ってまいりました。また、知事の会等による国への要望に加え、今年度は国会議員来県の機会を捉え、拉致問題の早期解決に向けた取組をお願いしたところです。 しかし残念ながら、この20年間、拉致問題解決に向けた具体的な進展は見られません。 県としてできることに限りはありますけれども、引き続き、県民世論の喚起や国への要望にしっかり取り組むことで、拉致問題に係る政府の外交交渉を後押ししてまいります。 次に、ブルーリボンの着用についてでありますが、議員御指摘のとおり、ブルーリボンの着用は、拉致問題についての県民の関心を深め、解決に向けた姿勢を示す取組として大変意義深いものであると考えています。 県では、定期的に職員に対しブルーリボン着用を呼びかけるとともに、日頃より、啓発活動やパンフレット・チラシのほか、県のホームページやSNSなどを活用しながら、広く着用の協力依頼を行っているところです。 今後も引き続き、県や市町村職員、県民の皆様から、拉致被害者の救出を願う気持ちを示していただくため、ブルーリボンの着用を呼びかけてまいりたいと思います。 次に、Jアラートの改善についてでありますが、議員御指摘のとおり、Jアラートは、住民へ弾道ミサイル発射などの情報を瞬時に伝達するため、有効な手段であることから、その信頼性を確保することが重要であると認識しています。 Jアラートの改善については、国において、システム改修も含めた対応を検討していると聞いており、原因究明も含め、迅速かつ着実に取り組んでいただきたいと考えています。 次に、緊急一時避難施設の指定の推進についてでありますが、これまで県では、市町村に対し、国民保護に関する研修会を開催するなど、指定に向けた取組を行ってきたところです。 一方で、議員御指摘のとおり、人口に対する緊急一時避難施設のカバー率が100%に満たない市町村があることから、今後、これらの市町村のカバー率を向上させていくことが重要であると認識しています。 県といたしましては、令和3年度からの5年間を集中的な取組期間とする国の方針に基づき、これらの市町村に対して積極的な働きかけを行うなど、国、市町村と連携し、カバー率の向上に努めてまいりたいと考えています。 なお、緊急一時避難施設及び大規模地下施設の指定状況につきましては、防災局長からお答えをいたします。 次に、弾道ミサイルを想定した訓練における関係機関との連携強化についてでありますが、県民の安全・安心の確保が重要であることから、県では、11月1日に内閣官房、消防庁、粟島浦村と共同で、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を実施したところです。 住民避難訓練については、議員御指摘のとおり、警察、消防、海上保安庁、自衛隊、公共交通機関などの関係機関の参加が重要であると認識しており、県といたしましては、今後、これらの関係機関と調整しながら、住民避難訓練を実施してまいります。 次に、エネルギー政策と脱炭素の取組についてお答えをします。 まず、国の新たなエネルギー政策の方針についてでありますが、御指摘の件は、グリーントランスフォーメーション、いわゆるGXを実行するべく、必要な施策を検討するための会議で出されたものであり、脱炭素に向けた日本のエネルギー政策は、国において安全性を大前提に、安定供給、経済性、環境適合の同時達成を目指して決定されるべきものと考えています。 いずれにいたしましても、国はエネルギー政策について、国民に分かりやすく丁寧に説明していただきたいと思います。 次に、森林の吸収源対策についてでありますが、高齢化により成長が衰えた森林のCO2吸収能力を向上させるためには、切って、使って、植える循環型林業により、森林の若返りを図っていくことが重要ですが、主伐後の再造林経費等の負担が大きいことや、林業経営の収入減となる木材の需要確保などに課題があると認識しています。 このため県では、低コスト化につながる造林手法の導入を支援し、その成果を普及することで、再造林経費等の低減を図ることとしております。 あわせて、つなぐプロジェクトにより、川上から川下までの安定的な木材の供給体制を構築するとともに、県産材利用の意義についての県民理解の促進や、住宅などでの県産材利用の支援により木材の需要拡大を図ることで、循環型林業を推進し、森林の吸収能力を高めてまいりたいと考えています。 次に、中小企業の脱炭素化に向けた取組方針についてでありますが、カーボンゼロを実現するためには、大企業のみならず中小企業の排出量削減も着実に進めていくことが必要であり、議員御指摘のとおり、世界的にサプライチェーン全体での脱炭素化が求められていることからも、中小企業の取組を促進する必要があると考えています。 その一方で、中小企業においては、人材や資金など経営資源に制約があることから、その対応には多くの課題があるものと認識しています。 このため、県といたしましては、本年10月に金融機関、商工団体、市町村などと事業者支援脱炭素推進プラットフォームを立ち上げたところであり、セミナーの開催や、支援制度に関する情報発信を行うとともに、引き続き、県内中小企業の自家消費を目的とした再生可能エネルギーの導入や、設備の省エネ化による脱炭素化の取組を支援してまいります。 次に、家庭や産業部門などにおける省エネの推進についてでありますが、脱炭素社会の実現に向けては、議員御指摘のとおり、省エネの推進は重要と考えており、県の戦略では、省エネ・省資源によるCO2の削減の取組を、重点的に取り組む4つの柱の1つに位置づけ、推進しております。 具体的には、家庭部門において、住宅の省エネ・ゼロエネルギー化に向けた新潟県版雪国型ZEHの普及促進などに取り組むほか、産業部門では、県内中小事業者の省エネ設備の導入支援などに取り組んでおります。 引き続き、情報発信や普及啓発なども含め、家庭や産業部門における省エネの取組を推進してまいります。 次に、新潟空港・新潟港による拠点性向上についてお答えをいたします。 上越新幹線の空港乗り入れについてでありますが、議員御指摘のとおり、トキエア就航の効果により、50万人規模の利用者が想定できることから、今後、コロナの状況が落ち着き、トキエアの路線が順次開設されていけば、そう遠くない将来にも目標値の135万人は達成できるのではないかと期待をしております。 引き続き、従来の方針を踏まえ、路線ネットワークの強化などにより、空港利用者の増加に努めてまいります。 次に、賃金の引上げについてお答えをします。 まず、賃金引上げの必要性等についてでありますが、議員御指摘のとおり、企業収益の拡大を賃金の上昇につなげ、それにより消費が拡大することが重要であるとともに、昨今の物価上昇を十分にカバーするためにも、継続的な賃金引上げが必要となります。また、賃金引上げによる処遇の改善は、県内企業の課題である人材確保にも効果があるものと考えています。 そのため、県といたしましては、県内企業に対し、賃金引上げと、税制や助成金など支援策の活用を呼びかけており、私自身からも、先般、経済団体に対して賃金の引上げを直接要請したところです。 こうした取組と併せて、引き続き、意欲ある企業の挑戦を後押しするなど、県内企業の収益拡大を図ることにより、賃金の上昇に向けた環境を整えてまいりたいと考えております。 次に、増加コストの価格転嫁に向けた支援についてでありますが、原材料価格等の高騰は、県内企業に幅広く影響を及ぼしていることから、これを適切に価格へ転嫁することにより、サプライチェーン全体で負担していくことが、中小企業や小規模事業者の経営安定に重要であると認識しています。 そのため、県といたしましては、これまで、適切な価格転嫁に向けた協力を関係団体に要請するとともに、国と連携して設置した下請かけこみ寺などの相談窓口や、パートナーシップ構築宣言制度などの支援策について、県内企業への周知と活用促進に努めてまいりました。 また、受注事業者や商工団体の経営指導員を対象として、価格交渉促進セミナーを開催し、下請法の概要や価格交渉のノウハウなどを普及啓発しております。 今後とも、国や関係団体などと連携をしながら、価格交渉促進月間などの機会を捉えて、適切な価格転嫁の促進に努めてまいります。 次に、投票率向上対策についてお答えします。 最近行われました選挙における投票率についてでありますが、投票率は、選挙時の政治状況や、有権者の政治的関心の度合い、選挙の争点や当日の天候など様々な要因が総合的に影響するものと考えられますが、これまでの国政選挙における国の意識調査によれば、棄権理由として最も多かったのは、選挙にあまり関心がなかったからとなっており、政治への関心の低下が背景にあるとすれば課題であると感じています。 選挙は民主主義の根幹をなすものであり、県民の皆様には、政治や行政を自分事として関心を寄せ、一人一人の1票が政治や行政を変えていくことにつながるという意識を持つことが重要であり、より多くの方から投票していただきたいと考えています。 次に、県政の諸課題についてお答えをします。 アルビレックス新潟に対する支援についてでありますが、このたびのアルビレックス新潟のJ2優勝・J1昇格について、改めてお祝いを申し上げたいと思います。 アルビレックス新潟は、多くの県民が応援をしている、新潟を代表するスポーツチームであり、県内全市町村をホームタウンとし、御当地応援選手の活動などを通じて、ファン層の拡大に取り組まれていると承知しています。 県といたしましては、これまでも、アルビレックス新潟と連携し、小中学生などを対象としたスポーツ教室の開催や観戦機会の提供などに取り組んできたところであり、今後も、スポーツの振興とともに、アルビレックス新潟のファン層の拡大に資する取組を実施してまいりたいと考えております。   〔知事政策局長森永正幸君登壇〕 ◎知事政策局長(森永正幸君) 2点お答えいたします。 北朝鮮による拉致問題に関する新潟県市町村長の会との連携と今後の取組についてでありますが、市町村長の会の設立後は、共催によるパネル展や映画「めぐみへの誓い」の上映会の開催など、様々な啓発活動において連携して取組を進めているところです。また、先月開催いたしました県民集会には、市町村長の会の協力により、2万1,000筆を超える署名をいただき、さらに、多くの市町村長や幹部職員の皆様から御参加いただきました。 県としましては、今後とも引き続き、様々な取組に市町村長の会から関わっていただき、県民の拉致問題への関心を高め、理解を深める取組を進めてまいりたいと考えております。 次に、持続可能な地域社会総合研究所による本県人口の将来予測についてでありますが、これは、国勢調査の結果を基に同研究所が独自に推計したものと承知しており、県が何も対策を打たないという仮定の下ではありますが、非常に厳しい予測結果であると受け止めております。 一方、本県でも、本年4月に改定した県総合計画において、国立研究機関の将来推計人口を基に、足元の人口動態を反映した今後の人口見通しを示しており、2045年には約159万人まで減少すると推計しております。 同研究所の推計手法が明らかにされておらず、単純な比較は困難ですが、当研究所の2045年の推計人口は約155万人となっており、本県の推計とおおむね同様の傾向を示していると認識しております。 また、女性の県内定住を重点的に進めるべきとの指摘についても、重要なものと認識しており、子育てしやすい環境づくりや、女性が働きやすい魅力ある雇用の場の創出など、女性に選ばれる新潟となるために取組を推進してまいります。   〔環境局長玉木有紀子君登壇〕 ◎環境局長(玉木有紀子君) お答えをいたします。 県庁舎等における太陽光発電設備の導入実績及び導入拡大に向けた取組についてでありますが、県有施設では、これまで県庁本庁舎をはじめ9施設10か所に太陽光発電設備が導入されています。 議員御指摘のとおり、県の脱炭素戦略では、県有施設への太陽光発電等の整備を重点施策の一つに掲げており、今年度、佐渡地域振興局庁舎に新たな設備の導入を進めております。 さらなる導入拡大に向け、現在、各施設の詳細な条件について調査、検討を進めながら、民間事業者の設置により初期費用低減が見込まれるPPAモデルを含む導入手法の比較検討などを行っており、設置可能な施設に順次導入を進めてまいります。   〔防災局長原直人君登壇〕 ◎防災局長(原直人君) お答えします。 緊急一時避難施設及び大規模地下施設の指定状況についてでありますが、緊急一時避難施設については1,346か所、そのうち、大規模地下施設については2か所を指定しております。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 2点お答え申し上げます。 新型コロナワクチンの接種の現状と情報発信の強化の必要性についてでありますが、本県における4回目接種率は、60歳以上及び60歳未満のいずれも全国平均より高く、全国でもトップクラスの状況にありますが、60歳未満の接種率は、60歳以上と比較するとかなり低い状況にあります。 また、5歳から11歳までの小児の3回目接種率についても、全国平均より高いものの、こちらも低い状況にあります。 議員御指摘のとおり、感染拡大防止のためには、ワクチン接種は重要であることから、情報発信の強化は必要であると考えております。 県といたしましては、SNSを活用した情報発信なども活用しながら、ワクチン接種の有効性やオミクロン株対応ワクチンの接種のメリットなどの情報を広く県民に周知を行うとともに、ワクチン接種加速化センターでの若年層が接種しやすい時間帯の接種機会の提供など、引き続き市町村とも連携しながら、接種率の向上に力を入れて取り組んでまいります。 次に、自殺対策の取組についてでありますが、本年10月に策定された国の新たな自殺総合対策大綱においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえた対策の推進や、女性の自殺対策のさらなる推進が、重点施策等に加えられたところです。 本県の自殺者数は平成21年以降、毎年減少を続けてきたところですが、令和2年、3年は前年より増加しており、新型コロナウイルス感染症流行により、自殺の背景にある様々な問題が深刻化しているものと受け止めております。 この間、県では、感染症の影響で、不安等を抱えた方々への相談窓口の設置や、専門家による相談会の開催、こころの相談ダイヤルの周知などに取り組んでまいりました。 一方、本県の自殺者の状況としては、依然として働き盛り世代の男性や高齢者が大きな割合を占めていることから、支援関係者との連携をさらに深めながら、引き続き、これら自殺の多い世代に対する対策の強化を図ることが重要と考えております。 また、若年者の自殺者数はほかの世代に比べれば少ないものの、その後の生涯にわたる発生予防につながること等からも、若年層からの自殺予防対策の必要性も非常に大きいと認識しており、議員御指摘のとおり、SNSを活用した取組も重要だと考えております。 その対策として、国において民間団体に委託して、SNSなどによる相談窓口を設置しており、その中には、相談者の居場所づくりの取組を行っているところもあることから、県におきましては、そのような相談窓口等の情報を積極的に周知してまいります。   〔産業労働部長金井健一君登壇〕 ◎産業労働部長(金井健一君) 4点についてお答えいたします。 次世代自動車の普及に向けた課題と取組の方向性についてでありますが、令和3年度に改定した新潟県電気自動車等普及促進行動計画では、ガソリン車と比較して1回の充電での航続距離が短いことや、販売されている車種が少ないことなどが課題として挙げられております。 また、県では、これまで、次世代自動車の普及に向けて、防災に関連するイベントなどにおいて、展示・試乗会を開催し、災害時における非常用移動電源としての利用方法を紹介するなど、走行以外の機能もPRしつつ、認知度の向上に取り組んでまいりました。 この行動計画につきましては、今年3月に策定した新潟県2050年カーボンゼロの実現に向けた戦略を踏まえ、見直しを行うこととしており、さらなる普及促進策について検討してまいります。 次に、水素の利活用促進に向けた取組の実績と評価についてでありますが、本県に集積するエネルギー関連の技術やインフラを生かした水素エネルギーの利活用を進めるため、国・民間企業・関係自治体などで構成する協議会において、企業間連携を促進するとともに、水素の利活用を含むサプライチェーンの構築など、具体的な実証事業の実現に向けた支援を行ってまいりました。 県内でブルー水素製造及び利用の実証試験が開始されるなど、一定の成果が現れてきていると考えておりますが、引き続き、企業ニーズを踏まえ、新たな取組の促進に向けて積極的に支援してまいります。 また、FCV等の利活用につきましては、令和元年に本州日本海側で初となる民間水素ステーションの整備に合わせ、県としてもFCVを導入し、イベント等で展示を行うなど取組を行ってきたところであり、今後も、普及啓発に努めてまいります。 次に、業務改善助成金の活用促進についてでありますが、県では、これまでも、新潟労働局と連携を図りながら、様々な機会を捉えて最低賃金制度と各種支援策の周知に取り組んでまいりました。 議員御指摘の業務改善助成金につきましては、これまでの経済対策において、対象事業者の拡充や助成率の引上げなどが実施されましたが、本制度の活用により、県内中小企業等の最低賃金の引上げはもとより、設備投資や人材育成などの生産性向上に資する取組の拡大につながることを期待しており、県といたしましては、引き続き、支援策の周知徹底を図るとともに、賃金上昇に向けた環境づくりに努めてまいります。 次に、移住相談に関する調査結果についてでありますが、先日公表された総務省の調査結果によれば、本県の令和3年度の移住相談受付件数は、前年度の3分の2程度に減少しておりますが、これは、県が設ける3つの相談窓口の機能を統合し、ワンストップで対応を完結できるようにしたことによる受付件数の重複解消や、相談件数のカウント方法を実態に合わせて見直したことを主な要因と考えております。 本県への移住を促すためには、暮らしと仕事の両面からワンストップで支援する相談窓口を、さらに多くの方から活用していただくことが重要であり、今年度、窓口体制を強化し、大学を通じた学生への働きかけを積極的に行っております。 今後も、創意工夫による相談窓口の周知促進に努め、新規登録や、その後のU・Iターンにつなげてまいります。   〔交通政策局長佐瀬浩市君登壇〕 ◎交通政策局長(佐瀬浩市君) 2点お答えします。 新潟港将来構想における西港区の進捗についてでありますが、交流拠点ゾーンとした万代島地区においては、旧水産物荷さばき施設から多目的広場へのリニューアルやハジマリヒロバの開設などが行われました。 また、レクリエーションゾーンとした入舟地区においては、昭和61年度から開始された海岸整備事業が今年度完了することから、おおむね構想どおりの進捗となっております。 一方で、物流ゾーン及び物流・交流ゾーンとした山の下地区、臨海埠頭地区、東海岸地区、入舟地区においては、構想策定時に想定した貨物量から乖離してきており、具体的な取組には至っておりません。このため、引き続き関係企業の動向を把握するとともに、求められる港湾機能について整理してまいりたいと考えております。 次に、新潟港将来構想の現時点における可能性及び方向性についてでありますが、港湾機能を沖合へ移転集約するとした、議員御指摘の2案は、新潟港の拠点性向上はもとより、西港区の課題であるしゅんせつ量を削減する上でも重要ですが、移転に当たっては、民間事業者側にも応分の負担が伴います。 しかしながら、構想策定以降における港湾貨物量の減少とともに、足元では長引くコロナの影響を受け、佐渡汽船や新日本海フェリーなど、民間事業者の経営環境は総じて厳しいことから、沖合への移転集約の動きに至っておりません。 県といたしましては、構想の実現を念頭に置きつつも、引き続き、経済見通しや港湾貨物量の推移をはじめ、関係企業などの動向把握に努めてまいりたいと考えております。   〔選挙管理委員会委員長天井貞君登壇〕 ◎選挙管理委員会委員長(天井貞君) 3問についてお答えいたします。 投票の利便性向上に資する先進的な取組についてでありますが、県内では、商業施設等における期日前投票所の設置や、移動期日前投票所などの取組に加え、本年5月の新潟県知事選挙から、柏崎市が県内で初めて共通投票所を設置したところであります。 当委員会といたしましては、投票の利便性向上は重要と考えており、市区町村選挙管理委員会に対し、様々な機会を通じてこうした先進的な取組が広まるよう、情報提供するなど働きかけているところであり、引き続き、投票環境の向上に努めてまいりたいと思います。 次に、投票済証明書の利用についてでありますが、投票済証明書は公職選挙法上、特に規定はありませんが、主に、投票日に勤務のある方が職場の理解を得て投票へ行きやすいようにとの配慮から、市区町村の選挙管理委員会が、投票者から求めがあった場合に任意に交付するものと考えております。 この証明書につきましては、特定候補者のための買収や利害誘導などの選挙犯罪に利用されるおそれもあり、また、本来、投票は個人の自由意思によってなされるべきものであることから、当委員会といたしましては、御指摘の利用については、選挙啓発活動と分けて行う必要があるものと考えております。 次に、若年層に対する選挙時の啓発の取組状況についてでありますが、若年層の投票率は、他の年代と比べて低いものとなっており、若年層の投票率の向上は大きな課題と認識しております。 そのため、本年5月の新潟県知事選挙、7月の参議院議員通常選挙における選挙時啓発では、特に若年層を意識し、県内で活躍する同年代のタレント等をイメージキャラクターに起用して、LINEやインスタグラムといったSNSのほか、動画投稿サイト、ユーチューブなど、若者に身近なサイトを活用し選挙時啓発を実施したところであります。 当委員会といたしましては、来年4月の統一地方選挙に向け、引き続き、若年層からも選挙に関心を持っていただき、投票行動につながる取組を実施してまいりたいと考えております。 以上であります。 ○議長(小島隆君) 渡辺和光君の質問は終わりました。 次に、堀勝重君の発言を許します。堀勝重君。   〔堀勝重君登壇〕(拍手) ◆堀勝重君 無所属の堀勝重です。12月定例会に当たり、通告に基づきまして私からの一般質問をさせていただきます。 最初に、人口減少対策についてお伺いいたします。 本県では、県総合計画において、人口減少問題を県政の最重要課題として位置づけ、子育て支援や教育環境の充実、雇用の場の確保など、県政のあらゆる分野の政策を総動員し、人口の流入促進・流出抑制や出生率・出生数の増加につながる政策を重点的に進めてきたことと承知しております。 しかし、ここ数年の本県の人口推移を見てみますと、県総合計画の基準年である2016年が228万5,856人であったのに対し、以降毎年減り続け、2021年には217万6,879人となっており、現状ではこうした県の取組の効果が確認できる状況には至っていないと考えます。 人口減少問題は、一朝一夕には解決できない構造的な問題であり、その対策に特効薬はないものと私も認識しておりますが、現在までの取組の成果と評価及び今後の施策の方向性について、所見をお伺いいたします。 また、出生数の減少については、婚姻率の低下や晩婚化が大きな要因の一つとされていますが、子育てや教育にお金がかかり過ぎることこそが大きな要因であると考えます。 県が毎年実施する県民の意識・満足度アンケートによると、現実的に考えたときの子供の数が理想の子供の数を下回る理由について、経済的負担感を挙げる人が7割を占めております。 また、子育て世代の方々からも、複数の子供を持ちたいとは思っているが、子育て全般に費用がかかる上、特に大学等進学費用が高額であるため、断念せざるを得ないという声も多く聞こえております。 このような現状を鑑みますと、やはり子育てや教育にお金がかかり過ぎることが出生数の減少、ひいては人口減少の大きな要因ではないかと考えますが、子育てや教育に関する経済的負担感への対策について、知事の所見をお伺いいたします。 次に、行財政問題についてお伺いいたします。 本県では、厳しい財政状況を踏まえ、令和元年10月に新潟県行財政改革行動計画を策定し、従来の財政運営計画で示されていた中期財政収支見通しに加え、急務となっている歳出歳入改革の目標や具体的な取組を定められました。 また、令和4年度に実質公債費比率が18%以上となることが確実視されていたことから、令和2年3月に公債費負担適正化計画を策定し、公債費負担の目標と県債発行のルールを設けられております。 県は、令和2年度以降、これまでの財政運営計画に代わり、中期財政収支見通し、歳出歳入改革の具体的な取組、公債費負担適正化計画を一連の計画として行財政改革行動計画に再編し、取組を進めているところであり、花角知事をはじめ、職員の給与の削減など、県財政の再建に向けて、全庁挙げて取り組んでおられることも承知しております。 そこで、現時点までの行財政改革行動計画に掲げた取組の成果と評価、及び今後の財政見通しについて、所見をお伺いいたします。 次に、ふるさと納税の拡充についてお伺いいたします。 我が国では、2008年、平成20年5月から、地方と大都市の格差是正、人口減少地域における税収減少対策、地方創生を主な目的に、寄附金税制の一つとしてふるさと納税が実施されております。 このふるさと納税は、生まれ育ったふるさとに貢献できる制度として創設されておりますが、自分の生まれ故郷に限らず、どの自治体に対しても納税を行うことができるため、県内各市町村においても、自治体のPRと自主財源確保に向けて、ふるさと納税に力を入れて取り組んでおられる状況にあります。 本県及び県内市町村の寄附受入れ額を見てみますと、2022年の総務省の発表によれば、本県の寄附受入れ額は約6億800万円であり、県が制度を導入した2008年以降で最高額になっております。 しかしながら、新潟県ふるさと納税金額ランキング上位の県内の自治体では40億円を超える自治体もあり、県の寄附金受入れ額と比較すると大分差が開いている現状であります。 先ほども申し上げましたが、持続可能で安定的な財政運営を行っていく上で、自主財源確保のためにも、県が行うふるさと納税の拡充を図るべきと考えます。これまでも返礼品や寄附受付サイトの拡充などに取り組んできたものと承知しておりますが、今後の方針について、知事の所見をお伺いいたします。 また、ふるさと納税の拡充に当たっては、県内各市町村から、例えば日本酒・地場産業製品・農産物・海産物・食肉・観光商品等を数点ずつ挙げていただき、その品目別にパッケージ化したものを県の返礼品としてみてはいかがでしょうか。パッケージ化することで、市町村間の公平性や相乗効果が図られるとともに、このような取組は県にしかできないものと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 さらに、ふるさと納税の拡充を図ることで、自主財源確保に加え、新潟の魅力・新潟らしさ・新潟ブランドを発信することができ、知事が目指しておられる、住んでよし、訪れてよしの新潟県の実現に近づくものと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、県央医療圏の問題についてお伺いいたします。 現在、県央基幹病院は、令和5年度中の開院に向け、ハード・ソフト両面とも急ピッチで整備が進んでいるところであります。 ハード面では、本体工事に加え、放射線機器の配置やICTを活用した医療システムの導入、感染症対策の陰圧個室、多床室を設置することとしています。 ソフト面では、人材確保はもちろんのこと、圏域外搬送を極力減らし、断らない救急の実現に向けて、今年4月から燕労災病院でER救急の先行実施に入っております。 県央基幹病院は、急性期医療、専門医療のほか、人材育成という大きな使命を担っており、地域医療再生のモデルケースとして期待されているところでもあります。その成否は、地域の存続にもつながると断言する医師もあり、重要な局面を迎えているところでもあります。 そのような中、先週、地元紙により、開院時に必要な看護師、准看護師、保健師、助産師などの看護職員の数が100人程度足りない見通しであるとの報道がありました。魚沼基幹病院の事例もあり、地元からはこの報道内容を心配する声が多く聞こえており、私も今後の見通しを不安視しているところでもあります。 そこで、お聞きしますが、県央基幹病院のハード面の進捗状況と、医師をはじめとするメディカルスタッフ確保のソフト面の現状についてお伺いいたします。 また、県央医療圏では、分娩のできる医療機関が3か所しかなく、産婦人科医の偏在指標も県平均を大きく下回っております。 一方、今年9月から10月にかけて、県が地元住民に説明した県央地域の医療再編に関する資料には、県央基幹病院の概要に、正常分娩、低出生体重児出産の機能が盛り込まれておりました。 県央地域の妊婦さんからも、県央基幹病院内に産科を設置することにより、正常分娩、多胎児出産も安心できるといった期待の声が多く届いております。 県央医療圏の現状を踏まえ、県央基幹病院開院に向けて産科の設置を強く要望するところでありますが、この問題について知事の所見をお伺いいたします。 次に、産業についてであります。 最初に、中小企業・小規模事業所への支援についてでありますが、現在の日本経済を見ますと、2020年の春から感染拡大した新型コロナウイルス感染症が、いまだ収束の兆しが見えないことに加え、円安の進行、エネルギーや原材料価格の高騰により、県内の中小企業・小規模事業者の経営環境も厳しい状況が続いていると認識しております。 そのような中、先般、新潟県商工会連合会から知事に対し、令和5年度予算編成に向けた施策要望が行われ、小規模事業経営支援事業費補助金の確保、小規模事業者の効率的な支援体制の構築のための取組支援、中小企業・小規模事業者支援施策の継続と拡充の3項目について要望があったと承知しております。 この3項目の要望に対し、知事は予算の作業が本格化する中で、どう取り組むことができるか検討したい、との回答をされておりますが、改めてこれに対する現時点での対応、方針について、知事の所見をお伺いいたします。 次に、本県で現在実施している、県産材の家づくり支援事業についてお伺いいたします。 本県は、面積の68%が森林であり、県は県産材の利用拡大を推進しているところでもありますが、住宅における県産材の利用を促進する、県産材の家づくり支援事業について、申請者である大工・工務店からは、補助金額が低く、また申請手続に手間がかかるなど、使い勝手をよくしてもらいたいとの声を聞きます。 県産材の利用促進事業については、厳しい財政状況を踏まえ、歳出歳入改革の取組が急務となっていたことから、令和元年度にこれまでの事業を見直し、補助対象の変更や補助率を下げられたものと私は推察しているところであります。 本事業について、大工・工務店に魅力がある事業となるよう見直し、県産材の利用拡大のため、十分な予算を確保するべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、教育問題についてお伺いいたします。 最初に、いじめ問題についてでありますが、新潟県の国公私立小・中・高校及び特別支援学校における、いじめ認知件数の過去10年間の推移は、平成24年度が1,673件で、以降、年々増加傾向にあり、平成28年度から、けんか等も含めていじめの積極的な認知を進めたことにより、認知件数が大幅に増加し、近年の令和2年度が1万7,107件、令和3年度では2万1,254件になっております。 この状況を見て、認知件数が大幅に増加したことをよくないと受け止めるか、あるいは、いじめの積極的な認知を進めたことによる結果と肯定的に評価するかは、人それぞれであるのかもしれません。 そこで、全国的ないじめ問題に目を向けてみますと、いじめによる不測の事態が起きると、ほとんどの教育委員会が、いじめはなかったものと認識している、現在、第三者委員会を立ち上げ、調査に入ったところであります、とコメントし、その後、大体が第三者委員会の調査結果でいじめがあったことが確認され、大変申し訳ありませんでした、といった言葉や映像が報道などで散見されます。 学校では、いじめがあったことは認識していないことを強調し、第三者委員会でよくよく詳しく調査してみたら、いじめがあったと、第三者委員会に責任転嫁しているように見えてなりません。 本県においては、決してこのようなことはないものと思っております。冒頭の10年間の推移から見ても、いじめ撲滅はなかなか難しいものと認識しており、いじめ見逃しゼロを目指し、引き続き真剣に取り組んでほしいと願っております。 医療現場においても、早期発見、早期治療といったことがあるように、学校におけるいじめにおいても早期発見、早期対応を徹底していくことで、不測の事態を未然に防げるものと思っております。 いじめが本当にないとしたら、これほどよいことはありませんが、いじめ認知件数がゼロでも、多くても、県教育委員会は学校に対して、同じ評価でなければならないと私は強く思っております。 繰り返しになりますが、学校現場におけるいじめ問題で大切なことは、日頃から教員が児童生徒に目配りをしながら、いじめの見逃しをなくすことであり、その結果、認知件数が増えても悪いことではないと私は思っております。 このことについて、教育長の所見をお伺いいたします。 また、教育委員会では、いじめ見逃しゼロの推進に向け、取り組んでおられますが、その具体的な内容と現時点での評価について、併せてお伺いいたします。 次に、中学校運動部活動の休日地域移行についてお伺いいたします。 文部科学省では、部活の意義と課題として、部活動は学校教育の一環として学習指導要領に位置づけられた活動であり、教科学習とは異なる集団での活動を通じた人間形成の機会、多様な生徒が活躍できる場として、大変意義深い活動とする一方で、教師の長時間勤務の要因であることや、指導経験のない教師にとって多大な負担となっているという課題もあることから、中学校の運動部活動を令和5年度から段階的に地域に移行していくこととしております。 この点については、本県教育委員会も、教員の長時間勤務の原因の多くは、部活動指導によることが明らかとしており、その改善は喫緊の課題であるとしています。 また、日本スポーツ協会が令和3年7月に公表した調査結果によると、部活動顧問のおよそ半数が、休日の部活動が地域に移行された場合は指導を地域人材に任せたいと回答している実態もあります。 一方で、生徒の視点に立って考えた場合、部活動に対しては、保護者の皆様の思いも含め、大会での成績や体力、技術の向上など、様々なニーズがあります。 また、地域移行の受皿として、生徒は希望に応じた活動を選択することができることになっております。 そこで、お聞きいたしますが、中学校運動部活動の休日地域移行について、希望する教師は引き続き休日に指導ができる仕組みを構築するとのことでありますが、先ほども申し上げたとおり、本県における中学校教員の長時間勤務の原因の多くは部活動指導によることが明らかであり、この仕組みは働き方改革の方向性に逆行しているように感じますが、このことについて所見をお伺いいたします。 また、地域運動部活動への移行について、文部科学省は、この休日の運動部活動から段階的に行っていくこととしております。 各市町村では、現在、地域運動部活動の制度設計に取り組んでおられることと思いますが、受皿、指導者、施設、事故発生時の対応などの課題も多くあり、困惑する声も聞こえております。この点についての認識と県教育委員会としての対応をお伺いいたします。 最後に、県政の諸課題についてお伺いいたします。 最初に、Jアラート発令時の避難についてお伺いいたします。 11月3日に北朝鮮からミサイルが発射され、本県にもJアラートが発令されました。Jアラートは、住民の避難行動につなげる重要な役割を持っているものと認識しております。 今回発令された避難情報は、我が国に向けミサイルが発射されました、建物の中、または地下室に避難してください、とのことでありました。しかし、実際はどのように行動すればよいのか分からないという方が大勢いられたようであります。 そのため、国・県・市町村が連携し、地域住民に対してJアラート発令時の行動を周知し、迅速な避難につなげることが重要と考えますが、県の対応についてお伺いいたします。 次に、佐渡汽船が導入する中古カーフェリーについてお伺いいたします。 佐渡汽船では、今年9月、小木-直江津航路で来春導入する中古カーフェリーを購入しました。このカーフェリーは、愛媛県の船会社から8億7,000万円で取得し、船舶改造費などに2億円を見込んでいるとのことであります。 また、船は同社が自己資金で購入しますが、就航後3年間の航路損益が赤字になるとして、7月に県と佐渡市、上越市に支援要請を行っています。 県としては、今年10月5日に開かれた県議会9月定例会の建設公安委員会において、離島航路の支援実績に関する質問に対し、2013年度の佐渡汽船、あかねと2019年度の粟島汽船、フェリーニューあわしま導入時を例示し、あかねは県が赤字の穴埋めとして12億円、佐渡市と上越市は建造支援で11億円を負担したと説明され、またニューあわしまは、粟島浦村が粟島汽船に対して導入に伴う赤字補填分を一旦全額支払い、そのうち8割は国の特別交付税を活用し、村が実負担した残り2割のうち半分を県が支援したと答弁されております。 そこでお聞きしますが、佐渡汽船が導入する中古カーフェリーに対する県と佐渡市、上越市の負担割合等について、同建設公安委員会での答弁に関する報道によると、県が想定するのはニューあわしま方式だが、両市ともそれぞれ立場があるので、3者で協議したいとのことでありました。 しかし、協議の進め方や負担割合等において、県と両市の間で意見の相違があったようでありますが、合意に向け今後どのように両市との協議を進めていくのか、所見をお伺いいたします。 以上で私からの一般質問を終わります。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 堀議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、人口減少問題への対応に係る取組の成果等についてでありますが、総合計画の達成目標のうち、大学進学等による県外流出の超過や社会人のU・Iターンなどについては改善傾向にあるものの、大学生の県内就職やUターン就職が悪化しており、若者の県内就職について取組を強化していく必要があるものと認識しています。 また、自然動態についても合計特殊出生率の低下が続いており、晩婚化の傾向とともに、本県の若年女性の県外流出と、これに伴う婚姻率の低下が影響しているものと考えています。 県といたしましては、若者の結婚支援の強化のほか、子育て支援や、働きやすい魅力ある雇用の場の創出、女性が活躍しやすい環境づくりや情報発信の強化など、若者や女性に選ばれる新潟となるよう、官民一体で取り組んでまいりたいと思います。 次に、子育てや教育に係る経済負担についてでありますが、少子化対策は全国共通の課題であり、現在、国は、経済的負担支援として児童手当の支給や幼児教育・保育の無償化、高等教育の修学支援等施策を講じています。さらに、先日成立しました第2次補正予算では、出産・子育て応援交付金を盛り込み、支援を拡充したところです。 また、少子化社会対策大綱では、必要な安定財源を確保しながら、総合的な少子化対策を大胆に進める方針を示し、児童手当の効果的な給付の在り方や、高等教育の修学支援新制度の対象者拡大など、一層の負担軽減に向け、必要な検討を行うこととしています。 今後、国の動向を注視しながら、地方だけでは解決が難しい制度改革等への対応や少子化対策の予算規模の拡大等について、全国知事会などを通じて国へ働きかけるとともに、県といたしましても、社会全体で子育てを支える環境づくりに取り組んでまいります。 次に、行財政問題についてお答えをいたします。 行財政改革の取組についてでありますが、現時点の試算では、行動計画の目標である大規模災害に備えるための財源対策的基金230億円を確保しつつ、令和5年度時点での収支均衡の達成を見込んでおり、着実に改革が進んできたものと考えております。 これは、県民や議会の皆様の御理解の下、聖域を設けることなくあらゆる分野の見直しを進めてきたことに加え、議会の皆様や職員から緊急避難的な給与の臨時的削減に協力をいただいたほか、歳入面でも、国への働きかけにより本県の要望に沿った地方交付税等の制度改正が実現するなど、様々な努力の結果によるものと考えています。 一方で、令和13年度の公債費の実負担のピークに対応するため、行動計画の最終年度である令和5年度当初予算において、もう一段のさらなる収支改革を行う必要があると見込んでおり、引き続き行財政改革にしっかりと取り組んでまいります。 次に、ふるさと納税の拡充についてお答えします。 まず、今後の方針についてでありますが、ふるさと納税は、県産品や宿泊体験など、本県の魅力に触れていただく大切な機会を提供するとともに、議員御指摘のとおり、自主財源の確保のために有効であると考えており、寄附額増加に向けた取組をより一層進めていく必要があると認識しています。 県では、これまで、返礼品数の大幅な拡充、寄附受付ポータルサイトの追加などに取り組み、昨年度は、前年度比約2億5,000万円増の約6億円の寄附をいただいたところです。 総務省の統計によりますと、ふるさと納税による寄附額は、全国的にも増加傾向が続いていることから、寄附者のニーズを捉えつつ、本県ならではの魅力的な返礼品をさらに充実させるなど、より多くの皆様から本県を寄附先として選んでいただけるよう取り組んでまいります。 次に、ふるさと納税の返礼品のパッケージ化についてでありますが、議員御指摘のとおり、複数の市町村の地場産品等を組み合わせて返礼品とすることは、広域自治体である県だからこそできるものであり、また、県全体の地場産品の振興などにつながることから、積極的に進めていくべきであると考えています。 県では、これまでも、県内各地の日本酒や複数産地の米などをセットにした返礼品のほか、毎月異なる県産食材が届く定期便などを返礼品としてきたところでありますが、今後さらに取組を進め、地場産業の活性化や、交流人口の拡大などに寄与してまいりたいと考えております。 次に、ふるさと納税による県の魅力等の発信についてでありますが、議員御指摘のとおり、ふるさと納税を拡充することは、多くの方に本県の魅力を知っていただくことになり、市町村による取組とも相まって、県内産業の活性化や県産農産物のブランド力の向上、交流人口の拡大など、住んでよし、訪れてよしの新潟県の実現につながるものと考えています。 県といたしましては、本県の魅力やブランドのさらなる発信のため、本県ブランド品目や体験型返礼品の充実など、本県ならではの返礼品の拡充に取り組んでまいります。 次に、県央医療圏の問題についてお答えします。 県央基幹病院における産科の設置等についてでありますが、現在、県では分娩件数の減少や医師の働き方改革等への対応を視野に入れ、持続可能な周産期医療提供体制の実現に向けた県全体の方向性を検討しているところであり、県央地域においても、この検討を踏まえて、県央基幹病院を含めた病院・診療所の適切な役割分担と連携による周産期医療提供体制を整備してまいりたいと考えております。 県央基幹病院における産科の医師配置につきましては、現在、産科も含む新潟大学からの派遣により医師を確保する診療科について、県全体の医師配置状況を踏まえ、関係者とも調整しながら、新潟大学に配置を検討していただいているところであり、具体的な体制については、来年度の一定の時期に公表できるようになると考えています。 引き続き、県央基幹病院の周産期医療を含めた医療体制整備に努めてまいります。 次に、産業問題についてお答えをします。 県商工会連合会の要望への対応方針についてでありますが、同連合会からは、住民の生活に必要な商品・サービスの提供や、地域の雇用確保に大きな役割を果たしている中小企業者の経営安定に向けた支援の拡充、経済社会活動の変化に対応した商工会の支援体制の構築などの要望をいただいており、新型感染症や物価高騰等の影響により厳しい状況にある地域経済の活力を維持する観点からも、重く受け止めております。 県といたしましては、要望の趣旨を踏まえ、県内中小企業者の持続的な発展につながるよう、新年度予算の編成過程において、必要な対応を検討してまいります。   〔防災局長原直人君登壇〕 ◎防災局長(原直人君) お答えいたします。 Jアラート発令時の行動の周知についてでありますが、議員御指摘のとおり、Jアラート発令時の行動を県民に周知し、迅速な避難につなげることは重要であると認識しております。 Jアラート発令時に取るべき行動については、県や国及び市町村においてホームページ等で周知しております。 また、今年度、粟島浦村で実施した住民避難訓練時の様子を、報道機関に情報提供し、県民に報道していただいたところです。 今後の県の対応としましては、引き続き、国、市町村と連携しながら、県内各地で訓練を行うとともに、様々な手段や機会を通じて、県民への周知に努めてまいりたいと考えております。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) お答え申し上げます。 県央基幹病院整備の進捗状況についてでありますが、建築工事は順調に進んでおり、特段の遅れがない限り、令和5年12月には工事を終え、医療機器等の搬入の開院準備を進めていく予定です。 医師の確保につきましては、既にオンライン海外留学制度を活用する臨床研修医2名が、今年度から臨床研修に入っているほか、来年4月から、救急科の常勤医1名、専攻医数名を配置する見込みとなっております。 また、メディカルスタッフにつきましては、燕労災病院と三条総合病院の統合2病院職員の約75%が転籍意向を示しているほか、特に、看護職員につきましては、転籍対象職員354名のうち、約8割に当たる278名が県央基幹病院での勤務を希望していることに加え、今年度は年度中に既卒の看護職員を21名採用し、来年4月にさらに採用予定の50名と合わせて、計70名を既に確保したところです。 これにより、必要となる看護職員数約400名に対し、既に約350名を確保している状況であり、追加的に確保が必要となる職員数は50名程度となっております。来年度に、今年度の採用実績である約70名と同程度を確保することにより、必要数を確保できる見込みとなっております。   〔農林水産部長小幡浩之君登壇〕 ◎農林水産部長(小幡浩之君) お答えいたします。 新潟県産材の家づくり支援事業の利用促進についてでありますが、県では、林業の成長産業化や脱炭素社会の実現に貢献することから、住宅建設における県産材の利用を支援しているところですが、支援事業の利用件数は伸び悩んでいると認識しております。 今後、県産材を利用した住宅を増やしていくためには、県民や工務店に県産材利用の意義について理解を広めるとともに、県産材を積極的に利用していただく大工・工務店を増やしていくことが必要であると考えております。 県といたしましては、事業利用者である大工・工務店の意見を聞きながら、引き続き申請手続の簡素化に努めるとともに、当初予算編成の中で事業内容についても検討してまいります。   〔交通政策局長佐瀬浩市君登壇〕 ◎交通政策局長(佐瀬浩市君) お答えします。 佐渡汽船のカーフェリー導入に係る両市との協議についてでありますが、県といたしましては、国から最大限の支援が得られる方策を選択することが、県全体としても、最も望ましいものと考えておりますが、両市にもお考えがあると承知しておりますので、引き続き、相互に納得できるよう協議してまいりたいと考えております。   〔教育長佐野哲郎君登壇〕 ◎教育長(佐野哲郎君) 3点についてお答えいたします。 まず、いじめの認知件数の増加及びいじめ見逃しゼロの推進についてでありますが、議員御指摘のとおり、いじめの認知件数の増加は、学校がいじめ防止対策推進法に定める定義に従い、積極的に認知に努める姿勢の表れであると、肯定的に捉えております。 いじめ見逃しゼロ県民運動については、平成25年度から、学校への出前授業に加え、県民全体を対象とした講座の開催やポスター掲示による啓発などに取り組んでおります。 内容について毎年改善しながら、10年間継続してきたことにより、教職員、児童生徒、保護者等に、いじめを見逃さない意識が一定程度浸透してきていると評価をしており、令和3年度の文部科学省の調査で、1,000人当たりの認知件数が全国で2番目に多い結果にもつながっていると考えております。 次に、部活動の地域移行が教員の働き方改革にもたらす効果についてでありますが、文部科学省は、地域での指導を希望する教員に対し、学校設置者が兼職兼業の判断を行う際に、学校における労働時間と地域団体の業務に従事する時間の合計に上限を示していることから、労働時間が過度になることはないというふうに考えております。 一方で、休日に、地域での指導を希望しない教員については、労働時間の縮減に大きなメリットが生じると考えており、全体としては、教員の働き方改革に寄与するものであると認識をしております。 次に、地域移行の課題の対応についてでありますが、部活動に代わる、中学生にとって新しいスポーツ環境を構築するには、受皿や指導者の確保等、多くの課題があると認識をしております。 教育委員会ではこれまで、新潟県部活動改革検討委員会を開催し、諸課題への対応について協議をしてきており、今年3月には地域移行に向けた制度設計の手引を作成したほか、市町村教育委員会の担当者との協議会での情報共有や、全県の中学校教員を対象とした指導ニーズ調査の実施、地域指導者の資質向上に向けた研修コンテンツの作成などの取組を進めてきているところでございます。 一方でスポーツ庁は、本年度中に、地域スポーツ活動を含めた部活動ガイドラインを策定することとしており、今後は、その動向を注視し、各市町村に対し、必要な情報の提供に努めてまいります。 ○議長(小島隆君) 堀勝重君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(小島隆君) これにて一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(小島隆君) お諮りいたします。 議案審査等のため、明12月13日から12月16日まで及び12月19日から12月23日までの9日間、本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小島隆君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、12月17日、12月18日、12月24日及び12月25日は、休日のため、本会議を休会といたします。   ――――――――☆―――――――― ○議長(小島隆君) 本日の議事日程は終了いたしました。 次会は、12月26日午後1時から開くことといたします。 本日はこれにて散会いたします。 △午後5時13分散会...